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No.4645 2か所以上から給与をもらう人の源泉徴収の仕方

● 主たる給与と従たる給与

 2か所以上の給与の支払者から給与をもらっている人の給与に対する源泉徴収の仕方は、その人に支払う給与が主たる給与になるか、従たる給与になるかにより異なるので、注意が必要である。

 ここで主たる給与とは、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人に支払う給与をいい、主たる給与を支払う場合の源泉徴収税額は、税額表の「甲欄」で求める。一方の従たる給与とは、主たる給与の支払者以外の給与の支払者が支払う給与をいい、従たる給与を支払う場合の源泉徴収税額は、税額表の「乙欄」で求める。乙欄の方が源泉徴収する税金は多くなる。

 また、次の要件に該当するため、従たる給与の支払者のもとで、配偶者(特別)控除(源泉控除対象配偶者について控除を受けるものに限る)や扶養控除を受けるためには、「従たる給与についての扶養控除等申告書」を提出する必要がある。

【要件】

 2か所以上の給与の支払者から給与の支払を受ける人で、主たる給与の支払者から支給されるその年中の給与の金額(給与所得控除後の給与等の金額)が次の(1)と(2)の金額の合計額に満たないと見込まれる場合

(1) 主たる給与の支払者から支給される給与につき控除される社会保険料等の額
(2) その人の障害者控除額、寡婦控除額、ひとり親控除額、勤労学生控除額、配偶者(特別)控除額、扶養控除額および基礎控除額の合計額

 なお、主たる給与の支払者に申告した源泉控除対象配偶者や控除対象扶養親族を、年の中途で従たる給与の支払者に申告替えすることはできるが、従たる給与の支払者に申告した源泉控除対象配偶者や控除対象扶養親族を年の中途で主たる給与の支払者に申告替えすることはできない。

● 「従たる給与についての扶養控除等申告書」の提出がある場合

 レアケースかもしれないが、「従たる給与についての扶養控除等申告書」の提出がある場合に、月額表の乙欄を使って給与や賞与に対する源泉徴収税額を求めるときは、乙欄に記載されている税額から申告されている扶養親族等の数に応じ、扶養親族等1人につき1,610円を控除する。また、日額表の乙欄を使って源泉徴収税額を求めるときは、乙欄に記載されている税額から申告されている扶養親族等の数に応じ扶養親族等など一人につき50円を控除する。

 なお、原則として従たる給与については年末調整できないので、所得者本人が確定申告することにより所得税および復興特別所得税の精算を行う必要がある。

 特にパートタイムを雇用する場合には、複数掛け持ちされている方も多いので、注意が必要である。

参考:国税庁「2か所以上から給与をもらっている人の源泉徴収」

2024.04.01

今村 京子(いまむら・きょうこ)

マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
三重県出身。金融機関・会計事務所勤務を経て現法人へ。
平成15年6月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。
年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
プライベートでは、夫は税理士の今村 仁で娘2人。趣味は英語学習とガーデニング。

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