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社会保障制度の基礎知識

障害年金のしくみ

  けがや病気によって、所定の障害を負った場合には障害年金が支給されます。障害年金には次の種類があります。

  • 障害基礎年金
  • 障害厚生年金

  国民年金だけに加入している人(第1号被保険者・第3号被保険者)は障害基礎年金だけを受給することになります。一方、厚生年金に加入していた時に初診日があるけがや病気で障害を負った場合は、障害厚生年金と障害基礎年金を受けることになります。しかし、障害等級3級の年金は国民年金にはないので、その場合は障害厚生年金だけの支給になります。

●障害年金受給のための要件

  障害年金を受給するためには、次の3つの要件を満たさなければなりません。

1.初診日に関する要件

  障害の原因となった病気やけがで初めて医師や歯科医師の診療を受けた日を初診日といいます。この初診日に、それぞれの制度の被保険者であるということが要件になります。
  障害厚生年金で考えれば、初診日の時に厚生年金に加入していれば、その後退職などによって厚生年金をやめても障害等級に該当すれば障害厚生年金は受給できます。逆に初診日の時に厚生年金に加入していないと、その後就職などによって厚生年金に加入してもその病気を原因とする障害厚生年金は支給されません。

2.障害認定日における障害の状態

  障害認定日に障害等級1級・2級(障害厚生年金は3級)にあることが必要です。障害認定日とは、障害の程度を判定する日で、初診日から1年6カ月経過した日か、傷病が治った日(症状が固定した日)のいずれか早い日になります。なお症状が固定した日というのは広く解され、外科的なもののほかに、内科的疾病でも発病から1年6カ月を待たずに請求することができる場合もありますので、注意が必要です。

3.保険料納付要件

  障害年金を受給するためには、遺族年金と同様の保険料納付要件があります。
  障害年金を受給するためには、被保険者または被保険者であった人が、初診日の属する月の前々月までに、保険料納付期間(保険料免除期間も含む)が全被保険者期間の3分の2以上あることが必要です。つまり、保険料未納期間が全被保険者期間の3分の1以上あると、障害等級に該当しても障害年金をもらうことができないのです。
  なお、2026年4月1日前に初診日がある場合の特例として、保険料納付済期間(保険料免除期間も含む)が全被保険者期間の3分の2以上なくとも、直近1年間に保険料の未納がなければ保険料納付を満たしたことになります。

●障害基礎年金の額

1級    993,750円(新規裁定者の場合。既裁定者は990,750円)
2級    795,000円(新規裁定者の場合。既裁定者は792,600円)

  これに18歳未満の子供の数により加算があります。

子供1人          228,700円
〃 2人          228,700円
3人以降 1人につき     76,200円

●障害厚生年金の額

  障害厚生年金の額は、老齢厚生年金の年金額と同じ考え方です。

2級、3級の障害厚生年金の額

平均標準報酬月額 × 7.125/1000 × 加入月数  …A
平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数  …B

年金額=(A + B) × 300/(Aの加入月数 + Bの加入月数)

※加入月数が300月未満の場合はこのようにして求めます。

(3)死亡した人の厚生年金期間が平成15年4月以降のみの場合

平均標準報酬額 × 5.481/1000 × 加入月数

※加入月数が300月未満の場合は300月として計算します。

1級の障害厚生年金の場合

1級の場合は上の2級の金額の1.25倍した額です。

3級の障害厚生年金の計算式は2級の場合と同じですが、1,2級の場合は障害基礎年金を併給できることとのバランス上、3級には596,300円の最低保障額が設けられています(新規裁定者の場合)。上で計算した額が596,300円を下回る場合は自動的に596,300円が年金額になります。

●障害手当金の額

  障害等級の3級にも該当しない障害を負った場合は、障害手当金が支給されます。障害手当金の額は2級の年金額で計算されたものの倍額が一時金で支給されます(最低保障額(新規裁定者の場合):約119万円)。

2023.04.01 (保坂)