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No.4655 家選びは省エネ性能ラベルを参考にしよう

 国の制度は毎年さまざまなことを見直し、1月や4月から新制度をスタートさせています。2024年4月も例外にもれず、さまざまな制度がスタートしていますが、今回はその中の「省エネ性能ラベル」について解説していきます。

● 省エネ性能ラベルとはどのようなもの?

 2024年4月からスタートした「省エネ性能表示制度」は、私たち消費者が住宅等建築物を購入もしくは賃借するときに、省エネ性能がどのようになっているのかを把握、比較するうえで役立てることができる制度です。2024年4月から住宅・建築物を販売・賃貸する事業者には、省エネ性能ラベルの表示が努力義務(対象は2024年4月以降に建築確認申請を行った物件)となりました。

 そして、どのような省エネ性能が備わっているのかを表示したものが、「省エネ性能ラベル」なのです。ラベルで確認できる主なポイントは、3つです。

① エネルギー消費性能
 星のマークの数が多いほど、省エネ性能が高い住宅となります。
② 断熱性能
 家のマークの数が多いほど、断熱性能が高い住宅となります。
③ 目安光熱費
 年間にかかるであろう、目安となる光熱費が記載されています。


省エネ性能ラベルのイメージ(国土交通省HPより)

 省エネ性能ラベルとエネルギー消費性能の評価書には、自己評価、第三者評価の2種類の発行方法があります。自己評価は、販売・賃貸事業者自身で国が指定するWEBプログラムまたは仕様基準に沿って、建築物の省エネ性能の評価を行います。一方、第三者評価は、一般社団法人住宅性能評価・表示協会に依頼し、建築物の省エネ性能を評価してもらうもので、ラベルや評価書に第三者評価制度のBELS(ベルス)マークを表示できます。第三者の目が入ることで、より客観的な評価になると言えるのではないでしょうか。

 BELSを取得すると第三者が省エネ性能を証明している優良物件という評価を得ることができますので、住宅に関わる補助制度等を利用する際に、BELS評価書を用いることができる場合があるのもメリットでしょう。

● 不動産ポータルサイトでもラベルは掲載される!?

 住宅を探すとき、不動産会社のポータルサイトを使って探すことも多いと思います。そのため、不動産ポータルサイトにも省エネ性能ラベルの掲載を検討しているとのこと。自分で住宅の性能を吟味するのは難しいのですが、ラベルが表示されていれば、比較がしやすくなりますよね。

 これから住宅を選ぶときには、省エネ性能ラベルを参考に物件を選んでみるのも、一つの方法になるのではないでしょうか。

参照: 国土交通省 建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度

2024.04.22

飯田 道子(いいだ・みちこ)

海外生活ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー(CFP)
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっている。主な著書には、「宅建資格を取る前に読む本」(総合資格)、「介護経験FPが語る介護のマネー&アドバイスの本」(近代セールス社)などがある。
海外への移住や金融、社会福祉制度の取材も行う。得意なエリアは、カナダ、韓国など。