死亡保険金を死亡退職金として支払った場合
Q:被保険者である役員の死亡により会社が死亡保険金を受け取りました。この死亡保険金の全額を遺族に死亡退職金として支払い、損金の額に算入することはできますか?
A:遺族に支払った死亡退職金は、適正額であれば損金の額に算入することができます。また、通常、役員が死亡した場合は、死亡退職金とは別枠で弔慰金が支払われます。会社が支払った弔慰金は、社会通念上相当な額までは損金の額に算入することができます。
ただし、会社が弔慰金を支払う際には、弔慰金規程などで死亡退職金と明確に区分しておかなければ、支払った金額の全額が死亡退職金とみなされることがありますので注意が必要です。
借 方 | 貸 方 | ||
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退職金 | ×××円 | 現金・預金 | ×××円 |
弔慰金 | ×××円 |
●死亡退職金の適正額
遺族に支払った死亡退職金は、原則として損金の額に算入することができます。ただし、その役員の業務に従事した期間、退職の事情、同業種同規模類似法人における役員に対する退職給与の支給状況などと照らし合わせて不相当に高額とみなされた場合は、その不相当に高額とみなされた部分の金額は、損金の額に算入することはできません。
2023.04.01 (堀)