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No.4015 年度途中でも申請できる就学援助

 小学校・中学校に通う子供の保護者に対して、学校で必要な費用の一部を援助するのが就学援助制度です。世帯所得が一定以下の方などが対象になり、基本的には進学・進級時に申請をします。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて子供を就学させることが困難になった場合などについては、年度の途中でも申請することができます。内容を確認していきましょう。

● 世帯所得の基準は市区町村で異なる

 就学援助制度は、「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない」とされる学校教育法に基づく制度です。

 対象になるのは、生活保護を受けている方(要保護者)や、それに準ずる程度に困窮していると認められる方(準要保護者)です。

 準要保護者の所得基準は自治体によって異なります。例えば4人家族では、2019年の世帯の合計所得額が、石川県金沢市では334万円、京都府京都市では279万円、神奈川県相模原市では341万円というように全国一律ではなく、自治体ごとの基準が設けられており、自治体のホームページなどでも確認することができます。ただし、あくまでも目安であり、家族構成や年齢などによって基準額が異なる場合があるので、お子様が通学する学校で確認するとよいでしょう。

 通常は、入学時や進級時に学校からプリントなどで案内されることが多く、該当する方はその時に申請をします。また、学年の途中であっても、保護者の失業や死亡、離婚などによる家計の急変によって経済的に就学が困難になった場合には申請することができます。新型コロナウイルス感染症の影響を受けた家計の急変についても、昨年の所得ではなく今年の収入状況を踏まえて判断する措置が取られています。

● 給食費や学用品費、修学旅行費も支給される

 就学援助により支給の対象になるのは以下の費用です。

学用品費/体育実技用具費/新入学児童生徒学用品費等/通学用品費/通学費/修学旅行費/校外活動費/医療費/学校給食費/クラブ活動費/生徒会費/PTA会費/卒業アルバム代 等

 これらの中には、中学校でのみ支援対象になる費用や、生活保護を受けている場合のみ対象になる費用もあるので申請時に書面で確認しておきましょう。

 家計が厳しい時には教育費を支援してもらえると大いに助かります。新型コロナウイルス感染症の影響を受けて大変な状況にある方も、無理をせず、来年の進級時を待たずに学校へ相談してみてください。

2020.11.02

森田 和子(もりた・かずこ)

FPオフィス・モリタ 代表

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFPR認定者、DCA(確定拠出年金アドバイザー)
大学卒業後、コンピュータソフト会社、生命保険会社勤務を経て、1999年独立。保険や投資信託の販売をしない独立系のファイナンシャル・プランナー事務所としてコンサルティングを行っている。
お金の管理は「楽に、楽しく」、相談される方を「追い詰めない」のがモットー。情報サイト・新聞・雑誌への執筆多数。企業・学校・イベントで行うマネープランセミナー・講演も好評。

FPオフィス・モリタ http://okane-net.com/