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No.4566 令和4年分民間平均給与は2年連続増加の458万円

● 1年を通じて勤務した給与所得者数は8年ぶりの減少

 国税庁がこのほど公表した「令和4年分民間給与実態統計調査」結果によると、令和4年1年間を通して民間企業に勤めた給与所得者の平均給与は458万円で、前年に比べ2.7%増加した。2年連続の増加で、新型コロナ感染拡大前の水準を上回った。令和4年12月31日現在の給与所得者数は、前年に比べ▲1.5%減の5967万人。給与総額は231兆2,640億円(前年比2.2%増)、所得税額は12兆424億円(同7.0%増)だった。

 給与所得者のうち、1年を通じて勤務した給与所得者数は、前年比▲1.2%減の5078万人(正規3391万人、非正規1244万人)となり、8年ぶりの減少となった。その平均給与458万円の内訳は、平均給料・手当が同2.4%増の386万円と3年連続の増加、賞与は同4.2%増の72万円と2年連続で増加した。平均給料・手当に対する平均賞与の割合は前年から0.3ポイント増の18.5%となった。

● 正規が523万円、非正規が201万円と2.6倍の差

 男女別の平均給与は、男性(平均年齢47.1歳、平均勤続年数14.3年)が前年比2.5%増の563万円、女性(同46.9歳、10.4年)は前年から同3.9%増の314万円となり、調査を開始した1978年以降で初めて300万円を超えた前年(302万円)の最高額を更新した。また、正規、非正規別にみると、1人当たりの平均給与は、正規が同1.5%増の523万円、非正規は同2.8%増の201万円と増加したが、2.6倍の差がある。

● 源泉徴収で納税は85.9%、年末調整は92.5%

 また、1年を通じて勤務した給与所得者5078万人のうち、源泉徴収により所得税を納税している人は全体の85.9%(前年85.5%)を占める4360万人で、前年より▲0.8%減少した。その納税額(源泉徴収税額)は11兆7,742億円で、納税者の給与総額に占める税額の割合は5.41%(前年5.22%)、納税額は前年に比べ5.4%増加している。納税者全体に占める税額の割合は5.07%(同4.88%)だった。

 なお、1年を通じて勤務した給与所得者5078万人のうち、年末調整を行った人は全体の92.5%に当たる4697万人(前年比▲1.6%減)。このうち、配偶者控除又は扶養控除の適用を受けた人は同27.2%の 1276万人(同▲5.3%)で、扶養人員のある人1人当たりの平均扶養人員は 1.42 人(前年1.44人)だった。また、配偶者控除のある人と配偶者控除のない人ともに、扶養人員1人の人がそれぞれ68.7%、67.9%で最も多くなっている。

参考: 「令和4年分民間給与実態統計調査」(国税庁)

2023.10.30

浅野 宗玄(あさの・むねはる)

株式会社タックス・コム代表取締役
税金ジャーナリスト
1948年生まれ。税務・経営関連専門誌の編集を経て、2000年に株式会社タックス・コムを設立。同社代表、ジャーナリストとしても週刊誌等に執筆。著書に『住基ネットとプライバシー問題』(中央経済社)など。
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