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No.4269 令和4年3月決算法人の改正項目

 3月決算の会社については、5月末の申告期限に向けて、準備が必要な時期となった。そこで、前期決算から改正となった項目、新設された項目のうち、主なものをご紹介する。なお、紙面の都合上、各項目についての詳細な説明は割愛する。

● 中小企業投資促進税制等の見直し

(1) 中小企業投資促進税制について、次の見直しが行われた。
① 対象となる指定事業に次の事業が加えられた。
イ 不動産業
ロ 物品賃貸業
ハ 料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業(生活衛生同業組合の組合員が行うものに限る)
② 対象となる法人に商店街振興組合が加えられた。
③ 対象資産から匿名組合契約等の目的である事業の用に供するものが除外された。

(2) 特定中小企業者等が経営改善設備を取得した場合の特別償却又は税額控除制度は、適用期限の到来をもって廃止された。

(3) 中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(中小企業経営強化税制)について、特定経営力向上設備等の対象に計画終了年度に修正ROA又は有形固定資産回転率が一定以上上昇する経営力向上計画(経営資源集約化措置が記載されたものに限る)を実施するために必要不可欠な設備が加えられた。

● 中小企業における所得拡大促進税制

 適用要件のうち、継続雇用者給与等支給額の継続雇用者比較給与等支給額に対する増加割合が1.5%以上であることとの要件が、雇用者給与等支給額の比較雇用者給与等支給額に対する増加割合が1.5%以上であることとの要件に、税額控除率が25%となる要件のうち、継続雇用者給与等支給額の継続雇用者比較給与等支給額に対する増加割合が2.5%以上であることとの要件が、雇用者給与等支給額の比較雇用者給与等支給額に対する増加割合が2.5%以上であることとの要件に見直された。

 なお、給与等の支給額から控除する「給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額」について、その範囲を明確化するとともに、次の見直しが行われている。

① 上記の要件を判定する場合には、雇用調整助成金及びこれに類するものの額(以下、「雇用安定助成金額」)を控除しないこととする。

② 税額控除率を乗ずる基礎となる雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額は、雇用安定助成金額を控除して計算した金額を上限とする。

● 人材確保等促進税制

 給与等の引上げ及び設備投資を行った場合の税額控除制度が見直され、青色申告書を提出する法人が、令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する各事業年度において国内新規雇用者に対して給与等を支給する場合において、新規雇用者給与等支給額の新規雇用者比較給与等支給額に対する増加割合が2%以上であるときは、控除対象新規雇用者給与等支給額の15%の税額控除ができる制度となった。

 この場合において、教育訓練費の額の比較教育訓練費の額に対する増加割合が20%以上であるときは、控除対象新規雇用者給与等支給額の20%の税額控除ができることとなる。ただし、控除税額は、当期の法人税額の20%が上限となる。

● 研究開発税制

 コロナ禍の厳しい経営状況の中(売上2%以上減)、研究開発投資を増加させる企業に対する税額控除の上限が25%から30%に引き上げられ、研究開発費を維持・増加させるための税額控除率が見直された。また、DX促進のため、クラウド提供型のソフトウェアに関する研究開発が対象に追加され、OI(オープンイノベーション)型の運用改善等も行われている。

 その他、デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制や経営資源集約化税制(中小企業事業再編投資損失準備金)といった新税制も創設されている。

2022.03.28

村田 直(むらた・ただし)

マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
大阪府茨木市出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。平成22年3月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。

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