No.3904 郵便サービスもキャッシュレス時代に突入!
これまで郵便局のサービスを利用するには現金が基本でしたが、2020年2月3日よりキャッシュレス決済に対応しました。利用できるサービス内容や、対応の背景について考えてみましょう。
● どんなサービスで利用できる?
今回、郵便局でキャッシュレス決済を利用できるようになった商品やサービスは、次のようなものです。
- 郵便料金または荷物(ゆうパック、ゆうメールなど)の運賃支払い
- 切手(1回あたり10万円限度)、はがき、レターパックなどの販売品の支払い
- カタログ、店頭商品などの物販商品の支払い
ただし、以下の商品やサービスにはキャッシュレス決済は利用できません。
- 印紙
- 宝くじ
- 代金引換郵便物等の引換金
- 税付郵便物の関税
- 地方公共団体事務(各種証明書等の交付、バス回数券の販売などの受託事務)
また、利用できるキャッシュレス決済の種類やブランドにつては下表にまとめました。
クレジットカードなど | Visa、Mastercard、JCB、American Express Diners Club、UnionPay(銀聯) |
電子マネー | iD、QUICPay+、WAON 交通系IC(Kitaka、Suica、PASMO、TOICA、manaca、ICOCA、SUGOCA、nimoca、はやかけん) |
スマホ決済 | ゆうちょPay、Amazon Pay、au PAY、d払いR、LINE Pay
メルペイ、Origami Pay、PayPay、楽天ペイ(アプリ決済) アリペイ(Alipay)、WeChat Pay |
当初は、全国65の郵便局で利用が始まり、2020年5月には約8,500の郵便局に拡大予定です。詳細は、郵便局のウェブサイトに掲載されていますので、確認してみてください。
https://www.post.japanpost.jp/life/cashless/index.html
● 外国人観光客への利便性を高める側面も
これまで郵便局でキャッシュレスが対応しなかった理由として、切手などは「金券」として売買できることから、例えばクレジットカードで購入してその後換金すれば、キャッシング行為になってしまうことなどが考えられます。
今回、キャッシュレス決済に対応した背景には、「スマホ決済などが一般的になり、キャッシュレスのニーズが高まった」「外国人観光客の、現金以外の支払い手段を求める声に応える」といった点が挙げられるでしょう。
日本の消費者にとって、スマホの普及により電子マネーでの決済や、スマートフォンにクレジットカードや銀行口座を連携させたQRコード決済などは、コンビニを中心に日常的な光景となりました。
一方で、外国人観光客にとって、日本の切手はお土産としても人気があるといわれています。また、購入した土産を郵便局からEMS(国際スピード郵便)を利用し、母国へ送るといったニーズもあり、現金以外の支払手段を求める声は少なくなかったと思われます。
国によるキャッシュレス・ポイント還元事業や、民間決済事業者のポイント還元キャンペーンの後押しなどもあり、キャッシュレスで買い物やサービスを利用できる場所は増えてきました。その中のひとつに郵便局も加わったことで、日本のキャッシュレス決済が拡大するのか、試される局面がきたといえるかもしれません。
2020.04.01
高橋 浩史 (たかはし・ひろし)
FPライフレックス 代表(住まいと保険と資産管理 千葉支部)
日本ファイナンシャルプランナーズ協会CFPR
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
東京都出身。デザイン会社、百貨店、広告代理店などでグラフィックデザイナーとして20年間活動。
その後、出版社で編集者として在職中にファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年独立系FP事務所FPライフレックス開業。
住宅や保険など一生涯で高額な買い物時に、お金で失敗しないための資金計画や保障選びのコンサルタントとして活動中。
その他、金融機関や出版社でのセミナー講師、書籍や雑誌での執筆業務も行う。
ホームページ http://www.fpliflex.com
ブログ http://ameblo.jp/kuntafp/