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No.4630 住宅ローンの変動型、今後の金利はどうなる?

 日本銀行のマイナス金利政策解除の噂が広がる中、住宅ローンの変動型の金利動向が注目されます。今後どのような動きが考えられるでしょうか。

● 住宅ローン借入者の7割が変動金利型を選択

 2024年2月の主な銀行の変動金利型の住宅ローン金利を見ると、おおむね0.2?0.3%台と、低い水準で提供されています。一方で、10年固定型では0.8?0.9%台となっており、変動型との金利差は小さくありません。

 住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2023年10月調査)」によると、住宅ローン利用者の金利タイプ別割合は、変動型が74.5%、固定期間選択型が18.3%、全期間固定型は7.2%で、変動型が7割超を占め、ほとんどの人たちが変動型を選んでいる実態が見えてきます。理由の一つは、冒頭でもご紹介した金利の低さであることは、容易に想像がつくのではないでしょうか。

● マイナス金利政策が終わると変動型の金利は?

 変動金利型の住宅ローンの基準金利は、多くの銀行が「短期プライムレート(金融機関が、優良企業向けに1年未満の短期融資に適用する最優遇金利)」を指標に、一定の金利をプラスして決めています。その基準金利から“割引”をした後の適用金利が、ローン借入者に融資される金利となります。

 短期プライムレートは2009年以降変化がなく(※)、2016年にマイナス金利政策が導入されたときにも変化はありませんでした。とはいえ、短期プライムレートは、日本銀行の金融政策に影響を受けます。今後、マイナス金利政策が解除されることになれば、何らかの動きがあることも考えられます。

 この原稿執筆時点(2024年2月9日)では、日本銀行のマイナス金利政策の解除は発表されていません。しかし、今後解除の可能性については、多くのメディアで噂されています。

 マイナス金利政策解除が決まったときに、金融機関が変動金利型の住宅ローン金利をどのように設定するのか。これから変動型で住宅ローンの借入れを考えている人や、すでに変動型を借り入れている人にとっても、注目していく必要があるでしょう。

参考:住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査(2023年10月調査)」

日本銀行「長・短期プライムレート(主要行)の推移 2001年以降」

2024.03.04

高橋 浩史 (たかはし・ひろし)

FPライフレックス 代表(住まいと保険と資産管理 千葉支部)
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFPR
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

東京都出身。デザイン会社、百貨店、広告代理店などでグラフィックデザイナーとして20年間活動。
その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。
住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。
その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。

ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/