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No.4203 中小M&Aの流れとアドバイザー手数料の種類

 後継者探しや、事業戦略(多角化、他地域出店など)の一つの選択肢として、認知・活用されつつあるM&A。今回は事前に知っておいて頂きたい、中小M&Aの大まかな流れや手数料の種類について解説したい。

● 大まかな中小M&Aの流れ

 中小M&Aはほとんどの場合、アドバイザー(士業等専門家・金融機関等)に条件交渉役兼取りまとめ役を依頼する。その場合、大まかに下記のように進むことが多い。

・ トップ面談
譲り渡し企業・譲り受け企業の経営者が初めて面談する場。
経営理念・企業文化や経営者個人の人間性等を直接確認したり、自身の下調べでは確認できなかった相手企業のことを把握するために行われる。

・ 基本合意
お互いの条件をすり合わせ、大まかに条件の合意が取れた時に締結されることが多い。
最終契約におけるスキーム(株式譲渡や事業譲渡といった手法)、企業調査(デューデリジェンス)の前時点における譲渡対価の予定額や経営者・従業員の処遇、最終契約締結までのスケジュールと、双方の実施事項や遵守事項、条件の最終調整方法等、主要な合意事項を盛り込んだ契約書を結ぶ。

・ 企業調査(デューデリジェンス)
主に譲り受け企業が、譲り渡し企業の財務・法務・ビジネス(事業)・税務等の実態について、士業等専門家を活用して調査する工程。譲渡対価の金額の精査や、判明した実態を踏まえて譲り渡し後の事業改善の洗い出し等の目的で行われる想定し得るリスク全般について調査することもあれば、対象事項等を限定して簡易な形で行うこともあり、調査の密度はさまざまである。

・ 最終契約
企業調査で発見された点や基本合意で留保していた事項について話し合い、最終的な契約を締結する工程。アドバイザーのアドバイスを受けながら、契約内容に必要な事項が網羅されているかを最終的に確認した後、調印を行う。不安がある場合等には、調印前に契約内容に関する意見を他の支援機関に求めること(セカンド・オピニオン)も有効である。

● M&Aの手数料の種類

 アドバイザーにより手数料の金額やタイミング・体系は異なるため、中小企業間のM&Aでの1つの例として手数料の種類を一部掲載する。

・着 手 金: アドバイザリー契約締結の際に発生。
・中 間 金: 基本合意契約締結の際に発生。
・成功報酬: 最終契約締結(成約)の際に発生。算出方法はいくつかあるが、定額固定の場合もある。最低報酬を設けている専門家もいる。

● アドバイザー選定は慎重に

 近年ではM&A取引の品質向上のため、政府主導でM&A支援機関登録制度を新設するなど、整備が急ピッチで進められているが、アドバイザーを名乗るのには資格や登録などは一切必要ないのが現状だ。

 上記を踏まえ、アドバイザーの選定の際には、よく契約条件を確認することをお勧めする。

 現在、M&A支援機関登録制度の事務局ホームページで、登録アドバイザーの検索が可能なデータベースが公表されているので、是非ご活用頂きたい。

参考: M&A支援機関登録制度「登録機関データベース」

2021.11.15

山崎 美穂(やまざき・みほ)

マネーコンシェルジュ税理士法人
栃木県出身。一般企業で経理・総務を経験し、現法人へ。企業で役立つ支援策・補助金等の最新情報を収集、お役立ち情報としてSNSやホームページで発信中。
趣味は釣りと食べ歩き。

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