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No.4209 在宅勤務の悩み、トップは「健康面の不安」

● 在宅勤務で「困ることある」95%

 コクヨ株式会社は、自社の公式直販「KOKUYO Workstyle Shop」の会員を対象に在宅勤務に関するアンケート調査を実施した。対象は、週1日以上在宅勤務を行う20~60代の男女440名。これらの調査は在宅ワーカーの業務改善を図るため、テレワークを実践する方々の意識、悩みなどを把握することを目的としており、在宅勤務の課題解決にも活かしていく狙いもある。

 在宅勤務に関して困ることがあるかという質問には95%が「ある」と回答した。実際にどういったことに悩んでいるのかという質問には、「健康面の不安」に関する回答をした人が全体の32.8%を占めトップとなった。

● 在宅勤務の環境面の悩みも多い

 悩みの内容に関して「健康面の不安」の他には、「集中力・メリハリ」(19.2%)、「空間・設備」(13.4%)、「家族・同居人」(10.8%)に関する回答が上位を占めており、仕事に向き合いづらい環境面についても多くの悩みを抱えていることが明らかとなった。

 健康面の悩みを抱えている方の多くは、「姿勢や座りっぱなしからくる身体の痛み」をあげており、全体の70%以上を占めていた。その他には運動不足や目の疲れなどの回答もあり、在宅ワークによる身体的負担については改善の余地がありそうだ。

 実際に姿勢が悪くなる原因として、「イス・デスク等の家具があっていないから」という回答もあって、快適なオフィス環境との違いも関係しているといえよう。このように「健康面の不安」は「空間・設備」という環境変化が影響している可能性もあり、放置しておくと集中力を欠いてしまうことにもなりかねない。

● 集中力は生産性に大きな影響あり

 在宅勤務が始まってから購入したアイテムに関する質問には、1位はデスク・チェアーなどの執務環境を構成する家具(約35%)、2位はパソコンおよびマウス、モニター、オンライン会議用のカメラなどパソコン関連のアイテム(約30%)という結果となった。

 在宅勤務している従業員がどのような環境で作業しているかはわかりにくい。従業員に自宅等の作業環境に関する状況の報告を求めるとともに、必要な場合には、労使が協力して改善を図る、あるいは自宅以外の場所(サテライトオフィス等)の活用も検討する必要があるのではないだろうか。

参照: コクヨ、在宅勤務に関する悩みごと意識調査を実施

2021.11.22

庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)

株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表
社会保険労務士 人事コンサルタント

福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。

公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/