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No.4560 令和5年地価、全国全用途平均+1.0%で2年連続上昇

● 全国住宅地、全国商業地ともに2年連続の上昇

 国土交通省がこのほど公表した令和5年地価調査結果によると、2万1,381地点を対象に実施された令和5年7月1日時点の基準地価は、全国の全用途平均が前年比+1.0%(前年+0.3%)となり、2年連続の上昇となった。用途別では、全国住宅地は+0.7%(同+0.1%)、全国商業地が+1.5%(同+0.5%)と、ともに2年連続の上昇など、新型コロナ感染症の影響が徐々に緩和される中で、全体的に地価の回復傾向が進んだ。

 三大都市圏では、住宅地は、東京圏(+2.6%)と名古屋圏(+2.2%)が3年連続で上昇し、大阪圏(+1.1%)は2年連続で上昇した。商業地は、東京圏(+4.3%)が11年連続で上昇、大阪圏(+3.6%)は2年連続で上昇し、名古屋圏(+3.4%)は3年連続で上昇した。

 ちなみに、上昇地点の割合をみると、住宅地は全国で41.6%(昨年34.9%)、商業地は全国で50.1%(同40.7%)でともに拡大している。

● 地方圏の住宅地は31年ぶりに上昇に転じる

 地方圏は、全用途平均(+0.3%)、住宅地(+0.1%)ともに31年ぶり、商業地(+0.5%)が4年ぶりにともに上昇に転じた。地方四市(札幌市、仙台市、広島市及び福岡市)では、全用途平均(+8.1%)・住宅地(+7.5%)・商業地(+9.0%)のいずれも、11年連続で上昇。地方四市を除くその他の地域では、全用途平均(0.0%)は30年続いた下落から横ばいに、住宅地(▲0.2%)は下落率が縮小、商業地(+0.1%)は32年ぶりに上昇に転じた。

 都道府県別の地価変動率をみると、住宅地は、変動率プラスの都道府県の数が令和4年の14から18(岩手県、茨城県、京都府、兵庫県が上昇に転じる)に拡大し、マイナスの都道府県が同32から28に減少した。また、商業地は、変動率プラスの都道府県が同18から22(福島県、石川県、滋賀県、奈良県が上昇に転じる)に拡大し、マイナスの都道府県が同27から23に減少している。

● 東京都の「明治屋銀座ビル」が18年連続の1位

 なお、全国の最高価格地は、商業地が東京都中央区銀座二丁目の「明治屋銀座ビル」(1平方メートル当たり4,010万円)で、前年比で2.0%(前年▲0.5%)上昇し、18年連続の1位となった。次いで、東京都中央区銀座六丁目の「銀座6-8-3」(同2,880万円、前年比+1.8%)だった。住宅地は、「東京都港区赤坂1-14-11」(同524万円)が前年に比べて4.0%上昇し、5年連続のトップとなっている。

参照: 令和5年都道府県地価調査の概要(国土交通省)

2023.10.23

浅野 宗玄(あさの・むねはる)

株式会社タックス・コム代表取締役
税金ジャーナリスト
1948年生まれ。税務・経営関連専門誌の編集を経て、2000年に株式会社タックス・コムを設立。同社代表、ジャーナリストとしても週刊誌等に執筆。著書に『住基ネットとプライバシー問題』(中央経済社)など。
http://www.taxcom.co.jp/
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