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No.3979 ステイホームで得た収入の取り扱い

 コロナ禍によるステイホームを機に、家の片づけに着手したかたは多いであろう。その際に出た不用品をネットオークション等に出品して収入を得た場合、税務上の取り扱いは、どうなるだろうか。

 以下、給与所得者であるサラリーマンが副収入を得たことを前提とする。

● 生活に通常必要な動産の売却所得は非課税

 サラリーマンが給与所得以外に副収入等によって20万円を超える所得(利益)を得ている場合には、確定申告が必要となる。

 副収入がオークション取引等による場合は、出品物の内容によって確定申告の要否が異なる。

 個人が家具、衣類など生活に通常必要な動産を譲渡して得た所得は、所得税法上は原則として非課税とされる。また、日用品の他、貴金属、書画、こっとう、美術工芸品等で1個または1組30万円以下のものについても、生活に通常必要な動産として、譲渡益は非課税となる。

 なお、オークション取引等で、以下に該当するものは、課税所得となる。

  • 貴金属、書画、こっとう、美術工芸品等で1個または1組の価格が30万円超のものの売却
  • 手作りマスク等、ハンドメイドの品を販売した場合
  • 洋服や雑貨など生活の用に供している資産の売却でも、年間取引総額が大きく転売を繰り返している場合など・・・営利目的の出品とみなされ、課税される可能性がある
  • オークション代行をすることによって手数料を得ている場合・・・非課税となる生活用の資産を取り扱っていても、その代行手数料は課税の対象となる

● 確定申告する際の取り扱い

 サラリーマンの副業として行うオークション取引等による所得は、一般的には「雑所得」に該当する。ただし、取引を継続反復して行われている、個人として独立して行っているなど、総合的に判断して「事業所得」に該当する場合もある。

 雑所得も、事業所得も、収入から必要経費を差し引いて所得を計算する。販売手数料、落札手数料、オークションの会員費、プロバイダー費など、収入を得るために直接かかった経費を漏れなく計上できるよう、証憑等の保管に注意されたい。

 また、事業所得として認められる場合には、一定の要件を充たせば「青色申告特別控除」を使えるが、2020年分の確定申告からは、電子申告の場合は65万円のままだが、紙の申告については55万円に減少することになった。電子申告で申告をしたことがない場合は、早期に準備を済ませておきたい。

 なお、1個が30万円を超える貴金属、書画、こっとう、美術工芸品等を売却して得た利益については、それが事業所得や雑所得に該当しない場合には、「譲渡所得」に該当するので注意されたい。

参照:国税庁「令和2年分の所得税確定申告から青色申告特別控除額 基礎控除額が変わります!!」

2020.09.01

木下 洋子(きのした ひろこ)

マネーコンシェルジュ税理士法人
群馬県出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
趣味はピアノを弾くこと。

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