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No.4017 事業承継M&Aに関する令和3年度税制改正要望

● 中小企業による経営資源集約化の促進に係る税制措置の創設(経済産業省)

 新型コロナウイルス感染症の影響で、例年より1ヶ月遅れていた、各省庁からの税制改正要望が9月末に出揃った。その中で、中小企業の事業承継に影響がありそうな項目を2つご紹介する。

 経済産業省からは、中小企業がM&Aを行った際の優遇税制の創設が要望されている。ウィズコロナ/ポストコロナ社会において、経営資源を集約化等(統合・事業再構築等)させることによって、新規事業拡大や多角化等を行い、生産性の向上を図る中小企業に対して、必要な税制措置を創設する、としている。

 中小企業の事業承継におけるM&A(親族外承継)の活用は増加しているが、その潜在的なニーズを踏まえると、まだまだ拡大の余地がある。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、M&Aの意欲が抑制され、また多くの休廃業、解散、倒産も発生する恐れがある。それらの観点から、経営資源集約化を推進する必要がある、と経済産業省は分析している。

 具体的な税制措置の内容は不明であるが、M&Aを促進するため、中小企業が支払うM&Aによる取得対価や仲介事業者への手数料負担を緩和するような税制が想定されていると思われる。

● 第三者への事業承継に係る課税猶予措置(金融庁)

 経営者の高齢化が進む現状において、中小企業の円滑な事業承継は重要な政策課題であり、既に代表者になっている者への株式贈与・相続による事業承継については、事業承継税制による後継者への贈与税・相続税の納税猶予が手当てされているが、第三者への株式譲渡による事業承継については、一括で株式譲渡益課税(20.315%)されるにもかかわらず、金融機関等による承継先の仲介支援が行われているのみで、税制上の支援は特に行われていない。

 この第三者への事業承継について、株式譲渡益課税を猶予する措置が、金融庁から要望されている。新型コロナウイルス感染症の影響による自主廃業を迫られる中小企業も少なくないと考えられ、それに対する対応も必要としている。

 M&Aによる親族外承継を促進するため、前者(経済産業省)の要望はM&Aの買い手である中小企業、後者(金融庁)の要望はM&Aの売り手である中小企業オーナー個人、両者それぞれに対する措置が要望されていると考えられる。

 なお、今回の内容はあくまで改正要望であり、実現するかどうかは現時点で不明であるため、ご留意頂きたい。

2020.11.09

村田 直(むらた・ただし)

マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
大阪府茨木市出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。平成22年3月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。

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