No.4086 今こそ身に付けよう「金融リテラシー」
● 金融リテラシーの高い人の特徴とは?
一人ひとりがより自立していて豊かに暮らすために必要なスキルの1つに「金融リテラシー」があります。金融リテラシーとは、金融に関する知識や情報を正しく判断するための能力のことを言います。金融リテラシーを向上させることで、資産形成に役立つのはもちろんのこと、適切な家計収支のバランスが保てるようになる、金融トラブルに遭いにくくなることなどの効果が期待できるでしょう。
金融広報中央員会が実施する「金融リテラシー調査2019年」によると、高リテラシー層(※)には次のような特徴があるとされています。
<高リテラシー層の特徴>
【行動特性】(抜粋)
・ 家計管理がしっかりしている
・ 他の商品と比較している
・ 商品性を理解した上で購入
・ 緊急時の備えを持っている
・ 損失回避傾向が弱い など
【行動特性を踏まえた結果】(抜粋)
・ 金融トラブルが少なめ
・ 借入れの負担感が低め
・ 経済ショックへの耐性が強め
・ リスク性資産への投資が多め など
※ 同調査で出題した問題の正答率が80%を超える層。
調査の結果からも、金融リテラシーの向上は、資産形成で生かせるばかりでなく、身を守る手段にもなることがわかります。
出典: 金融リテラシー調査(2019年)
● 金融リテラシー向上で役立つ資料2選
そこで金融リテラシーを高めるために活用できる資料を2点ご紹介します。
金融庁では「最低限身に付けるべき金融リテラシー(4分野・15項目)」を公開しています。
4分野の構成は「①家計管理、②生活設計、③金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択、④外部の知見の適切な活用」。さらにそれぞれの分野で、理解すべき項目が挙げられています。
https://www.fsa.go.jp/news/25/sonota/20131129-1/01.pdf
金融リテラシーを高める上で、最低限身に付けるために行う具体的な行動が確認できる内容です。
次に挙げるのは「基礎から学べる金融ガイド」で、2021年2月に改訂版が公表されてます。家計管理、生活設計、預貯金、投資商品、保険など多岐にわたって金融知識が身に付くガイドとなっています。特筆すべきは金融トラブルに関するページで、事例と対策が掲載されています。「振込詐欺」など従来からあるトラブルのほか、今の時世が反映された「SNSを通じた個人間融資」や「海外の保険」などトラブル事例が相談先とともに紹介されています。
https://www.fsa.go.jp/teach/kou3.pdf
金融リテラシーの向上の重要性を認識しながら、どのように行動すべきかわからない人も多いと思います。既に今回ご紹介した資料を活用しながら、知識を深めてみるのもよいでしょう。
2021.03.29
小沢 美奈子(おざわ・みなこ)
K&Bプランニング代表 ファイナンシャルプランナー(AFP)/ライター
法政大学卒業後、損害保険会社にて、人材教育部門で社員教育・研修講師など約12年間勤務の後、外資系損害保険会社で営業職に就く。ファイナンシャルプランナー取得後は、独立系FP事務所、住宅メーカーを経て独立。
Webや書籍などで記事執筆、セミナー講師、個人向けコンサルティングを行うほか、フォトライターとしても活躍。趣味はカメラ。
ホームページ http://kandbplanning.org/
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目 次
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- 2章: 常識だと思い込んでいない?!・・・日々の「家計」を左右する本物の節約・残念な節約
- 3章: そのケチり方、間違いかも…暮らしの「お楽しみ」の本物の節約・残念な節約
- 4章: 銀行や保険とムダなく付き合う・・・「マネー」の達人に学ぶ本物の節約・残念な節約
- 5章: マネープランで後悔しないために・・・「人生の節目」で差がつく本物の節約・残念な節約
- エピローグ: 資産づくりの仕組みをつくる・・・「10年で1000万円貯める!」はなぜ、夢じゃないと言えるのか