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No.3936 新型コロナで収入減!住宅ローン返済は?

 新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減るなど、家計の収支バランスが崩れるケースは少なくないと思われます。中でも、住宅ローン返済は毎月の家計支出の多くを占める固定費。住宅ローンを滞納しそうなとき、どのような対処法や影響があるでしょう。

● 住宅ローンの返済が難しくなりそうなら

 世帯収入が減って住宅ローンの返済が困難になりそうなとき大切なのは、まずはローン借入先の金融機関に相談することです。具体的には、返済スケジュールの見直し、いわゆる「リスケ」と呼ばれるものです。

 リスケには、返済期間の延長や返済額の減額などがありますが、住宅金融支援機構を例に見ると、次の3種類の方法が用意されています。

  1. 返済期間の延長
    →毎月の返済額を減額(総返済額は増える)
  2. 一定期間返済額を減額
    →期間内の返済額を減額(減額期間が終わると返済額および総返済額が増加)
  3. ボーナス返済の見直し
    →ボーナス返済月の変更や毎月分・ボーナス返済分の返済額の内訳変更

 ただし、これら返済方法の変更には「離職や病気などの事情で返済が困難」「年収が年間総返済額の4倍以下などの収入基準」「返済方法の変更で今後の返済が継続できる」といった3つの要件を満たす必要があります。

 その他、多くの銀行が会員となっている全国銀行協会のホームページには、新型コロナに関する会員行の対応についてのまとめも掲載されています。

参考:
住宅金融支援機構「新型コロナウイルス感染症の影響により機構の住宅ローンのご返済にお困りの方へのお知らせ」
全国銀行協会「新型コロナウイルスに関する会員行の対応について」

● 住宅ローンを滞納する前に金融機関に相談

 住宅ローンは一定期間の滞納があると、信用情報機関に履歴が登録されます。登録されると、延滞解消から5年間は記録が残り、その間は新たなローンの借入れはもちろん、住宅ローンの借換えなども難しくなります。

 緊急事態宣言の発令などで、自営業やフリーランス、非正規社員の中には仕事が減ったり、仕事を休まざるを得なくなったりで、収入減になる人は多いと思います。また、会社員であっても企業業績の悪化などで、ボーナスの減額があるかもしれません。

 とにかく大切なことは、住宅ローンを滞納する前に金融機関に相談すること。ただし、当面の返済が軽減されるとはいえ、返済が免除されるわけではありません。新型コロナの問題が収束した後の家計収支を、よく考えた返済期間の延長や減額も大切になります。

2020.06.01

高橋 浩史 (たかはし・ひろし)

FPライフレックス 代表(住まいと保険と資産管理 千葉支部)
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFPR
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

東京都出身。デザイン会社、百貨店、広告代理店などでグラフィックデザイナーとして20年間活動。
その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。
住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。
その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。

ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/