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個人年金税務

年金受取開始後に年金受取人が死亡した場合

Q:個人年金保険に加入していて、年金受取人が年金受取開始後に死亡しました。この場合の課税関係はどのようになりますか。

A:年金の受取開始後に年金受取人が死亡したときは、契約形態および年金の種類により課税の種類が異なります。

<例1>年金受取人と被保険者が同一の場合

●確定年金の場合

(1)残りの期間分を一括で受け取る場合

残りの年金を相続人が一括で受け取る場合は、残りの年金に対する年金現価が相続税の課税対象になります。ただし、生命保険金の非課税の特典は適用できません。

(2)残りの期間分を年金で受け取る場合

残りの年金を相続人が年金で受け取る場合は、次のような課税が発生します。

  1. 相続時
    年金受給権(確定年金)に対して相続税が課税されます。ただし、生命保険金の非課税の特典は適用できません。
  2. 年金受取時
    雑所得として所得税・住民税が課税されます。なお、相続時に相続税の課税対象となった部分は所得税・住民税の課税対象外となります。

●終身年金の場合

被保険者が死亡した時点で年金の受取りは終了します。

●保証期間付終身年金の場合

(1)保証期間内に死亡した場合

  1. 保証期間内の残りの年金を一括で受け取る場合
    (確定年金の場合の(1)残りの期間分を一括で受け取る場合と同じ)
  2. 保証期間内の残りの年金を年金で受け取る場合
    (確定年金の場合の(2)残りの期間分を年金で受け取る場合と同じ)

(2)保証期間終了後に死亡した場合

被保険者が死亡した時点で年金の受取りは終了します。

<例2>年金受取人と被保険者が異なる場合

この場合は、年金受取人(夫)が死亡しても被保険者(妻または子)が生存している限り年金継続受取人がその後の年金受給権を相続し、年金を引き続き受け取ります。

●確定年金の場合

(1)相続時

年金受給権(確定年金)に対して相続税が課税されます。

(2)年金受取時

雑所得として所得税・住民税が課税されます。なお、相続時に相続税の課税対象となった部分は所得税・住民税の課税対象外となります。

●終身年金の場合

(1)相続時

年金受給権(終身年金)に対して相続税が課税されます。

(2)年金受取時

雑所得として所得税・住民税が課税されます。なお、相続時に相続税の課税対象となった部分は所得税・住民税の課税対象外となります。

ただし、被保険者が死亡した時点で年金の受取りは終了します。

●保証期間付終身年金の場合

(1)保証期間内に死亡した場合

  1. 相続時
    残りの保証期間を確定年金期間として計算した金額と終身年金として計算した金額のいずれか高い方の金額を評価額として、年金受給権について相続税が課税されます。
  2. 年金受取時
    雑所得として所得税・住民税が課税されます。

(2)保証期間終了後に死亡した場合

  1. 相続時
    年金受給権(終身年金)に対して相続税が課税されます。
  2. 年金受取時
    雑所得として所得税・住民税が課税されます。なお、相続時に相続税の課税対象となった部分は所得税・住民税の課税対象外となります。

ただし、被保険者が死亡した時点で年金の受取りは終了します。

なお、当シートに記載の内容において、復興特別所得税については考慮していません。

2023.04.01 (堀)