お客様のお役に立つ JAIFA学習帖

  • サイト内検索:

No.4007 第3のビールは3年後、たばこは来年、値上げが続く

 2020年10月1日から、割安な第3のビール(新ジャンル)やたばこが値上げされました。逆にビールは値下げされました。これらの価格変動は酒税、たばこ税が引き上げ(引き下げ)られたからです。今後、ビールと第3のビールは2023年10月1日と2026年10月1日、たばこは2021年10月1日にも税率が変更される予定となっています。

● 酒税法等の改正

 2017年度税制改正で酒税法等が改正され、酒類の品目等の定義の改正、酒税の税率の改正等が順次施行されることとなりました。

 酒類の品目等の定義の改正については3段階で行われ、2018年4月1日にビールの定義が改正され、品目が発泡酒からビールに変更となる商品が出てきました。次に、2023年10月1日(以下、改正日はいずれも10月1日)からは、発泡酒の定義が変更され、その他の発泡性酒類のうち、いわゆる第3のビールと言われる「新ジャンル」は発泡酒に品目が変更になります。そして、2026年からは、「その他の発泡性酒類」の範囲がアルコール分が10度未満から11度未満に改正されます。

 酒税の税率の改正については、ビールと第3のビール(新ジャンル)は2020年と2023年に税率が変更され、2026年から同じ税率となります。

 1缶あたり(350ml換算、以下同じ)で税率の変動を見ると、ビールについては2020年に7円、2023年に6.65円引き下げられる一方で、第3のビール(新ジャンル)については2020年に9.8円、2023年に9.19円引き上げられ、2026年からは両者とも1缶あたり54.25円の税率が適用されることになります。

● たばこ税の改正

 たばこ税は、2018年度の税制改正において、2018年10月1日(以下、改正日はいずれも10月1日)、2020年および2021年の3回に分けて、1本あたり1円ずつ、合計3円(1箱60円)引上げられることとなりました。なお、加熱式たばこは、2018年に課税区分「加熱式たばこ」が新設され、課税方式が見直されました。重量や小売定価を基に所定の計算式で本数換算され、課税されます。

 酒税やたばこ税などの特定の消費財に課せられる個別消費税は、メーカーなどが納税義務者となって負担する税金であり、その販売価額の一部を構成しているので、課税標準に含まれます。消費税の税額は、一般的には課税標準に税率を掛けて計算するため、酒税やたばこ税が含まれている販売価格に対して、消費税が課せられます。

 そのため、2020年10月1日においては、第3のビール(新ジャンル)1缶あたり9.8円、たばこ1箱あたり20円の増税に加え、消費税分も値上がりとなりました。

参照:
国税庁「酒税法等の改正のあらまし(平成29 年4月)」
財務省「たばこ税等に関する資料」

2020.10.19
(セールス手帖社 高田 康正)