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No.3951 不安につけこんだ特殊詐欺に注意!その手口と対策について

 「オレオレ詐欺」や「還付金詐欺」といった特殊詐欺の手口は広く知られ、ニュースなどでも報じられています。騙されないための注意喚起も頻繁に行われていますが、特殊詐欺による被害は減る気配がありません。自分や家族が被害に遭いそうになった時に冷静さを保てるよう、手口のパターンと対策についておさらいしましょう。

● 昨年の特殊詐欺被害総額は約300億円

 警察庁が公表している特殊詐欺の認知・検挙状況等の統計によると、令和元年の認知件数は16,836件、被害総額は約300億円にのぼります。認知件数と被害総額について毎年の増減はあるものの、ここ10年間で増加しているとも減少しているとも言えず、今後も似た傾向が続くと予想されます。なお、同統計では今年1月から特殊詐欺の手口を10のパターンに分類しており、代表的なものは以下の通りです。

  1. オレオレ詐欺……親族、警察官、弁護士等を装い、親族が起こした事件・事故に対する示談金等を名目に金銭等を騙し取る(脅し取る)もの
  2. 預貯金詐欺……親族、警察官、銀行協会職員等を装い、あなたの口座が犯罪に利用されており、キャッシュカードの交換手続きが必要であるなどの名目で、キャッシュカード、クレジットカード、預貯金通帳等を騙し取る(脅し取る)もの
  3. 架空料金請求詐欺……未払いの料金があるなど架空の事実を口実として金銭等を騙し取る(脅し取る)もの
  4. 還付金詐欺……税金還付等に必要な手続きを装って被害者にATMを操作させ、口座間送金により財産上の不法の利益を得る電子計算機使用詐欺事件または詐欺事件
  5. 融資保証金詐欺……実際には融資しないにもかかわらず、融資を申し込んできた者に対し、保証金等の名目で金銭等を騙し取る(脅し取る)もの

 その他のパターンとして、架空または価値の乏しい商品等を虚偽の情報提供によって価値あるものと誤信させ購入名目で金銭等を騙し取る「金融商品詐欺」、雑誌広告やメール文面で興味をひいて会員登録料などの名目で金銭等を騙し取る「ギャンブル詐欺」、同様に女性紹介の会員登録料などの名目で金銭等を騙し取る「交際あっせん詐欺」といったものがあります。被害に遭うのは高齢者というイメージもありますが、「融資保証金詐欺」「ギャンブル詐欺」では若年層の被害が多く報告されており、どの年齢層でも油断は禁物です。

● コロナ不安に便乗した手口も

 また、最近では新型コロナウイルス感染症に対する人々の不安につけこんだ、以下のような手口も報告されています。

  • 息子(孫)になりすまして「風邪をひいてしまった。これから病院で新型コロナの検査を受ける。結果が出たらまた電話をする」などと言い、のちに現金を要求する不審な電話があった。
  • 労働局職員を名乗る者から「コロナ対策で助成金が出る。マスクも送付する。手続きのために口座を登録してほしい」等と電話があり、無人ATMに向かうよう指示があった。
  • 浄水器のセールスの電話があり、「その浄水器を使っていると必ずコロナウイルスにかかります」などと浄水器の買い替えを迫る電話が来た。
  • 偽のマスク販売サイトに誘導し、クレジットカード情報等を盗もうとする不審なメールを受信した。
  • 「マスク50枚入」等の身に覚えのない注文に対して支払を求める内容のメールを受信した。

 他にも、国や市町村の調査を装い家族構成や個人情報を探ろうとするなど、詐欺の前段階と思われる手口もあります。警察庁HPでは「市区町村や総務省などがATMの操作をお願いすることは、絶対にありません」といった注意喚起で、詐欺被害の予防を訴えています。

 また、有効な対策としては犯人と話をしないため固定電話の留守電設定や、相手に警告のうえ通話内容を録音する装置の取り付けなどがあります。自治体によっては「振り込め詐欺対策用留守番電話用応答メッセージ」といったものも作成しているため、参考にすると良いでしょう。

 こうした対策を取ってなお特殊詐欺被害に遭いそうになった時は、お金を振り込むなどの行動へ出る前に、家族や友人に相談すれば回避することも可能です。すぐに相談できない場合は、最寄りの警察署や警察相談専用電話「#9110」等に相談することをおすすめします。

参照: 警察庁「新型コロナウイルス感染症への対応について」

2020.07.01
(セールス手帖社 栗原賢二)