No.3913 新型コロナの影響を受けた法人の申告期限の延長
国税庁は新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、個人の所得税や個人事業主の消費税、贈与税の申告期限を一律令和2年4月16日まで延長することとしている。
一方、法人税、源泉所得税などは、上記の申告期限等の一括延長の対象とされておらず、従来どおりの期限となる。
しかしながら感染が拡大している現状を鑑みると、法人においても新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」とする)による会社関係者の外出自粛、休業等の措置など、自己の責めに帰さない理由により、期限までに申告、納付等ができない場合も考えられる。
3月25日に国税庁のHPに掲載されたFAQで、感染症の影響を受ける企業の申告等に関する救済措置が公表されているので紹介する。
● 法人税は個別の申請により申告期限等の延長が可能に
今般の感染症に関しては、これまでの災害時に認められていた理由のほか、例えば、次のような理由により申告書や決算書類などの国税の申告・納付の手続きに必要な書類等の作成が遅れ、その期限までに申告・納付等を行うことが困難な場合には、個別の申請による期限延長(個別延長)が認められることになる。
- 税務代理等を行う税理士(事務所の職員を含む)が感染症に感染したこと
- 納税者や法人の役員、経理責任者などが、現在、外国に滞在しており、ビザが発給されない又はそのおそれがあるなど入出国に制限等があること
- 次のような事情により、企業や個人事業者、税理士事務所などにおいて通常の業務体制が維持できない状況が生じたこと
- 経理担当者部署の社員が、感染症に感染した、又は感染症の患者に濃厚接触した事実がある場合など、当該部署を相当の期間、閉鎖しなければならなくなったこと
- 学校の臨時休業の影響や、感染拡大防止のため企業が休暇取得の勧奨を行ったことで、経理担当部署の社員の多くが休暇を取得していること
- 感染症の拡大防止のため多数の株主を招集させないよう定時株主総会の開催時期を遅らせるといった緊急措置を講じたこと
● 期限の個別延長の手続き
上記の申告期限等の延長を受けようとする場合には、やむを得ない理由のやんだ日から相当の期間内(おおむね1か月以内)に一定の申請書を提出する必要がある。
なお、申請書の提出に代えて、申告等を行う際に、次の内容を申告書等の余白に付記することも容認されている。
- 申告・納付等の期限の延長を申請する旨
- 感染症に関連して申告・納付等を行うことができない具体的な事実
また、政府・与党は収入が急減した企業などの税金と社会保険料の支払いを延滞税の負担無しで原則1年間猶予する特例制度を創設する準備を進めている。今後も引き続き発表されるであろう個人、企業を救済する施策について注視されたい。
参照:国税庁「国税における新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応と申告や納税などの当面の税務上の取扱いに関するFAQ」
2020.04.20
木下 洋子(きのした ひろこ)
マネーコンシェルジュ税理士法人
群馬県出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。
趣味はピアノを弾くこと。
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