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No.4403 経営者保証、解除指針と事例

● 経営者保証に関するガイドラインとは?

 「経営者保証に関するガイドライン」をご存知だろうか?

 全国銀行協会と日本商工会議所とが作成した本ガイドラインは、経営者保証に関する契約・履行等の際に、関係者(中小企業、経営者、金融機関)共通のルールとして、策定・公表されているもので、「経営者保証に依存しない融資の一層の促進」を目指して、関係者が自発的に尊重・遵守することが期待されているものだ。

 背景には、経営者保証が足かせとなり、経営者が思い切った事業展開や、早期の事業再生・事業承継を妨げる一つの要因となっているのではないか、という指摘があったためである。

 法的な拘束力はなく、最終的な判断は金融機関に委ねられているが、経営者保証に依存しない新規融資の割合も2021年度には政府系金融機関約8.1万件(※)、民間金融機関約73万件(※)と、7年前と比較するとどちらも2倍近くに増加しており、浸透してきているといえるのではないだろうか。

※出典元: 中小企業庁|経営者保証「政府系金融機関及び信用保証協会におけるガイドラインの活用実績”経営者保証に依存しない新規融資の割合”」より抜粋

● 経営者保証解除に向けた指針

 本ガイドラインでは、経営者保証に依存しない融資の一層の促進のため、下記3つのような経営状況であることが求められている。

◎ 法人個人の分離
 資産の所有やお金のやり取りに関して、法人と経営者が明確に区分・分離されていること
◎ 財務基盤の強化
 財務基盤が強化されており、法人のみの資産や収益力で借入金の返済が可能であること
◎ 経営の透明性確保
 財務状況の正確な把握、金融機関に対し適時適切な情報開示がされること

 上記を将来にわたって充足する体制が整備されており、その充足度合いに応じて、経営者保証無しで融資を受けられる可能性、既に提供している保証を見直すことができる可能性、保証機能の代替手法(停止条件付保証契約※等)の活用の可能性があるとされている。
※ 停止条件付保証契約
 特約条項(定期的な財務情報の提出義務、他の金融機関に対する担保提供の制限など)に違反しない限り保証債務の効力が発生しない旨の契約。

● 金融機関への打診のタイミングと、経営者保証解除の事例集

 新規借り入れ時、既存借入の借換時、事業承継時などのタイミングで、金融機関へ打診されることをお勧めする。

 また、下記事例集では、経営者保証の解除を実現した事例が掲載されている。
中小企業庁|事例でみる経営者保証の解除~課題解決のポイントとその効果

 事業承継を中心として書かれてはいるが、どういったところが問題点として指摘されたか、またその解決策としてとった行動等も記載されているので、是非ご参考にご一読頂けると幸いだ。

 自社の状況を確認・ブラッシュアップし、是非金融機関へ相談してみてはいかがだろうか。

2022.12.19

山崎 美穂(やまざき・みほ)

マネーコンシェルジュ税理士法人
栃木県出身。一般企業で経理・総務を経験し、現法人へ。企業で役立つ支援策・補助金等の最新情報を収集、お役立ち情報としてSNSやホームページで発信中。
趣味は釣りと食べ歩き。

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