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No.4561 賃上げ促進税制、拡充延長を検討

● 現行の賃上げ促進税制は、来年3月末で期限切れ

 大企業向け、中小企業向け賃上げ促進税制について、拡充・延長の話が持ち上がっている。毎年8月末に各省庁から財務省に来年度の税制改正要望が提出されるが、今年、経済産業省は要望の中で、2024(令和6)年3月31日に期限切れとなる、賃上げ促進税制の拡充延長を要望している。

 また、岸田首相も近日中に取りまとめられる経済対策に、賃上げ促進税制の拡充延長を盛り込む意向を示している(9月22日執筆時点)。

 中小企業向け賃上げ促進税制とは、中小企業者等が、2018(平成30)年4月1日から2024(令和6)年3月31日までの間に開始する各事業年度において国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、その事業年度においてその中小企業者等の雇用者給与等支給額からその比較雇用者給与等支給額を控除した金額のその比較雇用者給与等支給額に対する割合が1.5%以上であるときは、その事業年度の控除対象雇用者給与等支給増加額の15%相当額(一定の上乗せ要件を満たす場合には、控除対象雇用者給与等支給増加額の最大40%相当額)の法人税額の特別控除ができる制度である(大企業向けについては割愛)。

● 経産省の賃上げ促進税制に関する改正要望

 経済産業省は、賃上げ促進税制について、具体的に以下の3点を要望している。

1. 本税制措置の延長期間を長期化する。

 今年の30年ぶりの高い水準の賃上げ率を一過性のものとせず、少子化対策にもつながる「構造的・持続的な賃上げ」を実現するため、政府の長期的な方針を明確にし、賃上げに関する企業の計画的な検討を促すため、租税特別措置の延長期間を長期化する。

2. 中堅企業に対する支援措置を強化し、中堅・中小企業を対象とした繰越控除措置を創設する。

 賃上げを行う企業の裾野の拡大に向けて、中堅企業に対する支援措置を強化(要件の緩和等)するとともに、赤字等の厳しい業況の中にある中堅・中小企業の賃上げを後押しする観点から、税額控除額が控除の上限額を超えた場合に、控除しきれなかった金額の繰越しを認める措置を創設する。

3. 仕事と子育ての両立や女性活躍支援に積極的な企業に対する上乗せ措置を創設する。

 仕事と子育ての両立や女性活躍支援に積極的な企業に対する上乗せ措置を創設し、所得向上と少子化対策の両方を追求する企業の賃上げを後押しすることで、我が国の最重要課題である少子化問題の根本原因である若者・子育て世代の所得の低さの改善を図る。

 現段階では全くの白紙であるが、年末の税制改正大綱に何らかの改正が盛り込まれる可能性が高いため、今後の動向を注視しておきたい。

参考: 令和6年度税制改正に関する経済産業省要望【概要】

2023.10.23

村田 直(むらた・ただし)

マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
大阪府茨木市出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。平成22年3月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。

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