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No.4353 家族で働く個人事業者の税負担軽減策

● 事業に従事する家族に支払う給与

 個人事業では、夫婦、あるいは親子で協力して事業を営むケースが多いであろう。納税者がこれらの人に給与を支払えば、納税者の所得が分散され、税率が下がり、1家族全体での手取り収入が増加するという税負担軽減効果が期待できる。

 個人事業を営む納税者が、これらの生計を一にしている配偶者その他の親族に対して支払う給与については、原則としては必要経費にはならないが、一定の要件のもと特別の取り扱いが認められている。

 例えば、青色申告者の場合は、「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に提出し、さらに一定の要件満たせば、実際に支払った給与の額を必要経費とする青色事業専従者給与の特例が認められる。

 ただし、青色申告者の事業専従者として給与の支払いを受ける人、または白色申告者の事業専従者である人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれないので、注意が必要である。

● 家族に退職金を支給する方法

 所得税法においては、青色事業専従者に対する給与の支払いは一定の要件のもと経費として認められるが、退職時に事業者が事業専従者に支払う退職金については必要経費として認められていない。

 しかし、個人事業者が家族を従業員として中小企業退職金共済制度に加入させれば、その掛金を必要経費に算入することができる。つまり、退職時に直接的に退職金を支払うことができなくても、事業主は掛金を経費に算入することができ、青色事業専従者も退職所得を得ることができる。

 ただし、他に従業員がいる場合は、すべての従業員が加入することが必要である。また、事業主と生計を一にする同居の親族を加入させる場合は、使用従属関係等の確認のための書類の提出を求められる。加入時、加入中、そして退職時に従業員性の確認を行う、など厳格なチェックも入ることに留意されたい。

● 事業専従者も小規模企業共済で税負担軽減可能

 経営者が、自身の退職金として積み立てることができる小規模企業共済制度は、専従者でも一定の要件を満たせば加入が可能である。すなわち、小規模企業共済制度の加入要件に該当する個人事業主が営む事業の経営に携わる共同経営者として、加入することができる。

 小規模企業共済の掛金を事業専従者自身が負担することによって、自身が所得控除を受けることができ、共済金を受け取りの際にも退職所得にかかる税負担軽減メリットを享受することができる。

 事業専従者が小規模企業共済に加入する場合は、「共同経営者」であることが加入要件であるので、「従業員」であることが求められる中小企業退職金共済制度には、同時に加入することができないので、留意されたい。

2022.09.05

木下 洋子(きのした ひろこ)

マネーコンシェルジュ税理士法人
群馬県出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
趣味はピアノを弾くこと。

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