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No.3982 豪雨で車が立ち往生! その時どう対応する?

 車で移動中、豪雨に遭遇し、動けなくなってしまったらどうすればよいのか? 台風シーズンを控え、今回は緊急時の車からの脱出法について確認しておきましょう。

● 冠水した道路には多くの危険が潜む

 令和2年7月は、梅雨前線の長期間停滞により、西日本から東日本の広範囲で豪雨を記録しました。毎年のように発生する豪雨による自然災害は、もはや日本中どこで起きてもおかしくはない警戒すべきリスクです。

 なかでも、営業職に携わる方などは、日頃の移動手段として車を利用されることが多いのではないでしょうか。また、最近では新型コロナの影響から、「密」を避けるため、電車ではなく車を利用する人たちも増えているかもしれません。

 前線の停滞や台風などによる豪雨では、車に被害が及ぶこともあります。一般的に、1時間に50ミリ以上の「非常に激しい雨」が降ると、広範囲に冠水する可能性があります。冠水した道路でも、車はドア下の高さ(床面)くらいの深さで、マフラーが水没していなければ走れるといいますが、それ以上の深さになると浸水し、故障や立ち往生の原因になります。

 冠水した道路の深さは、見た目では分かりません。うっかり走行してしまうと、道路外の池や川などの水中に転落してしまうリスクもあります。

● 緊急時の車からの脱出法を押さえておく

 では、車で外出中に豪雨に遭い、浸水して車が立ち往生してしまったらどうするか? まずは落ち着いてシートベルトを外し、水面が窓より下なら窓を開け、背中側から外に出て車のルーフに上るように脱出します。

 浸水による電気系統などのトラブルで、パワーウィンドウが開かないときや、水圧で窓が開かないときは、脱出用ハンマーなどでサイドガラスを割って避難します。脱出用ハンマーは、自動車メーカーによっては純正オプションで用意される他、アマゾンなど通販サイトでも購入できます。

 ハンマーがないときは、ヘッドレストの支柱をドアと窓ガラスの隙間に差し込み、テコの原理のように手前に引いて割る方法も。あるいは、車内が浸水して車外との水位差が小さくなると、ドアへの水圧が下がって開けやすくなるため、そのタイミングを狙って脱出するという方法もあります。

 水が引いた後でも油断はできません。浸水した車は、見た目上は問題がなくても、エンジンの吸気系に水が入っているような場合では、いきなりエンジンをかけるとエンジンを壊してしまうこともあるといいます。販売店などに連絡して確認してもらうのが安全です。

 緊急時、自分や同乗者の命を守る脱出用品や、車の修理費から家計を守るための車両保険とともに、荒天時はアンダーパスや川沿いの道など、冠水リスクの高い場所の通行や外出を控える心構えも必要ですね。

2020.09.01

高橋 浩史 (たかはし・ひろし)

FPライフレックス 代表(住まいと保険と資産管理 千葉支部)
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFPR
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

東京都出身。デザイン会社、百貨店、広告代理店などでグラフィックデザイナーとして20年間活動。
その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。
住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。
その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。

ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/