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No.3973 厚生年金の標準報酬月額、上限が引き上げに

● 2020年9月分の保険料より改定に

 社会保険の加入者は、毎月の給与から厚生年金保険料が控除されているが、その厚生年金の保険料については、改定予定ということで話題にあがっていた。今回、日本年金機構が毎月事業主に送付している案内用紙に厚生年金保険の標準報酬月額の上限改定について案内されていた。

 その案内によると、厚生年金保険法の規定に基づき、令和2年9月から上限が変更になるということである。いわゆる高報酬の人が対象になるわけだが、会社の実務的な部分も関係してくるので確認しておきたい。

● 標準報酬月額の上限の変更

 厚生年金保険法における従前の標準報酬月額の上限等級(31級・62万円)の上に1等級が追加され、以下のように上限が引き上げられることになった。

● 改定通知書が送付されてくる

 厚生年金保険の標準報酬月額の上限改定に伴い、改定後の新等級に該当する被保険者の方がいる対象の事業主及び船舶所有者に対して、令和2年9月下旬以降に日本年金機構より「標準報酬改定通知書」を送られてくるとのこと。標準報酬月額の改定に際して、事業主及び船舶所有者からの特別な手続きは必要ない。

 会社の給与計算事務担当者は、厚生年金保険料の変更のタイミングには注意してほしい。最後に今回の厚生年金保険の標準報酬月額の上限改定により、該当者分は毎月5,490円の負担増になる。会社と被保険者が折半しているので、純粋な会社負担は被保険者1人あたり1か月で2,745円、1年間で32,940円の増額となるのでその点も覚えておきたい。

参照: 日本年金機構「厚生年金保険における標準報酬月額の上限の改定」

2020.08.17

庄司 英尚(しょうじ・ひでたか)

株式会社アイウェーブ代表取締役、アイウェーブ社労士事務所 代表
社会保険労務士 人事コンサルタント

福島県出身。立命館大学を卒業後、大手オフィス家具メーカーにて営業職に従事。その後、都内の社会保険労務士事務所にて実務経験を積み、2001年に庄司社会保険労務士事務所(現・アイウェーブ社労士事務所)を開業。その後コンサルティング業務の拡大に伴い、2006年に株式会社アイウェーブを設立。企業の業績アップと現場主義をモットーとして、中小・中堅企業を対象に人事労務アドバイザリー業務、就業規則の作成、人事制度コンサルティング、社会保険の手続き及び給与計算業務を行っている。最近は、ワーク・ライフ・バランスの導入に注力し、残業時間の削減や両立支援制度の構築にも積極的に取り組んでいる。

公式サイト http://www.iwave-inc.jp/
社長ブログ http://iwave.blog73.fc2.com/