全員加入養老保険の満期保険金
Q:養老保険を活用した福利厚生プランに加入していましたが、今年満期を迎えました。今期は利益も上がっており満期保険金は必要ないので保険会社に預けたままにしておきました。課税はどのようになりますか。
A:養老保険が満期を迎えた場合、それまで計上されていた保険料積立金および配当金積立金を取り崩し、受け取った満期保険金との差額を雑収入として経理処理します。
満期保険金3,000万円・支払った保険料2,500万円(1/2が資産計上)・ 積立配当金500万円
借 方 | 貸 方 | ||
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現金・預金 | 3,500万円 | 保険料積立金 | 1,250万円 |
配当金積立金 | 500万円 | ||
雑収入 | 1,750万円 |
満期保険金を保険会社に預けたままにしておいた場合も経理処理は同様になります。 福利厚生プランの場合は、保険料支払時に福利厚生費として支払保険料の1/2を損金算入していますので、満期時には雑収入として益金は大きくなります。 この場合、据置保険金などの勘定科目で経理処理しておく必要があります。
保険料を支払った段階では、法人の損金メリットもありますが、満期保険金を損金として処理できる活用目的もなく満期を迎えた場合は、福利厚生費としていた分だけ雑収入として益金も増加することになります。つまり税負担の軽減ではなく課税時期が満期まで繰り延べられただけになります。
福利厚生プランを導入する段階から、将来発生する満期保険金の活用まで視野に入れ、実際に損金算入できる資金需要がある時期を選んで保険期間を選択する必要があります。その意味でも従業員の退職金準備として従業員の退職時期に合わせて保険期間を選択することが大切になっています。
2023.04.01 (堀)