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No.4565 女性管理職の8割、就いて満足、このまま続けたい

● 4割の女性、希望せずに管理職になった

 キャリアや転職に特化した匿名相談サービス『JobQ』の企画・運営を手がける株式会社ライボの調査機関「Job総研」は、587人の社会人男女を対象に「2023年 女性管理職の実態調査」を実施した。同調査は女性管理職経験の有無、また経験後の満足度や継続意欲とその理由、さらに管理職未経験者の希望有無や女性活躍へのイメージなどを調査したものである。

 調査結果によると、管理職である女性46名を対象に希望して管理職になったか尋ねたところ、希望して管理職になった者の割合は58.7%であり、41.3%は「希望せずになった」という結果であった。

 管理職未経験女性179人に管理職に就きたいと思うか尋ねたところ、「全く思わない」22.9%、「思わない」20.1%、「どちらかといえば思わない」20.7%を合算した63.7%が「思わない派」で過半数を占める結果となった。

● 「仕事の幅を広げたいから」管理職を希望する理由のトップ

 女性の環境別にみた場合「管理職に希望してなった」従業員の割合が高いのは、「既婚・子なし」が最多で66.7%、次に「既婚・子持ち」で61.5%となった。管理職に希望してなった女性に管理職を希望した理由を尋ねたところ(複数回答)、「仕事の幅を広げたいから」がトップで59.3%、次いで「収入をあげたいから」48.1%、「社会的・社内的地位を上げたいから」44.4%の順であった。

 一方で、希望せず管理職をしている女性に、管理職を希望しなかった理由を尋ねたところ(複数回答)、上位回答として「管理職に興味がないから」「ワークライフバランスが崩れそうだから」「責任が重い仕事をしたくないから」という回答が顕著だった。

 女性管理職のイメージを変えて、一般女性従業員でも管理職に就きたいと思ってもらうためには、管理職に就くことへの不安を取り除く具体的な取り組みが必要になってくる。先輩の女性管理職で理想的なモデルになる方が職場にいれば、いろいろな話を聞く機会も増えるし、身近に感じられるようになるとイメージも変わってくるのかもしれない。

● 管理職に就いた女性の多くは「満足派」で「続けたい派」

 女性管理職46名を対象とした、管理職に就いた後の満足度を伺った調査では、「満足」23.9%、「どちらかといえば満足」54.3%の2つを合わせると「満足派」が78.2%という結果になった。また、管理職の継続意欲を聞くと、「とても続けたい」6.5%、「続けたい」21.7%、「どちらかといえば続けたい」50.0%を合算した78.2%が「続けたい派」となっている。

 いざ管理職に就いてみればその魅力ややりがい、満足度などからそのまま続けていきたいと思う方が多いことから、会社としては管理職を経験する前の早い段階から女性が仕事をしやすいように職場環境を整えていくことによって、自然体で管理職に興味関心をもってもらえるよう努力する必要があるといえるだろう。

参照: Job総研 2023年女性の管理職実態調査

2023.10.30

庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)

株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表
社会保険労務士 人事コンサルタント

福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。

公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/