引受表の記号は、以下の意味を表します。

  • ○…引受可
  • ×…引受不可
  • △…条件付(保険料割増等)
  • 削減…削減
  • R…部位不担保

アキレス腱断裂(アキレスケンダンレツ)

アキレス腱は下腿三頭筋の腱部分で踵骨というかかとの骨に付着しており、足首を足底側に曲げる働きをします。スポーツ選手や中高年の人が急にスポーツをした場合に、とくに踏み込み動作やジャンプの着地などで発生することが多いです。断裂していても歩行や足首を足底側に曲げることは可能ですが、ギプス固定等の保存療法もしくは手術療法が必要となります。

一覧にもどる

イタイイタイ病(イタイイタイビョウ)

カドミウムの慢性中毒により、腎臓の尿細管の再吸収障害、骨の軟化症および骨粗鬆症を来し、これに妊娠、授乳、内分泌の変調、老化および栄養としてのカルシウム等の不足などが誘因となって生じたものです。主症状は疼痛で、腰痛や下肢の筋肉痛などで始まって次第に各部に広がり、体を動かす・咳をする等で激しい痛みを訴えるようになります。

一覧にもどる

ウイルス性筋炎(ウイルスセイキンエン)

ウイルス性筋炎は、インフルエンザ、コクサッキー、パラインフルエンザ、エコー9、アデノ21、単純ヘルペスタイプ2、EBなどのウイルス感染で引き起こされることがあります。インフルエンザ筋炎は、小児良性急性筋炎型、急性筋炎型、横紋筋融解型に分類されています。ウイルス性筋炎では、CPKが高値になることが多いです。小児良性急性筋炎型はインフルエンザB型で多く発症し、腓腹筋の痛みが朝の目覚めや昼寝の後に気づき、ときに大腿部におよんで歩行が不可能になりますが、1週間程度で改善します。急性筋炎型は四肢の筋群の筋痛や脱力で始まり、回復するのに2~4週かかるものを言います。横紋筋融解型はミオグロビン尿による急性腎不全、意識障害、DICを発症したりする重症型です。

一覧にもどる

オスグッド・シュラッター病(オスグッド・シュラッタービョウ)

サッカーやバスケットボールなどのスポーツをする中学生や高校生に多く見られ、膝の脛骨が出っ張って痛むという骨軟骨炎です。様々なスポーツでジャンプや屈伸を行うことにより、大きな衝撃が膝付近に生じるために炎症が生じ、脛骨粗面に存在する骨端核に機械的牽引力がかかり引き起こされます。

一覧にもどる

オリエ病(オリエビョウ)

四肢、とくに下肢骨の変形と長さの成長障害をきたす先天性の発育異常で、遺伝性はなく、幼児期に発病します。四肢に変形をきたして短縮するため、足を引きずるようになったり、骨端部がふくれ、指骨に腫瘤ができて関節運動が制限されたりします。足挿板その他の補助器の使用や、発育停止後の骨の変形には、矯正骨切り術などを行う必要があります。

一覧にもどる

外傷性頸部症候群(ガイショウセイケイブショウコウグン)

一般にはむち打ち症と呼ばれており、胴体の上に不安定な状態で乗っている頭部が、強い衝撃により躯幹とは別のS字形の動きを強いられた為に様々な症状が出現する疾患です。首筋・背中・肩のこりや痛み、耳鳴り・頭痛・めまい・吐き気などの不定愁訴が出現することが多くなっています。

一覧にもどる

外反母趾(ガイハンボシ)

親指が変形し小指の方へ曲がっている状態をいい、足の横アーチを形成している中足関節の靭帯が緩むことが原因です。親指が小指側に曲がる靭帯性外反母趾、親指の付け根の骨だけが出っ張る仮骨性外反母趾、靭帯性外反母趾と仮骨性外反母趾が合併した混合性外反母趾、先天的要素がある人が起こりやすいハンマートゥ性外反母趾、病的要素やケガが加わり著しい変形や脱臼を伴っている病変性外反母趾などがあります。治療としては、DLMO(デルモ)法という第1中足骨遠位骨切り術を、軽症から中程度までの外反母趾に対して行います。

一覧にもどる

関節ねずみ(カンセツネズミ)

関節の骨や軟骨の一部がはがれ、関節内を自由に動く遊離体で「関節遊離体」とも言います。関節の間に挟まって肘や膝が動かなくなるロッキングが特徴的な症状です。炎症症状を引き起こし時として激しい痛みを伴います。関節ねずみの原因としては骨軟骨骨折・滑膜骨軟骨腫症・剥離性骨軟骨炎・変形関節症などがあります。治療法は関節鼠摘出術(K067)で遊離体を取除く方法が基本です。滑膜が炎症を起こしている場合には併せて滑膜切除術が行われます。

一覧にもどる

ぎっくり腰(ギックリゴシ)

重いものを持った時や急な体幹の捻転時に起こる急性の腰痛を指す通称で、正しくは急性腰痛症といいます。筋肉の酷使・突発的な限界を超える運動要求などが原因で、筋肉と筋幕に痛みが発症する筋・筋幕性の腰痛、椎間板と椎骨とを繋げている椎間関節の連結部分が捻挫による腰痛、腰椎の椎骨の間にある椎間板が外に飛び出してしまった椎間板ヘルニアによる腰痛などがあげられます。

一覧にもどる

臼蓋形成不全(キュウガイケイセイフゼン)

股関節は骨盤側の臼蓋と呼ばれる関節面と、大腿骨頭の関節面が合わさって形作られています。この大腿骨頭を抑える臼蓋の骨形成が不良であり、股関節痛を起こす病気です。股関節が先天性に脱臼・亜脱臼している場合に、臼蓋の成長が妨げられたり、脱臼した大腿骨頭からの圧迫で変形が生じます。臼蓋と大腿骨間で摩擦が生じ、軟骨に負担を掛けることで関節を消耗し、股関節に炎症が起き鈍痛~激痛を伴います。

一覧にもどる

強直性脊椎炎(AS)(キョウチョクセイセキツイエン)

強直性脊椎炎は、頸部~背部~腰殿部、時に手足の関節の痛みやこわばりで始まり、次第に動かなくなる慢性の病気です。原因不明ですが、遺伝的な要因に加えてなんらかの細菌感染が誘因となり、それに対する免疫異常が生じた結果、関節を連結する靱帯の骨への付着部の炎症が生じると考えられています。眼疾患(虹彩炎)、腸疾患(クロ-ン病、潰瘍性大腸炎)、皮膚疾患(乾癬、掌蹠膿疱症)などを合併することがあります。

一覧にもどる

頚椎症(ケイツイショウ)

椎間板の変性・椎間関節の変性・靭帯の変性などの頚椎症性変化により引き起こされる症状をいい、頚椎症性神経根症・頚椎症性脊髄症・局所症状例に分類されます。椎症性神経根症は頚髄から枝分かれした頚神経根(神経の根元)が圧迫され、首~肩~腕~指への痛み、シビレ感、筋力低下などをもたらします。一方、頚椎症性脊髄症は脊髄が圧迫され神経麻痺を来たす状態をいい、上肢の痛み、シビレ感、筋力低下、運動障害、直腸膀胱障害などを起こします。

一覧にもどる

頚椎捻挫(ケイツイネンザ)

交通事故、スポーツなど何らかの原因で首が不意に衝撃を受け、頚部が前・後屈動作や回旋動作を強いられ引き起こされる症状を言います。頸椎周囲の筋肉や靱帯、神経や血管などの組織に損傷を受けたものです。首の痛み・首の運動制限・頭痛・肩こり・吐き気・めまい・耳鳴り・痺れ・筋力低下など多彩な症状が起こります。

一覧にもどる

腱鞘炎(ケンショウエン)

筋肉の力を四肢の先端に伝える腱と、腱の浮き上がりを抑える腱鞘の間に起きた炎症をいいます。最も一般的なものは狭窄性腱鞘炎で、ばね指(弾発指)、デケルバン(de Quervain)腱鞘炎などがあります。腱鞘炎の原因は関節リウマチ以外は、「使い過ぎによる腱と腱鞘の間の機械的な摩擦による炎症」です。

一覧にもどる

広範脊柱管狭窄症(コウハンセキチュウカンキョウサクショウ)

脊柱管が狭窄する疾患の難病です。脊柱管狭窄症には、腰部脊柱管狭窄症、頚部脊柱管狭窄症、胸部脊柱管狭窄症がありますが、この2か所以上が同時に狭窄するものを広範囲脊柱管狭窄症といいます。脊髄、馬尾神経、神経根の障害を起こします。四肢、躯幹の痛み、しびれ、筋力低下、四肢の運動障害、脊椎性間歇跛行などの臨床症状を呈します。重篤化すれば膀胱直腸障害を伴い、男女比は2:1で60歳代が最も多く、原因不明です。

一覧にもどる

五十肩(ゴジュウカタ)

加齢による退行変性や、それに加わる軽微な外傷が招く肩関節痛と、運動制限を引き起こす癒着性肩関節包炎を指します。この病態の発生には、加齢により肩関節の拘縮が起こる場合と、肩関節の周囲の炎症が引き金になり反射性の筋れん縮状態に陥り、やがて筋性の拘縮状態へ移行する場合があります。

一覧にもどる

骨形成不全(コツケイセイフゼン)

正常な骨を構成するコラーゲンの合成が阻害されて骨が異常にもろくなる病気です。軽度から重度まで様々あり、ほとんどの場合は骨がもろくなる他、聴力障害が認められます。重度の乳児は頭蓋も柔らかいため、出産時の圧力から脳を保護できず多くの骨が折れて生まれます。中等度の場合は、ささいなけがでも骨折してしまいます。また、この病気は心臓や肺の病気を併発することがあります。

一覧にもどる

骨腫(コツシュ)

正常の骨皮質と同様の組織が塊となって腫瘤を形成したものをいいます。顕微鏡検査では、正常骨組織の過形成として観察されます。症状はほとんどなく、多くの場合は他の原因でX線検査を行った際に偶然見つかります。良性骨腫瘍であっても骨折の原因となることもあることから掻把手術などが行われます。

一覧にもどる

骨折(コッセツ)

骨折とは骨が折れたりひびが入ることで、通常は周辺組織の損傷を伴い、外傷骨折・疲労骨折・病的骨折に分けられます。脊椎の骨折では骨片での脊髄の損傷によりその支配領域が麻痺したり、頸椎の場合では死亡する事もあり、肋骨骨折の場合は、肺損傷や心臓損傷のおそれもあります。

四肢の骨折(上肢、下肢)、骨盤骨折、鎖骨骨折

頭蓋骨骨折

脊椎骨折

鼻骨骨折

肋骨骨折

一覧にもどる

坐骨神経痛(ザコツシンケイツウ)

体内で最も太く長い2本の坐骨神経は、第四第五腰椎の神経と仙骨の前面から出る神経の束が合わさった神経の束です。この神経が障害されると、臀部から大腿後面さらに下腿後面へビリビリとした痛みがはしります。原因は、年齢により異なりますが、若年者に最も多いのは、腰椎椎間板ヘルニア、次に梨状筋症候群です。腰椎椎間板ヘルニアは比較的急激に発症し、ラセーグ徴候陽性が特徴です。梨状筋症候群は比較的緩徐に発生し、通常はラセーグ徴候が陰性となります。一方、高齢者では変形性腰椎症や腰部脊柱管狭窄症などに多く見られます。帯状疱疹、脊髄腫瘍、骨盤内腫瘍が原因のこともあります。

一覧にもどる

三角線維軟骨複合体損傷(サンカクセンイナンコツフクゴウタイソンショウ)

三角線維軟骨複合体は、尺骨茎状突起の周囲に位置し関節円板と靭帯、腱鞘で形成され、手関節の支持性と可動性の一部を担い、手首への衝撃を和らげるクッションのような役割を果たす。本疾患は、これが外傷性または加齢により損傷されることである。症状は小指側(尺側)の痛みである。

一覧にもどる

四十肩(シジュウカタ)

加齢による退行変性や、それに加わる軽微な外傷が招く肩関節痛と、運動制限を引き起こす癒着性肩関節包炎を指します。

一覧にもどる

手根管症候群(シュコンカンショウコウグン)

腕から手に行く神経・血管・腱などを手首で包帯状に束ねている組織を手根管といい、この部分の炎症により正中神経が圧迫される病態をいいます。手を酷使する人の屈筋腱の腱鞘炎、関節リウマチによる滑膜炎、人工透析患者のアミロイド沈着、腫瘍、骨折などの変形で引き起こされます。

一覧にもどる

神経線維腫症(シンケイセンイシュショウ)

皮膚・神経を中心に人体の多くの器官に神経線維腫をはじめとする様々な異常を生じる遺伝性の病気で、レックリングハウゼン病とよぶこともあります。神経線維腫症1型は神経線維腫と呼ばれる腫瘍や色素斑など皮膚症状が強く、神経線維腫症2型は両側の聴神経の腫瘍を主体に皮膚病変の少ないタイプの2種類があります。

一覧にもどる

靭帯損傷(ジンタイソンショウ)

膝には内側側副靭帯、外側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯の4本の靭帯があり、関節を安定させる為に制動作用を果たしています。これらの靭帯に大きな外力が作用し、部分的にまたは完全に切れてしまうことをいいます。半月板損傷や骨軟骨損傷を合併したり、膝が不安定なまま放置してスポーツを続けると、膝関節水腫や、二次的に半月板が切れたり、変形性膝関節症に移行したりします。

一覧にもどる

頭蓋骨骨折(ズガイコツコッセツ)

頭蓋円蓋部骨折と頭蓋底骨折の2つに分けられ、前者はさらに線状骨折、陥没骨折、粉砕骨折の3つに分けられます。骨折により脳が損傷をうけると、脳脊髄液が鼻や耳から漏れ出してきたり、鼓膜が破れていれば鼓膜の後ろに血だまりができたり耳から出血します。また、耳の後ろや眼の回りに、打撲によるあざが生じます。けいれん発作は外傷直後か、あるいは時間がたってから起こります。

一覧にもどる

脊柱管狭窄症(セキチュウカンキョウサクショウ)

先天的または後天的に脊柱管が狭くなって、脊髄や神経根が圧迫される病気です。後天性の場合は、加齢・外傷による椎骨の退行性の変化・軟部組織の肥厚が原因となり、腰椎の場合はすべり症・黄色靭帯の肥厚・石灰化なども原因となります。頸椎および腰椎に起こることが多く、頸椎の場合は頸椎症と同様の症状が現れ、腰椎の場合は両側または片側の下肢の痛み、感覚障害、筋力低下が主な症状です。間欠性跛行がしばしばみられ、進行すると排尿障害が出現します。

一覧にもどる

脊柱すべり症(セキチュウスベリショウ)

脊椎がずれて神経を刺激するために起こる病気で、椎弓部が分離して起こる脊椎分離すべり症と、脊椎骨の関節が変形して起こる脊椎変性すべり症があり、腰痛や足のしびれの原因となります。治療は、痛みがある場合は神経への圧迫を取り除き脊椎を固定する手術や、重症の場合は骨移植をして分離部の修復手術を行う事もあります。

一覧にもどる

脊柱側湾症(セキチュウソクワンショウ)

正常な脊柱は生理的湾曲をしています。この湾曲の異常、脊柱の側方への湾曲を脊柱変形といいます。脊柱変形は、脊柱がねじれながら横に湾曲していく側湾症、後方に凸に曲がってくる後湾、側湾と後湾が合併した後側湾症の3つに分け られます。脊柱側弯症には、姿勢が悪いために起こる機能性側湾症と原因が不明な特発性側湾症があります。若年者で発症したものほど進行する可能性が大きいです。臨床医学的には、Cobb法で20度以上は要治療で装具着用となります。

一覧にもどる

脊柱分離症(セキチュウブンリショウ)

腰椎にある椎弓の部分で腰椎が分離してしまう病態をいいます。腰椎が不安定になる為、神経を刺激して腰痛の原因になることがあります。成人の腰椎分離症は小児期に発生した分離症に加齢変化が加わり症状が発生するものと考えられています。

一覧にもどる

線維性骨異形成・アルブライト症候群(センイセイコツイケイセイ・アルブライトショウコウグン)

骨の形成異常が起こって線維組織に置き換わり、そのなかに成熟していない骨が作られる病気です。一つの骨に発生する単骨性線維性骨異形成と、複数の骨に発生する多骨性線維性骨異形成に大別され、大腿骨、脛骨、上腕骨などが、軽微な外力で変形や骨折します。

単骨性線維性骨異形成

多骨性線維性骨異形成

一覧にもどる

先天性股関節脱臼(センテンセイコカンセツダッキュウ)

股関節がずれたり、はずれたりなどの脱臼を起こす病気で、完全にはずれている完全脱臼、関節がはずれかかっている亜脱臼、股関節の屋根に当たる部分の発育が悪い股関節臼蓋形成不全の3種類があります。9割以上は後天的なものであり、乳児期に本来カエルのように曲がっている足を、無理に真っすぐにさせようとしたり、この姿勢を妨げるような形のおむつや衣類をつけることで、股関節の発達不良により起こります。

一覧にもどる

大腿骨頭壊死症(ダイタイコットウエシショウ)

脚のつけ根にある股関節の中の大腿骨頭の骨組織が壊死に陥り、関節面が陥没したり変形したりする病気です。なんらかの理由で大腿骨頭の血流が低下し、骨組織が死んで脆くなります。続発性大腿骨頭壊死症と特発性大腿骨頭壊死症に大きく分けられます。
  大腿骨頸部内側骨折や潜函病など直接の原因となる基礎疾患が明らかなものが、続発性大腿骨頭壊死症です。これに対して特発性大腿骨頭壊死症は直接の原因が不明ですが、ステロイドの大量投与やアルコール多飲などが背景因子として知られています。
  自覚症状としては、比較的急に生じる股関節部痛が特徴的ですが、腰痛、膝痛、殿部痛などで初発する場合もあります。壊死範囲の大きい場合や骨頭圧潰が進んだ症例、高齢者などでは人工骨頭置換術や人工関節置換術が必要となることもあります。壊死していない健常な骨で体重を支える関節温存手術には大腿骨内反骨切り術、大腿骨頭前方回転骨切り術、大腿骨頭後方回転骨切り術、血管柄付き腸骨移植術などがあります。

一覧にもどる

打撲(ダボク)

転倒やものに強くぶつかるなど体外からの力による、傷口を伴わない軟部組織の損傷をいいます。顔面・頭部、胸腹部、骨盤腔の打撲では脳、肺、肝臓、脾臓 などの重要臓器の損傷を合併することがあります。また、四肢の打撲で著しいはれが生じ、神経、血管が圧迫されて機能障害が現れるコンパートメント症候群、 大腿骨・上腕骨近くの筋肉内出血の吸収不良で限局性に骨のような塊ができる外傷性骨化性筋炎などが起こることもあります。

四肢打撲(上肢打撲、下肢打撲)

胸部打撲、腹部打撲、腰部打撲

顔面打撲、頭部打撲

一覧にもどる

肘部管症候群(チュウブカンショウコウグン)

手指の筋肉を支配している尺骨神経が、肘の内側の肘部管で圧迫や引き延ばしを受けて発生する神経麻痺です。肘内側の上腕骨内上顆の後ろに、骨と靭帯で形成された肘部管があり、ここを尺骨神経が通っています。圧迫原因は、肘部管を構成する骨が隆起した骨棘・靭帯の肥厚・肘部管内外にできたガングリオン嚢腫などがあり、神経引き延ばし原因は、小児期の骨折によって生じた外反肘などがあります。

一覧にもどる

椎間板ヘルニア(ツイカンバンヘルニア)

椎骨と椎骨の間でクッションの役割をはたす軟骨を椎間板といい、繊維輪と髄核で構成されています。この繊維輪に亀裂が生じ、髄核が繊維輪を破って飛び出してしまう事をいいます。飛び出した椎間板が、神経などを圧迫する事により、激しい痛みや痺れなどの症状を引き起こします。

一覧にもどる

テニス肘(テニスヒジ)

肘の周囲に痛みが出てきたものをいい、テニスプレーヤーが肘を完全に伸ばしたままバックハンドでボールを打ったり、頻回な前腕部の回旋運動を行ったりしたときに起ります。その他に手をよく使う仕事をしている人にもおきます。肘外側に痛みや圧痛が生じ、ラケットが握れなくなるだけでなく、タオルしぼりなど日常生活動作にも障害をきたしますが、腫脹はなく関節可動域も正常のままです。

一覧にもどる

捻挫(ネンザ)

関節が不自然な外力により生理的な可動範囲を超えるような動きを強制されたときに発生し、関節を構成している相互の骨と骨の間にずれのないものをいいます。関節の痛みや腫脹、皮下出血、靭帯損傷などが起こります。

一覧にもどる

白蝋病(ハクロウビョウ)

チェーンソーを使用する山林労働者に起こる職業病です。一般に振動工具の長期間使用により、血管運動神経障害が起こることが原因です。臨床症状には、四肢の間欠的な蒼白、チアノーゼ、しびれ、疼痛などがあります。さらに進行すると手首、肘、肩の関節障害や筋肉痛が起こり、手の感覚も鈍麻するようになります。

一覧にもどる

ばね指(バネユビ)

指を曲げる屈筋腱が腱鞘炎を起こしたものをいい、腱の鞘が狭くなるために腱が引っかかり、悪化すると動かなくなる場合もあります。原因として手の酷使、妊娠時、産後や更年期の女性や関節リウマチなどで発生します。

一覧にもどる

半月板損傷(ハンゲツバンソンショウ)

半月板は大腿骨と脛骨の間に存在し、大腿から受ける荷重を分散して衝撃を吸収する作用と膝関節の安定性や円滑な運動をもたらす役割を担っています。原因は、若年者ではスポーツ外傷が多く、高齢者では半月板の変性を基盤として特に誘因なく発生します。症状は膝の痛みや腫れ・運動障害・歩行障害などがあり、嵌屯症状や膝折れ現象を認めます。

一覧にもどる

腓骨筋腱脱臼(ヒコツキンケンダッキュウ)

腓骨筋(長腓骨筋と短腓骨筋)腱が緊張した状態で足関節が内転・内反(回外)させられたときや、背屈・外反時に生じやすく、腓骨筋の過度な収縮が腓骨筋腱を押さえる腓骨筋支帯を超えて、腓骨から脱臼します。先天性の腓骨筋支帯の弛緩・脆弱製や腓骨筋腱溝の形成不全が原因となり、脱臼と自然整復を繰り返すことにより腓骨筋腱の炎症症状を呈し、腫脹や熱感、発赤を伴うこともあります。

一覧にもどる

変形性股関節症(ヘンケイセイコカンセツショウ)

関節軟骨の変性や摩耗に始まり、様々な関節変化が進行する疾患です。軟骨の変性・摩耗は、人種、性別、加齢、肥満および遺伝などの素因下に、労働や運動、外傷などの力学的負荷が加わり発生します。さらに機械的負荷により、軟骨細胞の代謝障害が起き軟骨破壊が進行し、滑膜炎、関節水腫、骨破壊の進行を引き起こします。進行性であり、それぞれの時期に応じた臨床像を呈します。

一覧にもどる

変形性膝関節症(ヘンケイセイシツカンセツショウ)

加齢や肥満が原因で膝関節の緩衝材である軟骨のすり減りや筋力の低下が要因となり、膝関節の炎症や関節が変形し痛みが生じる疾患で、中高年に多く発症します。膝軟骨や半月板が長期間に少しずつすり減り変形することで起こる一次性のものと、関節リウマチや膝のケガなどの他の原因によって引き起こされる二次性の2種類があります。

一覧にもどる

変形性脊椎症(ヘンケイセイセキツイショウ)

加齢に伴って生じる脊柱の構造変化をいい、頸椎に生じた場合を変形性頸椎症、腰椎に生じた場合には変形性腰椎症と呼びます。変性した椎間板や椎間関節包による鈍痛、萎縮し弾力を失った筋肉による凝り、椎間の不安定性によるぎっくり腰などが主な症状です。

一覧にもどる

ベーカー嚢腫(ベーカーノウシュ)

膝の裏側にある内側腓腹筋滑液包と半腱様半膜様筋滑液包という滑液包の炎症により生ずる腫瘤です。滑液包は、関節が動くことにより生じる腱や靱帯の摩擦や機械的刺激を少なくするための潤滑油(滑液)がはいった袋で、様々な関節の近くに存在します。痛みは少なく、膝の裏がはれている、膝を曲げる際の圧迫感・違和感がある、といった症状が主なものですが、膝関節の可動域制限や痛みなどがある場合には穿刺を行います。

一覧にもどる

腰仙部移行椎(ヨウセンブイコウツイ)

通常5個ある腰椎の一番下の腰椎が、仙椎に近い形をしている腰椎の仙椎化と、その逆に一番上の仙椎が腰椎のような形をしている仙椎の腰椎化を指します。先天性奇形の一種で、症状は外傷後に腰部の重圧感、疲労感や痛みがおこり、後ろに反るのが制限されたり、仙腸関節部に圧痛を訴えることもあります。

一覧にもどる

腰椎分離症(ヨウツイブンリショウ)

腰椎は、前半分の椎体と、後ろ半分の椎弓からなり、椎体と椎弓の間には椎弓があります。その椎弓の部分で腰椎が分離してしまう病態をいいます。腰椎が不安定になる為、神経を刺激して腰痛の原因になることがあります。成人の腰椎分離症は小児期に発生した分離症が無症状のまま経過し、加齢と共に腰椎症性変化(老化現象)が加わって症状が発生するものと考えられています。

一覧にもどる

腰痛(ヨウツウ)

腰痛の原因としては、腰部に負担のかかる動作による脊椎・腰椎・神経などの障害、腫瘍などの慢性疾患からの症状の2つがあります。前者の場合は、椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症・変形性脊椎症・骨粗鬆症などがあげられ、また後者の場合は腎臓結石・尿管結石・大動脈瘤・婦人科の病気・悪性腫瘍など様々な要因で引き起こされます。

一覧にもどる

リポーマ

脂肪が蓄積した軟らかいしこりで、皮下にできて円形や楕円形のこぶ状になります。皮下軟部腫瘍の一つです。体のどこにでもできますが、好発部位は前腕部・胴体・首の後ろで、数も1個~多数までさまざまです。これができても体に害を及ぼすことはほとんどありませんが、神経を圧迫する部分にできてしまうと痛む場合もあります。腫瘍が大きくなったら摘出手術をします。

一覧にもどる