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No.3905 令和2年3月決算の注意点

● 令和2年3月決算における改正事項は?

 3月決算の会社については、5月末の申告期限に向けて、そろそろ準備が必要な時期となった。そこで、前期決算から改正となった項目、新設された項目のうち、主なものを3つご紹介する(字数の都合上、各項目についての詳細な説明は割愛する)。

● 研究開発税制の見直し

(1)オープンイノベーション型の対象範囲の追加等

 オープンイノベーション型(企業が共同試験研究、委託試験研究などを行った場合)の対象となる試験研究費の範囲が拡充され、控除上限が法人税額の10%に引き上げられた。

(2)試験研究費の総額に係る税額控除

 設立後10年以内で翌期繰越欠損金を有することになるなど一定の要件を満たすベンチャー企業について、控除上限が法人税額の25%から40%に引き上げられた。

 また、税額控除割合が次の通り、見直された。

 (イ) 増減試験研究費割合が8%を超える場合
    9.9%+(増減試験研究費割合-8%)×0.3(上限14%)

 (ロ) 増減試験研究費割合が8%以下である場合
    9.9%-(8%-増減試験研究費割合)×0.175(下限6%)

 (ハ) その事業年度が設立事業年度である場合又は比較試験研究費の額が0である場合
    8.5%

 なお、中小企業技術基盤強化税制については、増減試験研究費割合が5%を超える場合の措置について、増減試験研究費割合が8%を超える場合の措置に見直された上、その適用期限が令和3年3月31日まで延長されている。

(3)試験研究費の割合が高い企業への新たな特例措置

 平均売上金額10%相当額を超える場合の高水準型について、「試験研究費割合が10%超の場合の総額型の控除上限の上乗せ措置特例」と統合し、控除率を一定程度割増する措置を加えたうえで、改組されている。

● 特定事業継続力強化設備等の特別償却制度の新設

 青色申告書を提出する法人で中小企業者(適用除外事業者に該当するものを除く)等であるもののうち中小企業等経営強化法の認定を受けた同法の中小企業者に該当するものが、令和元年7月16日から令和3年3月31日までの間に、特定事業継続力強化設備等の取得等をして、これをその法人の事業の用に供した場合には、その事業の用に供した日を含む事業年度において、その特定事業継続力強化設備等の取得価額の20%相当額の特別償却を行うことができる。

● 公益法人等の貸倒引当金の割増制度

 公益法人等又は協同組合等の一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の繰入限度額について、通常の繰入限度額に係る割増制度が廃止されたことに伴い、経過措置が置かれている。

 平成31年4月1日から令和2年3月31日までの間に開始する事業年度における割増率は、上記経過措置により8%に定められており、令和2年3月決算においては、繰入限度額の108%相当額を繰り入れることができる。

2020.04.06

村田 直(むらた・ただし)

マネーコンシェルジュ税理士法人
税理士
大阪府茨木市出身。大学卒業後、会計事務所勤務を経て現法人へ。平成22年3月税理士登録。法人成り支援や節税対策・赤字対策など、中小企業経営者の参謀役を目指し、活動中。年に数回の小冊子発行など、事務所全体で執筆活動にも力を入れている。

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