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No.4219 M&A支援に問題がある場合の情報提供窓口

 後継者不在の企業が第三者承継を行うための手段として、また、多角化・他地域進出等の事業戦略の一手段として急増しているM&A。M&Aを実施するには、事業の価格評価算出や事業承継に関する様々な専門知識が必要なため、ファイナンシャルアドバイザー(FA)や仲介業者等にアドバイザーとしてサポートを依頼することが殆どだ。

 だが、その頼りのアドバイザー自体に問題を感じる場合も、残念ながらあることが現状だ。

 依頼主が安心してM&Aを実施できる基盤を構築するため、官民にて体制整備が加速しており、なかでも今回は、中小企業庁に新たに設置されたM&A支援機関に登録しているFAや仲介業者等について問題を抱えている場合の情報提供受付窓口について紹介したい。

● 情報提供受付窓口の設置

 中小企業庁では、今年8月にM&A支援機関に係る登録制度を創設し、登録されたFAや仲介業者等を公表している。

 このM&A支援機関登録業者は、円滑且つ健全なM&A支援業務の実施、セカンドオピニオンの推奨など適切な情報提供等を行うことを盛り込んだ「中小M&Aガイドライン」の遵守の宣言と、年1回実績報告等を行う。

参考: 中小企業庁「登録機関データベース」


経済産業省「『中小M&Aガイドライン』を策定しました」より抜粋

 上記に加え、今年11月よりM&A支援機関登録業者によるM&A支援において、問題等を抱える中小企業者等からの情報提供を受け付ける専用の窓口が設置された。

 紛争処理や助言を目的とするものではないため、問題解決とまではいかないが、提供のあった情報については下記処置が予定されており、抑止力として期待ができる。

  • 特に参照すべき事例と判断される場合、情報提供者等が特定されない形に加工等をした上で不適切事例として公表
  • 登録業者の登録要件充足状況の確認等にあたり参考情報として利用

なお、登録要件を充足しない(しなくなった)と判断された場合などは、M&A支援機関としての登録を取り消される。

 アドバイザリー契約や仲介契約を締結する際、秘密保持義務条項が規定されていることもあるが、M&A支援機関登録業者においては、その顧客となる中小企業者等が情報提供窓口に相談等をした場合であっても、当該相談等をしたことのみをもって秘密保持義務違反として訴訟の提起や、その他の不利益な取扱いを行わないことをM&A支援機関登録時に誓約している。

 他にもM&A仲介業自主規制団体が民間で創設されており、M&A仲介に掛かる相談窓口の運営を実施予定だ。

 今後更なる規制整備によりM&Aの健全化・発展が期待される。

参考:
中小企業庁「M&A支援機関登録事務局内 情報提供受付窓口」
M&A仲介業自主規制団体「一般社団法人 M&A仲介協会」

2021.12.13

山崎 美穂(やまざき・みほ)

マネーコンシェルジュ税理士法人
栃木県出身。一般企業で経理・総務を経験し、現法人へ。企業で役立つ支援策・補助金等の最新情報を収集、お役立ち情報としてSNSやホームページで発信中。
趣味は釣りと食べ歩き。

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