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No.4585 新入社員の理想の上司・先輩は「丁寧に指導する人」

● プライベートも大事にする上司・先輩を女性は重視

 一般社団法人日本能率協会は、同会主催の新入社員向け公開教育セミナー参加者を対象に仕事や働くことに対しての意識調査を4月4日~11日にインターネットで実施、675人から得た回答による調査結果を公表している。

 理想的だと思う上司・先輩について尋ねたところ、第1位は「仕事について丁寧な指導をする上司・先輩」(79.0%)。第2位は「言動が一致している上司・先輩」(53.2%)、第3位は「部下の意見・要望を傾聴する上司・先輩」(47.3%)という結果となった。

 注目すべきところとしては、第5位の「仕事だけでなく、プライベートも大事にする上司・先輩」。男性は38.1%に対し女性は52.1%と高回答となっており、女性の方がプライベートも大事にする上司・先輩をより重視しており、このあたりは新入社員の働き方にも影響があると思われ、しっかりと押さえておきたいところである。

● あいまいな指示でとりあえず作業をする、8割は抵抗あり

 仕事をしていく上での抵抗感について尋ねたところ、「上司や先輩からの指示があいまいでも質問しないでとりあえず作業を進める」ことに「抵抗がある」(「抵抗がある」+「どちらかと言えば抵抗がある」)が83.7%となった。その他で「抵抗がある」の回答が顕著だったのが、「知らない人・取引先に電話をかける」「会議や打ち合わせで自分の考えを発信する」という項目が上位にあがっていた。

 抵抗感があることについて会社も理解しておくことは今後新入社員を育成していくうえで大事なところでもあるので、そもそもあいまいな指示をしないようにすること、そして部下とコミュニケーションをしっかりとって質問しやすい雰囲気をつくることも大切だと思われる。

● 見込みない会社に対して、8割は転職を考える

 新入社員自身の仕事・働き方に対する考え方について「A.定年まで一つの会社に勤めたい」「B.機会があれば転職・独立したい」のいずれかを尋ねたところ、「Bに近い」(「Bに近い」+「どちらかというとBに近い」)と答えた割合が 30.1%となった。

 職場で遭遇するかもしれないいくつかのシチュエーションに対してその際に考えることを選んでもらったところ、「転職を考える」と回答した割合が高かったのは、トップが「会社の将来性が見込めなくなったとき」(78.4%)、第2位が「社風や企業文化が自分に合わないと感じたとき」(72.4%)、第3位が「昇給(月給が上がること)が見込めないとき」(59.0%)、第4位が「昇進が見込めなくなったとき」(57.8%)、第5位が「会社が社会の役に立っていないと感じるとき」(56.3%)となった。

 現代の新入社員の考え方をよく理解するためにもこのような調査結果を参考にして、入社時からの新入社員とのコミュニケーションの取り方について再度研修やロールプレイングで留意すべき点を復習してみるといいだろう。

出典: 2023年度「新入社員意識調査」(一般社団法人日本能率協会)

2023.12.04

庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)

株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表
社会保険労務士 人事コンサルタント

福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。

公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/