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No.3899 学生・求職者に向けて職場情報総合サイトで企業PRをしよう

● 「しょくばらぼ」とは?

 「しょくばらぼ」は、厚生労働省が平成30年9月にスタートさせた委託事業で、若者・女性・高齢者・障害者などさまざまなニーズのある働き手が、職場改善に積極的な企業の平均残業時間や有給休暇取得率、女性労働者の割合などの職場情報を横断的に検索・比較できる職場情報総合サイトだ。「若者雇用促進総合サイト」「女性の活躍推進企業データベース」「両立支援のひろば」の3サイトに掲載されている各企業の職場情報と、「くるみん認定」など国の各種認定・表彰の取得情報が集約されて一覧となっているので、求職者側にとっては検索しやすいのが特長である。

 したがって、企業側としてはこのサイトを上手に活用して企業PRすることができれば、優秀な人材の採用につながるかもしれない。

 今後ハローワークのインターネットサービスが充実してくれば、さらにその効果は出るであろう。現時点では厚労省「ハローワーク インターネットサービス」のサイトにある各企業の求人情報詳細ページから、「しょくばらぼ」の該当企業の企業詳細ページにリンクされているので、ハローワークのインターネットサービスの利用者に、自社の情報を知ってもらうことができるという大きなメリットがある。

 なお、「しょくばらぼ」に掲載される企業は、上記3サイトのいずれかに掲載されている企業であることが要件となるので、まずはいずれかのサイトに登録をするところから始めたい。働き方改革が進み、多様な人材を採用していくなかでは企業側も情報発信が求められる。厚労省が関連しているサイトで信用力もあるので、企業の採用担当者には有効活用されることを勧めたい。

● 入社後のミスマッチ解消に

 退職の理由はさまざまだが、本人の個人的事情以外としては、勤務先の職場環境や労働条件などが良くなかった、あるいは年次有給休暇の取得率が低い(休みが取りにくい)、育児休業の実績がないため申請がしづらい……などから決断せざるを得なかったという人もかなりいる。しかし、入社前に「しょくばらぼ」でそのあたりの情報をチェックできれば応募を回避でき、将来、別の企業に転職しなくても済むだろう。一方、企業側としても職場情報を掲載して働きやすい職場等をアピールできれば他社との差別化を図ることが可能だ。

 「しょくばらぼ」に掲載される職場情報の一例を挙げると、平均残業時間や有給休暇取得率、労働者に占める女性労働者の割合、新卒者等の採用と定着状況(男女別)など多岐にわたる。また、他社との差別化を図るうえでポイントとなるのが自由PR欄(文字数500字まで)だ。中小企業であれば、求職者側が興味関心を持つような情報、その他社風なども記載できればよい。

 いずれにしても、このようなサイトでは複数の企業が横並びで比較検討されることになるので数値的な部分で差をつけることはなかなか難しいが、社内の雰囲気など今から取り組めることは改善していきたいところだ。最後に、企業側としての大きなメリットは、より詳しい職場情報を提供することにより、入社後のミスマッチ解消が期待できる。今後、採用を強化したい企業は早急に取り組んでほしいところである。

参照:職場情報総合サイト「しょくばらぼ」

2020.03.23

庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)

株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表
社会保険労務士 人事コンサルタント

福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。

公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/