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No.4159 納税の猶予の特例終了後、さらに納税猶予は可能か?

● 納税の猶予の特例とは?

 一時に納税をすることにより事業の継続や生活が困難となる場合や、災害で財産を損失した場合などの特定の事情があるときは、税務署に申請することで、納税が猶予される制度が設けられている。

 一方、新型コロナウイルス感染症の影響が甚大であることから、新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律(新型コロナ税特法)が定められ、以下の両方を満たす方を対象に、「納税の猶予の特例(特例猶予)」が創設された。

  1. 新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年2月以降の任意の期間(1ヶ月以上)において、事業等にかかる収入が前年同期に比べて概ね20%以上減少していること
  2. 一時に納税することが困難であること

 要件を満たせば、無担保、延滞税なしで1年間の納税猶予を受けることができた。しかし、その猶予期限が1年となっているため、今年、この特例猶予を適用されていた方の猶予期限がやってくる。この場合、特例猶予終了後に、従来から設けられている国税の猶予制度の適用を受けることは可能である。

● 特例猶予終了後に、納税猶予の適用を受けるためには?

 国税の猶予制度には、「換価の猶予」と「納税の猶予」の大きく2種類がある。

 「換価の猶予」は、以下に記載の要件を全て満たす場合に、税務署に申請することにより、原則として1年以内の期間に限り、猶予が認められる(状況によっては、1年間の猶予後、さらに1年間猶予される場合あり)。

  1. 国税を一時に納付することにより、事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められること
  2. 納税について誠実な意思を有すると認められること
  3. 猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと
  4. 納付すべき国税の納期限から6ヶ月以内に申請書が提出されていること

 「納税の猶予」は、「換価の猶予」からさらに踏み込んだ制度で、申請者について、次のような個別の事情がある場合は、延滞税なしで納税の猶予が認められる可能性がある。

  • 新型コロナウイルス感染症の患者が発生した施設で消毒作業が行われたことにより、備品や棚卸資産を廃棄した場合
  • 納税者本人又は生計を同じにするご家族が病気にかかった場合、国税を一時に納付できない額のうち医療費や治療等に付随する費用
  • 納税者の方が営む事業について、やむを得ず休廃業をした場合、国税を一時に納付できない額のうち、休廃業に関して生じた損失や費用に相当する金額
  • 納税者の方が営む事業について、利益の減少等により、著しい損失を受けた場合、国税を一時に納付できない額のうち、受けた損失額に相当する金額

 適用を希望される方は、管轄の税務署にご相談いただきたい。

2021.08.23

村田 直(むらた・ただし)

マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
大阪府茨木市出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。平成22年3月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。

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