No.4009 年末調整の電子化がスタート!
10月1日から令和2年分の年末調整の電子化がスタートした。そして、同日より年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(以下「年調ソフト」)も国税庁より無償提供が始まった。
年調ソフトとは、年末調整手続きの際に従業員が保険料控除申告書等を作成するためのソフトウェアである。
● 電子化された年末調整の概要
● 電子化のメリット
【勤務先のメリット】
- 保険料控除や配偶者(特別)控除の控除額の検算が不要
- 控除証明書等のチェックが不要(従業員が控除証明書等データを利用した場合)
- 従業員からの質問が減少
- 年末調整関係書類の保管コストの削減
【従業員のメリット】
- 控除額等の記入・手計算が不要
- 控除証明書等データを紛失しても再交付依頼が不要
- データ提出なら押印が不要
- 勤務先からの問合せが減少
● 電子化にあたっての事前準備
①従業員への周知
電子化に当たっては、従業員においても、保険会社等から控除証明書等データを取得するための手続など、事前準備が必要となる。
* マイナポータルを活用すれば控除証明書等の必要書類のデータを一括取得し、各種申告書への自動入力が可能(マイナポータル連携)。
②給与システム等の改修等
従業員から提供を受ける年末調整申告書データや控除証明書等データを、利用している給与システム等にインポートし、年税額等の計算を行うためのシステムの改修等を行う必要がある。
③税務署への届出
従業員から年末調整申告書に記載すべき事項を電子データにより提供を受けるためには、勤務先があらかじめ所轄税務署長に、「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」を提出し、その承認を受ける必要がある。
● 今年は電子化への移行が完全にできなくても
多くの中小企業については、今年の年末調整の完全電子化への移行は難しいであろう。また、控除証明書等を発行する保険会社や銀行の中には、今年の10月までに電子化対応が間に合わない会社もあるようだ。
しかし、来年以降の完全電子化に向けて部分的に電子化を進めることも可能である。例えば、従業員がデータまたは紙で入手した控除証明書を基に年調ソフトで作成した控除申告書を紙で提出させる方法でも、従前の手書きの作成に比べれば効率的である。従業員に申告書を紙で提出させる場合には、税務署への届出は不要である。
テレワークの普及や働き方改革による生産性向上の必要性より、電子化への移行は企業にとって必須であろう。今から少しでも準備を始めて、来年の電子化への移行をスムーズに進めたい。
参考:国税庁「年末調整手続の電子化に向けた取組について(令和2年分以降)」
2020.10.26
木下 洋子(きのした ひろこ)
マネーコンシェルジュ税理士法人
群馬県出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
趣味はピアノを弾くこと。
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