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No.4526 クレ・サラ強要商法による被害が増加中!
遠隔操作アプリの悪用にも注意

 投資や副業が身近なものになるにつれ、勧誘をめぐるトラブルの態様も変化しています。とりわけ近年はスマホの遠隔操作アプリで借金をさせられる、極めて悪質な事案も見られます。その手口と防止策を確認しましょう。

● 画面共有状態で借金を指示され他人が引き出すケースも

 「簡単に稼ぐためのノウハウ」などと称し、資料購入をきっかけに高額なサポート契約を結ばせるといった、情報商材の手口は以前から存在するものです。若者を中心に被害は後を絶たず、毎年6,000件~10,000件ほどの相談が寄せられています。

 中でもクレ・サラ強要商法(売買契約の際に無理やりクレジット契約を組ませたり、消費者金融等から借金をさせたりする手口)による被害額が大きく、情報商材に関する相談のうち、クレ・サラ強要商法は近年増加傾向です。

 その背景として、遠隔操作アプリを悪用した事案の増加が挙げられます。遠隔操作アプリとは、自分のスマホやPCに遠隔地の第三者が接続し、両者が画面を共有しながら遠隔操作を行うものです。PCメーカーや通信事業者がユーザーサポートを行う際、利用した方もいるかと思われます。

 使用する端末によっては勝手な遠隔操作ができず、画面共有のみにとどまる場合もあります。しかし画面共有状態で借金を指示されれば、電話だけでの指示より応じてしまう確率が高まるでしょう。中には借りたお金を他人が勝手に引き出し、返済義務だけが残った深刻なケースも報告されています。

● 遠隔操作による被害を防ぐポイント

 上記のような被害に遭うのは20代の若者が中心で、社会経験の少なさにつけ込まれたものと考えられますが、30代以上でも一定の被害報告があります。こうした状況に対して、独立行政法人国民生活センター資料に記載されている、注意喚起のポイントは以下の通りです。

  • 簡単に稼げるなどと強調する広告をうのみにせず、借金してまで契約しない。
  • 遠隔操作アプリでは望まない操作をされる可能性があるため、安易にインストールしない。
  • 遠隔操作中に不審な動きが見られた場合は、スクリーンロック状態や機内モードにして通信を中断する。
  • 貸金業者サイトに登録してしまったら、すぐにIDパスワードを変更するなど悪用防止の対策をとる。
  • 不安に思った時は消費生活センター等に相談する。

 そのほか「投資」「副業」で検索するとランキング上位に悪質な事業者のリンクが表示されたり、動画投稿サイトの広告等を勧誘の入口としているケースも見られるため、十分に注意する必要があります。

 特に「お金を得るまでの過程が不明瞭」「こちらがお金を支払うよう指示される」といった場合は、詐欺の可能性を強く疑った方が良いでしょう。

【参照】独立行政法人国民生活センター
 「20歳代が狙われている!?遠隔操作アプリを悪用して借金をさせる副業や投資の勧誘に注意」

2023.08.14
(セールス手帖社 栗原賢二)