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生保税務 法人編

定期保険特約付終身保険から定期保険特約付終身保険に転換した場合<定期転換>

Q:現在加入している定期保険特約付終身保険を、保障額を増額するために同種の保険に転換します。このときの経理処理はどのようになりますか。転換方式は定期保険特約部分に一時払保険料として充当されています。また配当金は積立(据置)方法を選択していました。

A:定期転換の場合は次の経理処理をします。

既契約の転換価格(責任準備金等)は今回加入する定期保険特約付終身保険の定期保険特約部分の一時払保険料となります。前払保険料として資産に計上され、期間の経過に応じて保険料として損金算入します。
既契約の保険料は、損金算入可能な定期保険特約や入院特約などの保険料については保険料、資産として計上すべき終身保険料部分が保険料積立金として経理処理されています。配当金は、配当金積立金として資産に計上されています。この資産に計上されている保険料積立金および配当金積立金の合計額と転換価格との差額を、雑収入または雑損失として経理処理します。

<例>定期保険特約付終身保険(月払)に転換した場合

* 契約形態
   契約者:法人  被保険者:役員   死亡保険金受取人:法人

a) 旧契約の保険料積立金 100万円
b) 旧契約の配当金積立金 10万円
c) 転換時の精算配当金 2万円
d) 転換価格(精算配当金を含む) 80万円
e) 定期保険特約の保険期間 10年
f) 契約日 10月1日(決算日-3月末)

転換価格を定期保険特約部分に充当

借 方 貸 方
前払保険料 80万円 保険料積立金 100万円
雑損失 30万円 配当金積立金 10万円

決算時には、期間経過分を損金算入します。

借 方 貸 方
保険料 4万円 前払保険料 4万円

初年度は契約日から決算月までを取り崩します。次年度からは1年分ずつを取り崩していきます。

2023.04.01 (堀)