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No.3993 飛行機が欠航・遅延したらどうなる?~知っておきたいお金の対策~

 コロナ禍で旅行を自粛している人も多いと思いますが、どうしても出かけなければならない人もいます。例年に比べて飛行機が減便されているため、否応が無しに、他の便へ変更しなければならないこともあります。そのようなときには、どのようにすれば良いのでしょうか?

● 飛行機が欠航になってしまった…。こんなときどうする?

 まずツアーで申し込んだ場合には、飛行機のキャンセルだけでなく、残額返金が受けられることがほとんどです。航空会社に直接、申し込んだ場合もキャンセル料は取られることなく、全額返金を受けることができます。ただし、LCCの場合には、全額返金にならない場合もありますので注意が必要です。

 その他の方法としては、空席があれば、他の便へ振り替えることができます。基本は予約している航空会社内での振替ですが、減便は航空会社の都合となるため、他の航空会社に振替できます。ただし、このようなルールで稼働しているのはJALとANA間となっていますので、その他の航空会社を利用する場合には、事前に確認しておくと安心です。

● 振替便で差額が生じる場合の賢い対処法

 減便になる便は、比較的に他の便に振り替えやすい時間帯の便が多いようです。

 直接、航空会社に申し込んだ場合には、振替便の案内がメールで届き、それを承認すれば、振替は完了です。

 とはいえ、チケット代は便ごとに違っています。もし、自分が予約している便よりも価格の安い時間帯に振替になった場合は、承認せずに振替後の便を予約し直して、振り替えられる前の便をキャンセルすればOKです。少しでも難しい、不安、面倒だと感じた場合は、コールセンターに電話をすれば、キャンセル料なしで手続きしてくれます。ただし、承認後は通常のキャンセルとして扱われてしまいますので、気を付けてください。※1

● ホテル代の補償も可能

 行きの便が早朝の便に振り替えられてしまった、到着便が遅延した場合などでも補償を受けられます(除くLCC)。

 出発時間に間に合わない、朝早くて空港まで行くのが大変な場合には、事前に航空会社に申し出ておくと、上限1万円※2まで実費で前泊料金を補償してくれます。立替費用は、出発地もしくは到着地の航空会社のカウンター※3へ領収書を持っていけば受け取れます。

 到着便が減便、機材故障などで遅延して公共交通機関では自宅に帰れないような場合にも、同様に上限1万円※2まで実費で宿泊費を補償してくれます。宿泊せずに自宅に帰りたい場合には、タクシーなど領収書がもらえる交通機関で帰宅した場合にも、上限1万円※2まで実費で交通費を補償してくれます。

 帰り便の返金方法は振込です。制限区域を出る前に航空会社の担当者が待機していますので、その人から専用用紙をもらってください。後日、領収書とチケットの半券、専用用紙に必要事項を記入の上、航空会社へ返送すれば1週間程度、遅くても2週間以内には指定の口座へ立替費用が振り込まれます。※1

 飛行機が飛ばない、遅れてしまうとパニックになってしまうかもしれませんが、あわてることなく、迷ったら、航空会社の担当者に相談を。自分が困っている状況を伝えれば、補償の案内をしてくれます。

※1 航空会社によっては取扱いが異なる場合もあります。
※2 航空会社によっては金額が異なります。
※3 航空会社によっては郵送なども可能です。

2020.09.23

飯田 道子(いいだ・みちこ)

海外生活ジャーナリスト/ファイナンシャル・プランナー(CFP)
金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっている。主な著書には、「宅建資格を取る前に読む本」(総合資格)、「介護経験FPが語る介護のマネー&アドバイスの本」(近代セールス社)などがある。
海外への移住や金融、社会福祉制度の取材も行う。得意なエリアは、カナダ、韓国など。