引受表の記号は、以下の意味を表します。

  • ○…引受可
  • ×…引受不可
  • △…条件付(保険料割増等)
  • 削減…削減
  • R…部位不担保

悪性絨毛上皮腫(アクセイジュウモウジョウヒシュ)

子宮壁に接着する絨毛の上皮が異常増殖してできる悪性新生物で、絨毛癌ともいいます。胞状奇胎の娩出後や流産後に発生しやすく、若年女性に多く見られます。非常に早い時期に肺やその他、子宮膣部・腎臓・肝臓・心臓・胃腸・脳・外陰部・歯ぐき・皮膚など全身の器官に転移を起こしやすいのが特徴です。初期の症状は強度の性器出血・褐色の帯下などが多く、その他に血痰・全身倦怠・嘔吐・貧血などもみられます。

一覧にもどる

胃がん(イガン)

胃の内腔表面をおおう粘膜から生じる悪性新生物を胃がんと呼びます。進行とともに胃壁深くがん組織が浸透していき、やがてリンパ節、肝、腹膜などに転移します。胃痛・嘔気・膨満感などの上腹部症状がみられますが、胃がんに特有の症状はありません。進行すると、吐血や黒色便、貧血による動悸・めまい・体重減少といった全身症状や、胃の幽門付近に進行がんができると食物の通過障害が起きて、嘔吐を繰り返すこともあります。

一覧にもどる

胃粘膜下腫瘍(イネンマクカシュヨウ)

胃粘膜下腫瘍(submucosal tumor; SMT)には、筋原性腫瘍、迷入膵、神経性腫瘍、カルチノイド腫瘍、顆粒細胞腫、悪性リンパ腫、脂肪腫などがあります。いずれも胃内視鏡所見は、胃粘膜表面の隆起性病変として観察されます。表面は平滑なことが多くなっていますが、くぼみや潰瘍がある場合もあります。腫瘍の鑑別診断には超音波内視鏡検査(EUS)やCT検査が有用といわれています。大きさが4~5cm以上になると悪性化懸念により切除手術が行われます。消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor; GIST)も胃粘膜下腫瘍の原因の一つです。

一覧にもどる

咽頭がん(イントウガン)

咽頭がんは上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんに分かれます。原因としてEBウイルス・アルコール・たばこ、食物・環境因子などの因果関係が報告されています。上咽頭がんでは頸部腫瘤と耳症状が最も多い症状です。中・下咽頭がんでは咽頭痛・嚥下痛、嗄声が多くみられ、頸部リンパ節腫大も起こります。上咽頭がんの治療は放射線治療と化学療法を組合わせて行うのが一般的です。中咽頭がんの場合、進行程度により放射線治療や手術治療を行います。下咽頭がんでは手術治療が第一選択となります。咽頭喉頭食道摘出術を行い、空腸などを用いた遊離皮弁や大胸筋皮弁などで下咽頭を再建しますが、喉頭も全摘するため音声機能を失います。

一覧にもどる

イートンランバート症候群

イートンランバート症候群(Lambert-Eaton myasthenic syndrome: LEMS)は、重症筋無力症に似た症状を呈します。原因は肺癌(小細胞癌)に合併する抗VGCC (voltage-gated Ca Channel) 抗体です。この抗体により神経筋接合部でCaチャンネルが作動せずアセチルコリンを放出できないため、重症筋無力症と似た症状となります。

一覧にもどる

ウィルムス腫瘍(ウィルムスシュヨウ)

腎臓にできる特殊な種類の癌で、主に5歳未満の子供に発症します。腹部の腫瘤や腹痛、血尿、外傷等で発見され、軽度の腹部打撲でも腫瘍の膜(被膜)が破れ、腫瘍内の出血や激痛の原因になります。腎芽腫は肺や肝に転移しやすい特徴があります。

一覧にもどる

下垂体腺腫(カスイタイセンシュ)

脳下垂体は前葉と後葉に分かれており多くのホルモンを分泌する内分泌器官です。下垂体腺腫は脳下垂体に出来る脳腫瘍の一種です。症状は、腫瘍が大きくなることによる局所の圧迫症状と、ホルモンの過剰分泌によるホルモン異常症候群とがあります。前者の場合、視神経や視交叉を圧迫することによる視力視野障害や、腫瘍が脳脊髄液の流れを障害して水頭症をきたしたりします。また後者では生産されるホルモンの種類により様々な症状があらわれます。

一覧にもどる

褐色細胞腫(カッショクサイボウシュ)

副腎のクロム親和性細胞由来の腫瘍で、高血圧その他の症状を引き起こす強力なホルモンのカテコールアミンが過剰生産される病気です。非常に重症の高血圧や動悸・過剰な発汗・立ちくらみ・重度の頭痛・胸や胃の痛み・嘔吐・視覚障害・奇妙な死の強迫感などの症状がおこります。

一覧にもどる

がま腫(ガマシュ)

舌下部、口底部に生じた大きな粘液嚢胞をいいます。透明感のある半球状のふくらみで、ガマガエルののどに似ているためこう呼ばれています。唾液腺で作られた唾液が排出障害を起こして、組織中にもれ出し、唾液をためた袋状の病変ができたもので、多くが舌下腺という粘液性の唾液を作る唾液腺に関連して発生します。

一覧にもどる

肝血管腫(カンケッカンシュ)

人間ドックなどの腹部超音波検査によりよく発見される腫瘍です。良性の海綿状血管腫、悪性の血管肉腫と血管内皮腫の3種類に分けられます。肝血管腫は海綿状血管腫が大半です。海綿状血管腫は、健常成人の約10~15%に見られ、大きさは直径1cm未満から20cmまであります。男性より女性に多く、30歳から50歳にピークです。

一覧にもどる

肝腫瘍(カンシュヨウ)

肝臓に発生する腫瘍で、原発性と転移性があります。原発性のものは肝芽腫や肝細胞がんのように悪性のものと、血管腫、過誤腫、嚢腫などの比較的良性のものがあります。肝芽腫は、1歳をピークに乳幼児に発症する病気で、胎生早期の未熟な肝細胞から発生します。原因には、がん細胞の成長を抑制するがん抑制遺伝子の異常や、そこに結合する蛋白質の異常などとの関連が示唆されています。

一覧にもどる

肝臓がん(カンゾウガン)

原発性肝がんと転移性肝がんに大別されます。原発性肝がんは、肝細胞がんが約90%、胆管細胞がんが約5%を占め、残りには肝細胞芽腫、肝細胞・胆管細胞混合がん、未分化がん、胆管嚢胞腺がん、カルチノイド腫瘍などが含まれます。主要な発生要因は肝炎ウイルスの持続感染です。肝細胞で長期にわたって炎症と再生がくり返されるうちに、遺伝子の突然変異が積み重なり、肝がんへの進展にいたると考えられています。肝がんに特有の症状は少なく、肝炎・肝硬変などによる肝臓の障害としての症状が主なものとなります。

一覧にもどる

巨細胞腫(キョサイボウシュ)

巨細胞性増殖を特徴とする骨・軟部腫瘍の一群で、腱鞘巨細胞腫、骨巨細胞腫、巨細胞性修復肉芽腫、動脈瘤様骨嚢胞、軟骨芽腫などがあります。

一覧にもどる

結節性甲状腺腫(ケッセツセイコウジョウセンシュ)

甲状腺の局所が部分的に腫れている状態、つまり甲状腺にしこりがある状態をいい、ほとんどの場合は自覚症状がありません。結節性甲状腺腫には良性のものと悪性のものがあります。良性結節としては、腫瘍性の細胞増殖による腺腫があり、大半は甲状腺機能が正常ですが、一部、機能性結節の場合はバセドウ病と類似症状を起こします。
その他、複数の結節が甲状腺内にできる腺腫様甲状腺腫、甲状腺の内部に液状に変化した部分がある甲状腺嚢胞などがあります。悪性結節としては、増殖している腫瘍細胞の種類により、乳頭癌・ろ胞癌・未分化癌・髄様癌に分類される甲状腺癌、また悪性リンパ腫などがあります。

一覧にもどる

腱鞘巨細胞腫(ケンショウキョサイボウシュ)

腱鞘巨細胞腫は、四肢末梢の関節および腱鞘周辺に好発する軟部腫瘍です。脂肪腫、神経鞘腫に次いで多い疾患です。圧倒的に手指の指節間関節周囲の腱鞘に隣接して発生します。手指関節以外では膝関節、股関節、手関節、肘関節での発生があります。

一覧にもどる

甲状腺がん(コウジョウセンガン)

甲状腺がんは甲状腺の上皮細胞由来の悪性腫瘍で、30歳代から50歳代の女性に多いです。しこりがあるだけで、ほかには何も自覚症状がないのが特徴です。甲状腺腫のうち結節性甲状腺腫の1つです。病理組織学的に次の4つに分類されます。乳頭癌、濾胞癌、髄様癌、未分化癌、悪性リンパ腫があります。甲状腺がんの80%が乳頭癌です。

一覧にもどる

喉頭癌(コウトウガン)

声帯のある声門、それより上を声門上、下を声門下と呼び3つの部位に分類されます。がんの発生部位により初期症状は異なりますが、最も多い声門がんでは、ほぼ全ての症例で嗄声がみられ、進行すると声門が狭くなる為に呼吸困難症状が現れ、血痰が出る場合もあります。喫煙との因果関係が明らかになっている他、飲酒歴や胃食道逆流症の影響も指摘されています。

一覧にもどる

肛門がん(コウモンガン)

肛門の入り口から約3cmにわたる肛門管に生じるがんを総称して、肛門がんといいます。大腸がんと比較し頻度は4%%程度となります。原因は解明されていませんが、コンジローマ・パピローマウイルス感染、複雑痔ろう等が関係すると考えられています。主な症状は、しこり、かゆみ、出血、疼痛、粘液分泌、便通異常などです。また、これらの症状なく鼠径部のリンパ節の腫れがみられることもあります。一般に大きさが2cm以下でリンパ節転移を伴わなければ、予後は比較的良好です。早期発見の場合は、局所切除+放射線治療で肛門温存療法も可能ですが、進行した場合には人工肛門の手術が必要となります。

一覧にもどる

骨腫(コツシュ)

正常の骨皮質と同様の組織が塊となって腫瘤を形成したものをいいます。顕微鏡検査では、正常骨組織の過形成として観察されます。症状はほとんどなく、多くの場合は他の原因でX線検査を行った際に偶然見つかります。良性骨腫瘍であっても骨折の原因となることもあることから掻把手術などが行われます。

一覧にもどる

骨髄異形成症候群(コツズイイケイセイショウコウグン)

血液細胞のがんの1つで、白血球・赤血球・血小板の血液細胞のおおもとになる、造血幹細胞が異常を起こす病気です。末梢血で赤血球・血小板の減少、白血球数の異常(減少や増加)などの血液細胞数の異常がみられます。治療としては完治の可能性がある造血幹細胞移植、急性骨髄性白血病に準じた治療の抗がん剤治療、免疫抑制療法、ビタミン療法、輸血などの支持療法があります。

一覧にもどる

骨髄腫(コツズイシュ)

血液を作る骨髄のなかで、抗体を作る形質細胞(Bリンパ球)が、がん化したものです。血液細胞の腫瘍なので、全身の骨に多発し、通常は多発性骨髄腫と呼ばれます。主症状は、加齢的変化による腰痛や頸部痛などに似た痛みが徐々に悪化し、痛みの場所が移動することもあります。脊椎の圧迫骨折が見られることもあります。

一覧にもどる

子宮がん(シキュウガン)

子宮がんは比較的若い女性に多い子宮頸がんと、年配に多い子宮体がんに分かれます。初期症状は現れにくく子宮体がんは不正出血、子宮頸がんは不正性器出血・帯下の増加などがあり、進行がんでは下腹部痛・腰痛・下肢痛や血尿・血便・排尿障害が現れます。転移した場合は骨盤の中に広がりやすく、腹部への転移や肺・肝臓、骨・脳等への転移症例もあり、遠隔部位への転移の場合は、切除以外の方法がとられることもあります。生存率は5年といわれており、5年経過後は再発率はかなり低くなります。

一覧にもどる

GIST(ジスト)

GIST(gastrointestinal stromal tumor)は、胃・小腸・食道・腸間膜・大腸に発生する消化管間質性腫瘍の1つで、悪性腫瘍と考えられています。好発年齢は50歳~60歳代で、部位としては胃が一番多いです。胃がんや大腸がんと比較して症状は少ないです。腫瘍径の小さいうちに切除手術が行われます。

一覧にもどる

脂肪腫(シボウシュ)

皮下脂肪組織が局所的に増殖したもので、良性腫瘍の一種です。痛みのない瘤として意識され、長期間にわたり徐々に大きくなります。症状は全く無く、化膿することもありません。比較的40~50代の女性に多く、大部分が単発性で好発部位は背中・肩・臀部周辺の皮下組織です。診断にはCTやMRIなどの画像診断などが使用されますが、最終的には組織検査などで決定します。脂肪腫が小さい場合は経過観察、体の比較的目立つ部分に発生した場合は手術による除去が行われます。5cm以上、また短期間に成長する場合は、悪性腫瘍である脂肪肉腫と鑑別を目的として組織採取する手術を行います。

一覧にもどる

縦隔腫瘍(ジュウカクシュヨウ)

縦隔内に発生した腫瘍をいい、上縦隔には甲状腺腫が、前縦隔には胸腺腫と奇形腫、中縦隔にはリンパ性腫瘍・気管支嚢腫・心膜嚢腫が、後縦隔には神経性腫瘍が発生しやすくなっています。発生年齢も悪性度も良性からがんまで多様です。発生頻度は胸腺腫が最も多く、次いで奇形腫、神経性腫瘍となっています。縦隔腫瘍の約半数は無症状のため、健康診断などの胸部X線検査で偶然発見されます。腫瘍の増大により気道や食道への圧迫・浸潤を起こし咳・血痰・呼吸困難・嚥下障害などを引起します。その他浸潤する部位により神経痛・上大動脈症候群・重症筋無力症など様々な症状を引起します。治療は早期手術が原則ですが、悪性リンパ腫であれば、抗がん剤による化学療法が行われます。

一覧にもどる

絨毛癌(ジュウモウガン)

子宮壁に接着する絨毛の上皮が異常増殖してできる悪性新生物です。胞状奇胎の娩出後や流産後に発生しやすく、若年女性に多く見られます。非常に早い時期に全身の器官に転移を起こしやすいのが特徴です。初期症状の多くは強度の性器出血・褐色の帯下などが発生します。

一覧にもどる

小脳血管芽腫(cerebellar hemangioblastoma)(ショウノウケッカンガシュ)

小脳に発生する増殖の遅い良性腫瘍で、異常に増殖した血管組織から構成されます。遺伝性の多発例はフォンヒッペルリンドウ病(von Hippel Lindau disease)と呼ばれます。

一覧にもどる

上皮内癌(ジョウヒナイガン)

上皮内がん(carcinoma in situ)は、上皮内新生物(intraepithelial neoplasia)あるいは上皮内腫瘍ともいいます。まだ上皮細胞と間質細胞(組織)を境界する膜(基底膜)を破って浸潤していない癌または腫瘍を指します。浸潤していないので切除すれば治癒可能です。胃、子宮頚部、大腸、皮膚、膀胱などの上皮内がんがあります。

一覧にもどる

食道がん(ショクドウガン)

約半数が食道の真ん中から、次に食道の下部に発生し、90%以上が扁平上皮癌です。その他に頻度はまれですが、未分化細胞癌・癌肉腫・悪性黒色腫や、筋層などの細胞から発生する消化管間質腫瘍も発生することがあります。食道は気管・気管支や肺、大動脈、心臓などの臓器が近接している為、がんが進行するとこれら周囲臓器へ広がります。確立したリスク要因としては喫煙と飲酒があり、また、熱い飲食物が食道粘膜の炎症を通して食道癌のリスクを上げるといわれています。

一覧にもどる

神経鞘腫(シンケイショウシュ)

神経のなかに発生する、極めて特徴的な腫瘍であり、多発することもあります。発生原因は不明ですが、神経の線維を覆っているシュワン細胞が起源といわれています。蛇が卵をのみ込んだような形で神経のなかに腫瘍ができ、腫瘍部分をたたくと、その先の手や足に電気が走ったような痛みを生じるチネル徴候があります。中枢神経系と末梢神経系の神経鞘腫に分けられます。下記は、聴覚神経の神経鞘腫など中枢神経系(脳と脊髄)に対する目安です。

一覧にもどる

神経線維腫症(シンケイセンイシュショウ)

皮膚・神経を中心に人体の多くの器官に神経線維腫をはじめとする様々な異常を生じる遺伝性の病気で、レックリングハウゼン病とよぶこともあります。神経線維腫症1型は神経線維腫と呼ばれる腫瘍や色素斑など皮膚症状が強く、神経線維腫症2型は両側の聴神経の腫瘍を主体に皮膚病変の少ないタイプの2種類があります。

一覧にもどる

腎臓がん(ジンゾウガン)

腎実質の細胞が悪性化して癌になったものを、腎臓癌(腎癌、腎細胞癌、腎腺癌)と呼び、比較的リンパ節に転移しやすくなっています。50~60歳代の男性に多く、また、腎不全のために人工透析を長期に渡って受けている人、喫煙者、塗装工・金属加工業・化学物質を多く取り扱う人はリスクが上がると考えられています。抗がん剤・外科手術などの治療法がありますが、腎臓は二つあるため摘出手術も行われます。

一覧にもどる

膵臓がん(スイゾウガン)

一般的に浸潤性膵管がんのことをいい、発生する部位により、膵頭部がん・膵体部がん・膵尾部がんに分類されます。膵臓周囲には太い血管やリンパ節が存在しているため、これらにがんが浸潤することで全身にがんが転移しやすくなります。リスク要因として、糖尿病、慢性膵炎など、膵臓障害と深い関わりがあり、また、喫煙との関係も指摘されています。

一覧にもどる

髄膜腫(ズイマクシュ)

脳を包む硬膜から発生し、脳を圧迫しながらゆっくり大きくなる腫瘍の総称です。大脳の表面にできた場合にはてんかん発作、半身麻痺、精神症状などがおこり、頭蓋底部に発生した場合には視野障害、視力障害、複視などの目の症状がおこるなど、腫瘍が発生する部位により症状は様々です。症状は脳腫瘍の増大に伴い、徐々に強くなっていきます。

一覧にもどる

星細胞腫(セイサイボウシュ)

脳の主要な構成細胞である星細胞から発生する腫瘍を星細胞系腫瘍といい、星細胞腫・退形成性星細胞腫・膠芽腫の三つに分類されます。一般的な癌との大きな違いは、脳から他の臓器へ転移しないことです。局所症状は、腫瘍によって脳の一部が壊されたり脳が圧迫されたりしてでる運動麻痺・症候性てんかん・失語症・視野障害・知能や記憶力の低下・性格変化など様々です。また、頭蓋内圧亢進症状は腫瘍による圧迫で、頭痛・吐き気・嘔吐・意識障害などがおきます。

一覧にもどる

精巣癌(セイソウガン)

精巣は精子と男性ホルモンを造る男性固有の臓器で、精巣がんは細胞の種類によって大きくセミノーマと非セミノーマに分けられます。後者の方が転移を起こしやすく、より悪性の経過をとります。原因不明ですが、停留精巣患者は精巣固定術施行の有無に関わらず一般男子に比べ3~14倍のリスクを有します。

一覧にもどる

声帯ポリープ(セイタイポリープ)

のど仏の裏側、喉頭にある声帯の粘膜が一部腫脹または突出したものです。声を出す器官である声帯に、激しい刺激や炎症が起きると粘膜上皮下に出血が起きてしまい、粘膜上皮下の血管が破れて血腫を作る事が原因となります。ポリープの大きいものでは、呼吸困難をきたすことがあります。

一覧にもどる

舌がん(ゼツガン)

口腔がんの一つです。舌前方と舌下面の範囲で発生する腫瘍で、好発部位は舌の両側縁です。初期症状は白斑や紅斑を含むびらんや潰瘍であり、進展するに従い結節等も認められます。発症要因として、飲酒や喫煙などの化学的な慢性刺激、歯による機械的な慢性刺激などがあげられます。

一覧にもどる

セミノーマ(セミノーマ)

通常良性の片側性孤立性の精巣腫瘍です。受精後の初期のまだそれぞれの細胞が全く成熟、分化、機能を持たない時期の細胞を胚細胞といい、そこから発生した胚細胞腫瘍の一つです。肺・骨・肝臓・脳に転移することがあります。

一覧にもどる

前縦隔腫瘍 (Anterior mediastinal tumor)(ゼンジュウカクシュヨウ)

心臓、大血管、気管、食道を除いた縦隔内に発生する腫瘍をいい、いろいろな組織型があり良性と悪性の腫瘍があります。頻度としては胸腺腫がもっとも多く、そのほか、神経性腫瘍、奇形腫、先天性嚢胞、リンパ性腫瘍、甲状腺腫瘍などの順でみられ、約4分の1が悪性腫瘍といわれています。

一覧にもどる

前立腺癌(ゼンリツセンガン)

前立腺の外側にある被膜から発生する癌で、様々な組織型の悪性腫瘍を生じますが、殆どは腺癌です。50歳以降に発症する場合が多く、45歳以下での罹患の場合は家族性のことが多くなっています。症状は前立腺肥大症と同様なものが多く、頻尿・切迫尿意・夜間頻尿を生じます。進行すると排尿困難、残尿感がおこり、さらに尿閉や全身の骨やリンパ節などに転移した場合は癌性疼痛・貧血を生じます。

一覧にもどる

大腸癌(ダイチョウガン)

盲腸・結腸・直腸を含む大腸に発生する癌腫のことをいいます。大腸の壁は粘膜・粘膜下層・筋層にわかれており、粘膜内や粘膜下層までの癌の場合は内視鏡切除や手術で完治します。卵巣癌・子宮癌・乳がんに罹患した既往歴がある人、家族性大腸腺腫症で全大腸切除を施されない場合、潰瘍性大腸炎に長期罹患で寛解がコントロールされていない症例、その他、過体重・肥満、加工肉、飲酒などがリスク要因としてあげられます。

一覧にもどる

大腸ポリープ(ダイチョウポリープ)

大腸の限局性の隆起性変化と定義されます。腺腫性ポリープは大腸上皮の腫瘍性増殖によって生じ、前がん病変ともいわれいます。増大するとがん化の危険率も増します。一方、過形成性ポリープは上皮の過形成によって生じる粘膜の隆起性病変をいい、がん化の危険性は極めてまれです。手術は大腸内視鏡によるものが一般的です。いずれにしても病理組織診断書がなければ良性悪性の区別はつきませんので、主治医診断書を取寄せることが大事です。

一覧にもどる

唾液腺腫瘍(ダエキセンシュヨウ)

唾液腺には耳下腺・顎下腺・舌下腺の大唾液腺と、口腔内の小唾液腺とがあり、大部分が大唾液腺に発生します。良性腫瘍では多形性腺腫・ワルチン腫瘍が多く、悪性腫瘍では粘膜表皮癌・腺房細胞癌・腺様嚢胞癌・腺癌があります。原因不明で誘因も定かではありません。最も多い症状は、腫脹・膨隆・腫瘤の形成です。悪性は比較的急速に増大し疼痛がおこり、進行すると顔面神経麻痺などの神経症状や顎骨・皮膚・粘膜に浸潤して潰瘍を形成します。

一覧にもどる

胆管がん(タンカンガン)

胆管の上皮から発生する悪性腫瘍で、発生部位により、肝内胆管がんと肝外胆管がんの2種類に分けられます。食欲不振・全身倦怠感・腹痛・黄疸などが主症状で、がんで胆管内腔が閉塞し胆汁が流れなくなると黄疸、腸内に胆汁が流れなくなると白色便がおこり、その他黄疸尿やかゆみが起ります。胆石症・胆管炎・膵胆管合流異常症などの胆道疾患や潰瘍性大腸炎、クローン病が危険因子として知られています。

一覧にもどる

単純性甲状腺腫(タンジュンセイコウジョウセンシュ)

甲状腺機能亢進症状や低下症状の症状や腫瘍(結節)がなく、単に甲状腺が腫脹している場合を言います。血中甲状腺ホルモン量は、甲状腺の組織の代償性肥大で殆どが正常です。症状は甲状腺組織がびまん性腫脹をしており、稀ですが腫張が大きくなると気管や食道を圧迫したり、えんげ困難や喘息を来すことがあります。

一覧にもどる

胆嚢がん(タンノウガン)

胆嚢から発生する悪性腫瘍で、初期では併存する胆石症や胆嚢炎による腹痛や発熱などの症状が出現しても、がん自体による特徴的な症状がない為に早期に発見されることが少なく、有効な治療法に乏しいため、予後の悪い癌といわれています。進行して胆道を圧迫するようになると、血清ビリルビンやALPが異常高値となり、さらに進行すると黄疸が出ることがあります。腫瘍マーカーであるがん胎児性抗原(CEA)やCA19-9の数値が高値になります。

一覧にもどる

胆嚢ポリープ(タンノウポリープ)

胆嚢の周囲の粘膜面と区別できる、2cm以下の限局性の粘膜の盛り上がりをいい、腫瘍性のポリープと非腫瘍性のポリープとがあります。殆どの場合、症状が現れることはありませんが、できる場所や大きさによって腹痛や不快感などが現れる場合もあります。上腹部痛などが現れる場合は胆石や胆嚢炎などが原因のことが多くなっています。一般に手術は腹腔鏡下胆嚢摘出術が実施されます。

一覧にもどる

膣癌(チツガン)

女性性器がんの約1%を占めるまれな疾患です。扁平上皮がんと腺がんという2種類の組織型があり、大部分は扁平上皮がんです。その他の分類として膣から発生した原発性がんと、他の臓器(子宮・外陰・膀胱・直腸など)から転移してきた転移性がんがあります。最も多い症状は生理以外の出血や帯下ですが、排尿時の違和感や痛み、性交時の痛み、下腹部痛なども起こります。

一覧にもどる

直腸癌(チョクチョウガン)

肛門までの10センチ前後の粘膜にできた悪性の腫瘍で、腺腫性のポリープから発生するものが大部分です。主症状は血便ですが、滞便・便秘・下痢などもみられます。食物繊維の摂取不足と動物性脂肪の摂取増加が要因としてあげられます。その他に、排便時の硬い便の刺激などにより、がんの前身であるポリープを発生すると考えられています。

一覧にもどる

直腸ポリープ(チョクチョウポリープ)

直腸粘膜上皮に生じた限局性の隆起病変です。きのこ状の茎のある有茎性のものと無茎性のものとがあり、病理組織的分類では腫瘍性と非腫瘍性に分類されます。大腸がん・直腸がんの発生と同じく、動物性脂肪や蛋白質の消費と関係があるといわれていますが、原因についてはわかっていません。無茎性、腫瘍性の中の腺腫性、サイズが1cm以上のものはがん化しやすくなります。

一覧にもどる

チョコレートのう腫(チョコレートノウシュ)

卵巣にできた子宮内膜症が毎月の生理のたびに出血し、卵巣内に血が貯まった状態をいいます。症状は年々ひどくなる月経痛、月経時以外にもおこる下腹部痛・腰痛、直腸と癒着した場合は排便痛、不妊症などがあります。

一覧にもどる

デスモイド腫瘍(デスモイドシュヨウ)

骨格筋の結合織・筋膜・腱膜から発生する腫瘍です。線維腫症の一種で類腱腫とも呼ばれます。遠隔転移することはありませんが、浸潤性に増殖し局所再発を繰り返すことが多いため、悪性・良性の境界に位置する腫瘍と考えられています。発生原因については、手術や外傷などによる組織損傷、内分泌的影響、遺伝子異常などが挙げられていますが、明らかではありません。

一覧にもどる

頭蓋咽頭腫(トウガイイントウシュ)

頭蓋底正中部に発生する良性腫瘍で、臨床的には視力・視野障害あるいは内分泌障害などで発症します。視床下部、脳下垂体、頚動脈、動眼神経、脳幹部、脳底動脈に囲まれているからです。

一覧にもどる

軟部肉腫(ナンブニクシュ)

体の軟部組織から発生した悪性腫瘍のことをいい、軟部とは、体の肺や肝臓などの実質臓器と支持組織である骨や皮膚を除いた筋肉、結合組織(腱)、脂肪、血管、リンパ管、関節、神経を指します。この腫瘍は、手足、体幹、頭頸部など体のいろいろな部位に発生します。

一覧にもどる

肉腫(ニクシュ)

骨・軟骨・脂肪・筋肉・血管等といった非上皮性細胞由来の結合組織細胞に発生する悪性腫瘍をいいます。組織学的には、非上皮性要素の肉腫実質が間質の結合織と密に入り混じって認められ、上皮性腫瘍に属する癌にみられるような実質と間質との明瞭な区別を示さないのが特徴です。分類的には、未分化肉腫・単純肉腫と、線維組織や脂肪組織などの一定の非上皮性組織に類似した組織構造を呈する群とに分けられ、後者には線維肉腫・脂肪肉腫・筋肉腫・軟骨肉腫・骨肉腫・血管肉腫などが含まれます。

一覧にもどる

乳がん(ニュウガン)

乳腺を構成している乳管や小葉の内腔を裏打ちしている上皮細胞から発生します。がん細胞が乳管や小葉の中にとどまっているものを非浸潤がん・乳管内がん、乳管や小葉を包む基底膜を破って外に出ているものを浸潤がんといい、この他、非浸潤がんが乳管が開口している乳頭に達して湿疹様病変が発生するパジェット病の3種に大別されます。

一覧にもどる

乳腺葉状腫瘍(ニュウセンヨウジョウシュヨウ)

急速に増大することが特徴の乳腺腫瘍です。この腫瘍は適切な処置を行わなければ再発を来し、再発すれば悪性度が増すこともあるため、腫瘍とその周辺の乳腺を含めた切除が必要となります。

一覧にもどる

肺癌(ハイガン)

肺に発生する上皮細胞由来の悪性腫瘍で、90%以上が気管・気管支、細気管支あるいは末梢肺由来の気管支原性癌です。リスク要因として、喫煙習慣・アスベスト・シリカ・砒素・クロム・コールタール・放射線・ディーゼル排ガスなどが挙げられます。咳・胸痛・喘鳴・息切れ・血痰・嗄声・顔や首のむくみなどが現れます。

一覧にもどる

肺嚢胞(ハイノウホウ)

発生原因が明らかな肺内の炎症・膿瘍・腫瘍などによる空洞を除く肺内の異常空間をいい、先天的原因により生じます。自覚症状は殆どなく、嚢胞は長期間に徐々に拡大していきます。しかし、拡大により周囲組織への圧迫が起こると呼吸困難をおこし、嚢胞が破裂すると細菌感染や自然気胸を起こします。まれに全身への影響のみられるものには嚢胞、肺の切除を行うこともあります。

一覧にもどる

皮膚がん(ヒフガン)

表皮(角質層・顆粒層・有棘層・基底層)、真皮(血管・神経・毛包・脂腺・汗腺・立毛筋)などの組織を構成する細胞が悪性化したものを総称して皮膚がんと呼びます。紫外線の浴びすぎ、放射線の大量被曝、火傷・傷の瘢痕、長期間にわたる感染症の反復などが原因としてあげられます。

一覧にもどる

非ホジキンリンパ腫(ヒホジキンリンパシュ)

白血球の中のリンパ球ががん化した悪性腫瘍である悪性リンパ腫のうち90%近くを占める疾患です。頸部・腋の下・足のつけ根などのリンパ節がはれてくることが多く、通常は痛みを伴いません。病気が全身に拡がるタイプでは、発熱・体重減少・寝汗・身体のだるさ・かゆみなどがみられることがあります。

一覧にもどる

粉瘤(フンリュウ)

新陳代謝によって表皮から剥がれ落ちる垢などの老廃物が、皮膚内部に溜まることによりできる良性の嚢胞性病変の総称で、表皮嚢胞・類表皮嚢胞とも呼ばれます。真皮層に入り込んだ表皮細胞は袋状の壁を形成し、その中に垢などの老廃物が蓄積され、徐々に大きくなりシコリとして触れます。免疫力低下時などに、感染を起こして膿が溜まり化膿したり、炎症反応を起こす事もあります。粉瘤に炎症が起こった状態を炎症性粉瘤、または感染性粉瘤といいます。手術による除去が基本的な治療法です。化膿している場合は、切開とともに抗生物質の投与も行われます。また、まれに化膿や炎症の繰返しにより皮膚癌が発生することもあります。

一覧にもどる

ページェット病(Paget)(ページェットビョウ)

乳房・腋窩・会陰部・肛門周囲などに発生する上皮内癌で、進行するとページェット癌になります。乳房部では、乳管浅部がんの皮膚への浸潤、その他、外陰部や肛門の周囲や腋窩に生じます。境界が比較的はっきりした淡紅色から褐色調、またはびらんや粉(鱗屑)をのせた斑状局面としてみられ、進行すると斑状局面が大きくなり一部が硬くなったり盛り上がってきて、リンパ節転移や血行転移を生じるようになります。

一覧にもどる

膀胱癌(ボウコウガン)

膀胱の移行上皮ががん化することによって引きおこされます。確立されたリスク要因は喫煙、職業性曝露によるナフチルアミン・ベンジジン・アミノビフェニルなどがあげられます。初発症状として肉眼的血尿・排尿痛などがおこり、進行するとがんが広がり尿管口を閉塞して水腎症を発症し背部痛などが起こります。

一覧にもどる

ホジキンリンパ腫(ホジキンリンパシュ)

悪性リンパ腫の一分類で、病理組織学的にはホジキン細胞あるいはリード=シュテルンベルク細胞等を認めるのが特徴的です。症状は表在リンパ節腫大(首のつけね、脇の下、足のつけねなどのしこり)・体重減少・発熱などがあります。

一覧にもどる

ポリープ(ポリープ)

一般にポリープとは、病理学的に粘膜(上皮細胞)に覆われた管腔臓器に発生する隆起性病変の総称です。最も発生頻度の多いのは胃や結腸直腸など消化管の粘膜にできるポリープです。胃ポリープ、大腸ポリープ、食道ポリープ、喉頭ポリープ、膀胱ポリープ、頚管ポリープ、子宮ポリープなどがあります。良性・悪性の区別は病理組織診断によります。

一覧にもどる

ボーエン病(ボーエンビョウ)

皮膚または粘膜の表皮内部に生じる癌の一つで、表皮内に病変が留まっているものをいいます。体幹部や下肢、陰部に多く発生し、日光照射、ヒ素中毒、免疫抑制状態(エイズなど)、ウイルス感染、皮膚傷害、慢性皮膚炎が原因となります。ヒ素による場合は、手のひらと足の裏の角化、体の色素沈着と点状白斑、爪の線状色素沈着などの皮膚症状がみられ、皮膚以外にも肝がん、肺がん、膀胱がんなどの内臓悪性腫瘍を合併します。

一覧にもどる

メラノーマ

皮膚に発生する皮膚がんの一つであり、その中でも最も悪性度が高い疾患です。皮膚の色と関係するメラニン色素を産生するメラノサイト、あるいは母斑細胞が悪性化した腫瘍と考えられています。悪性黒色腫と呼ばれることもあります。皮膚のどこにでも発生しますが、足底が最も多く、それに体幹、顔面、爪が続きます。

一覧にもどる

ランゲルハンス細胞組織球症(ランゲルハンスサイボウソシキキュウショウ)

肺好酸球性肉芽腫症、ハンド・シュラー・クリシチャン病、レテラー・シーベ病の3疾患を合わせて、ランゲルハンス細胞組織球症(ヒスチオサイトーシスX)と呼びます。本疾患は、自然寛解の症例から進行性で呼吸不全で死亡する症例まであります。また、悪性腫瘍の合併が予後を左右します。悪性リンパ腫・白血病・肺癌の合併頻度が高くなっています。

一覧にもどる

卵巣がん(ランソウガン)

卵巣がんで一番多いものは、卵巣の表層上皮性細胞から発生する悪性新生物です。卵巣胚細胞腫瘍がこれに続きます。卵巣がんの年齢別罹患率をみると、50歳代前半が好発年齢で、更年期から閉経後の女性に発症しやすいです。卵巣がんの死亡率が高いのは、その早期発見が難しく、転移してから受診される患者さんが多いからです。卵巣がんの治療としては、手術療法、化学療法があります。

一覧にもどる

リポーマ

脂肪が蓄積した軟らかいしこりで、皮下にできて円形や楕円形のこぶ状になります。皮下軟部腫瘍の一つです。体のどこにでもできますが、好発部位は前腕部・胴体・首の後ろで、数も1個~多数までさまざまです。これができても体に害を及ぼすことはほとんどありませんが、神経を圧迫する部分にできてしまうと痛む場合もあります。腫瘍が大きくなったら摘出手術をします。

一覧にもどる