お客様のお役に立つ JAIFA学習帖

  • サイト内検索:

No.4039 GoToトラベルの課税関係

● ビジネス出張を目的とする宿泊等はGoToトラベル対象外に

 GoToトラベル事業は、宿泊や日帰りの国内旅行を対象に、旅行代金の1/2相当額(1人1泊あたり上限2万円)が国から旅行者に支援されるものである。支援額のうち7割(旅行代金の35%)相当は旅行代金に充当され、残りの3割(旅行代金の15%)相当は、旅行先の土産物店等での商品代金等の支払いに利用できる地域共通クーポンとして付与される。

 11月6日より前の販売分に関してはビジネス出張目的でも給付されていたが、11月6日以降の販売分に関しては、事業の利用を制限するための措置が講じられ、対象外となった。

● 旅行者(会社)側では旅行代金全額が課税仕入れ

 GoToトラベル事業は、旅行代金の一部を国が補助する仕組みである。旅行者側においては、支出する現金が少なくなることからすると、代金の値引がされているように思えるが、旅行代金そのものが値引されているわけではない。したがって旅行商品の対価の額は変わらず、旅行代金全額が課税仕入れの対象となる。

 会社側での出張旅費の会計処理としては、旅行代金全額(22,000円)を精算するパターン①と、国からの補助を除いた金額(7,700円)を精算するパターン②が考えられる。

【パターン①】(従業員との間で7,700円分を含めて精算する場合)
旅費交通費 20,000円 / 現金等 22,000円
仮払消費税等 2,000円

【パターン②】(従業員との間で7,700円分を精算しない場合)
旅費交通費 20,000円 / 現金等 14,300円
仮払消費税等 2,000円 / 雑収入 7,700円

● 旅行・宿泊事業者側では旅行代金全額が課税売上

 一方、旅行・宿泊事業者側においては、旅行者から実際に現金等で受け取る額(給付金相当額が差し引かれた額)ではなく、商品代金の全額が消費税の課税売上となる。なお、給付金相当額は商品販売時に未収入金として計上し、GoToトラベル事務局から給付金を受領したときに現金等として処理することが必要となる。

【旅行・宿泊事業者側の会計処理】
(旅行・宿泊商品販売時)
現金等 14,300円 / 売上 20,000円
未収入金 7,700円 / 仮受消費税等 2,000円
(事務局から受領時)
現金等 7,700円 / 未収入金 7,700円

● 通常必要な出張旅費であれば非課税所得に

 出張旅費は通常、従業員と精算して会社が負担することになるが、GoToトラベルで補助される分を含めて従業員が精算しても、基準を満たせば給与課税には該当しない。非課税となるには、その出張旅費が通常必要であると認められるものでなければならない。通常必要かどうかは一般的には社内の出張旅費規程の金額等の範囲内であるかを基準に判断することになると考えられる。

 GoToトラベル事業における旅行代金の充当は、旅行会社等が旅行者に代わって国から受け取る補助分を差し引いているにすぎないため、GoToトラベル対象商品が通常必要な範囲内であれば、補助分を含めて精算したとしても、精算した額の全額が非課税所得に該当する。

2020.12.21

岩成 直哉(いわなり・なおや)

マネーコンシェルジュ税理士法人
島根県出身。一般企業で経理を経験し、会計事務所勤務を経て現法人へ。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。補助金担当として、申請支援にも力を入れている。
趣味はゴルフ。

マネーコンシェルジュ税理士法人
◎私たちは「経営者へのお役立ち度★世界一」の税理士事務所を目指します!
http://www.money-c.com/
http://sogyo5.money-c.com/

マネーコンシェルジュ税理士法人がお届けする無料オリジナルマガジン
『あんしん相続通信』

  • 年4回郵送にてお届け
  • 最新トピックスやここが知りたい!というポイントを図解でわかりやすく説明
  • 相続でお困りの方や将来の相続が不安な方におススメ!
  • 初回無料相談の特典付き!

保険営業マンの皆さんへ

  • お客様への情報提供ツールとして、ご利用ください(コピー配布可)。
  • 右下の申込書の最下段に、ご自身のお名前をご記入の上、お客様にお渡しください。
  • もし、そのお客様から生命保険のご相談があった場合には、必ずご紹介させていただきます。

ご希望の方は、下記申込書にご記入の上、
06-6450-6991までFAXください。
https://www.money-c.com/kr/ASTapplication.pdf

その気にさせる事業承継 
得すること・損すること

執筆:マネーコンシェルジュ税理士法人
体裁:B5判サイズ、48ページ
価格:400円(税込)
発行:清文社

注目!
マネーコンシェルジュ税理士法人のホームページ(HP)から直接ご注文した場合、1冊から注文が可能です(送料無料、振込手数料はお客様負担)。詳しくは、マネーコンシェルジュ税理士法人のHPをご覧ください。

https://www.money-c.com/masukomi/shoukei/shoukei.htm

中小企業に特化した事業承継について、「事業承継の準備段階」「事業承継スキーム」「現経営者」「後継者」などさまざまな角度から、「得すること・損すること」という対比でわかりやすく紹介しています。また、「遺留分対策として生命保険の活用」や「退職金資金として生命保険の活用」等も含めて解説しています。法人マーケットでの訪問ツールとして、お客様に喜ばれる1冊。