引受表の記号は、以下の意味を表します。

  • ○…引受可
  • ×…引受不可
  • △…条件付(保険料割増等)
  • 削減…削減
  • R…部位不担保

アイゼンメジャー症候群(アイゼンメジャーショウコウグン)

肺高血圧があるために静脈血が動脈側に流れ込み、チアノーゼが出現するに至った状態をいいます。心房中隔欠損、心室中隔欠損、動脈管開存など、通常は動脈血が静脈側に流れ込む疾患の人が、肺高血圧が徐々に高度となり、静脈血の一部が動脈側に流れ込むようになって発症します。

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アダムス・ストークス症候群(アダムス・ストークスショウコウグン)

急に発生した極端な徐脈・心停止・頻脈のために、心臓から脳への血液の供給が大きく低下したり停止して、脳の酸素低下を来した状態をいいます。脳の虚血症状が突然に現れ、程度は徐脈では心臓が停止している時間の長短に、頻脈では脈拍数と頻脈持続時間によって決まり、その他、全身けいれんなどが起こります。

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異型狭心症(イケイキョウシンショウ)

本来冠動脈が動脈硬化によって徐々に狭くなるのと異なり、通常は正常に働いている冠動脈が突然冠動脈がけいれんのように細くなり、狭心症の症状をきたすものをいいます。症状としては夜寝る前や何の前触れもなく突然胸が痛んだりします。

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遺伝性出血性毛細血管拡張症(イデンセイシュッケツセイモウサイカンカクチョウショウ)

血管形成に異常があるため、血管がもろくなって出血しやすくなる遺伝病です。オスラー病とも呼ばれます。皮下の血管が破れて、赤や紫色の小さな変色部位が生じ、特に顔、唇、口や鼻の中、手足の指の先に現れます。また、消化管、尿路、脳、脊髄などの毛細血管でも出血を起こすこともあります。

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右胸心(ウキョウシン)

心臓が体の右側にある状態です。全部の内臓が左右逆になっている全内臓逆位、心臓だけが左右逆になっているものや、無脾(多脾)症候群に伴うもの、心臓が右側に極端に寄ってしまったものなどがあります。通常、右胸心のみでは症状はなく、合併する心奇形によります。

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エコノミークラス症候群(エコノミークラスショウコウグン)

旅行中長時間座ったままでいることで起こる深部静脈血栓症に伴った急性肺動脈血栓塞栓症のことです。特に国際線の飛行機の旅行中に起こります。静脈血の鬱帯や血液凝固の亢進が原因です。

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エプスタイン奇形(エプスタインキケイ)

心臓の三尖弁のうち、後尖と中隔尖が心尖方向にずれて付着している奇形です。このため重症の三尖弁逆流が生じます。合併奇形として心房中隔欠損、心室中隔欠損、肺動脈狭窄あるいは閉鎖不全などがあります。症状は無症状のものから重篤なものまであり、治療は内科的あるいは外科的に三尖弁を形成するか、人工弁に取り替える弁置換術を行う必要があります。

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LGL症候群(Lown‐Ganong‐Levine syndrome)(エルジーエルショウコウグン)

洞結節で生成された刺激信号の伝導経路の中で、本来なら興奮を遅延して伝達するべき房室結節部をバイパスする副伝導路ができてしまい、興奮が本来の伝導路を経由せず、短時間で短絡的に副伝導路を通過してしまいます。主な症状は上室性頻脈があり、心房細動や心室細動を起こすこともあります。

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下肢静脈瘤(カシジョウミャクリュウ)

下肢の静脈が拡張してこぶのように膨らんだ状態を下肢静脈瘤と呼び、拡張した静脈の多くは屈曲・蛇行しています。自覚症状の無い場合もありますが、だるい・痛い・むくむ・足がよくつる、といった症状がでます。重症例では皮膚が障害され皮膚炎・湿疹・色素沈着・潰瘍形成を伴うこともあります。

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川崎病(カワサキビョウ)

全身の中小動脈の炎症を起こす原因不明の病気で、何らかの感染症が引き金になって、血液中にサイトカインと呼ばれる化学物質が増え、いろいろな症状が起こると考えられています。主に4歳以下の乳幼児がかかり、初期は急性熱性疾患として全身の血管壁に炎症が起き、1~2週間で症状が治まりますが、炎症が強い時は脇や足の付け根の血管に瘤が出来る場合もあります。また、心臓に冠動脈瘤などの後遺症や、心筋梗塞などを起こすこともあります。

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冠状動脈硬化(カンジョウドウミャクコウカ)

心臓の冠状動脈にみられる動脈硬化症で、男性に多く拡張期血圧との関係が指摘されています。また50才以上の肥満との関係も深いといわれています。冠状動脈に動脈硬化が進行すると狭心症が起こります。また冠状動脈が閉塞すると、その動脈によって養われている部分の心臓の筋肉が栄養や酸素不足となって、組織が破壊され心筋梗塞となります。

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感染性心内膜炎(カンセンセイシンナイマクエン)

心臓の弁膜を中心とした内膜に病原体が定着し、そこで増殖して疣贅(いぼ)を形成して周辺の組織を破壊していく疾患です。心臓基礎疾患によって心内膜が傷つけられ、そこに病原体が付着・繁殖することが原因と考えられています。発熱、全身倦怠感、易疲労感、体重減少といった非特異的な症状がみられ、関節痛・筋肉痛なども起こります。また、疣贅が内膜からはがれて血流に乗ると、脳塞栓症などの動脈塞栓症を起こすことがあり、弁の破壊が著しい場合は、心不全症状に至ることもあります。

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冠不全(カンフゼン)

心筋が必要とする血液量を冠状動脈が十分に供給できないために起こる諸病態の総称です。冠動脈の機能不全の最も多い原因は、冠動脈の動脈硬化でその内腔が狭くなり、血流がうまく流れず心筋に十分に酸素や栄養素が行き渡らない場合です。従って、冠不全が起こるとその冠動脈で血流を受けている心筋は、十分に血液供給を受けられなくなります(心筋虚血)。そして心筋の機能が障害されます(心筋障害、心筋傷害)。

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急性冠症候群(キュウセイカンショウコウグン)

急性冠症候群(acute coronary syndrome)は、急性冠動脈閉塞により引き起こされる一群の病態をさします。その結果は閉塞の程度によって異なり、不安定狭心症(unstable angina、急性冠不全、心筋梗塞前狭心症、中間症候群)から非ST上昇心筋梗塞(NSTEMI、心内膜下心筋梗塞)、ST上昇心筋梗塞(STEMI、貫壁性心筋梗塞)および心臓性突然死まで様々です。

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狭心症(キョウシンショウ)

発作的に、胸の痛みや圧迫感などの症状を起こす病気です。発作の起こり方・原因などにより、労作性狭心症・安静狭心症、器質型狭心症・異型狭心症、安定狭心症・不安定狭心症のように分類されます。心臓の冠動脈の血管内腔が狭くなり、心筋に十分な血流・酸素が送り込めない時に胸の痛みが起こります。冠動脈の血管狭窄の原因の大多数は、糖尿病、高脂血症、高血圧などに引き続いて起こる動脈硬化ですが、血管けいれんも血管狭窄の原因となります。動脈硬化により狭窄した冠動脈に対しては、経皮的冠動脈形成術、経皮的冠動脈ステント留置術などが行われます。

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高血圧(コウケツアツ)

収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧が90mmHg以上に保たれた状態をいいます。高血圧自体の自覚症状はほとんどありませんが、虚血性心疾患、脳卒中、腎不全などの発症リスクがあります。計測する時間帯は正常値でもその他の時間に高血圧になる仮面高血圧と、逆に、普段は正常血圧なのに診察室で医師が測定すると血圧が上昇して、高血圧となる白衣高血圧があります。引受査定は、血圧値のコントロール状況によります。

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心筋炎(シンキンエン)

心筋に何らかの原因により炎症が起こり、心不全などを引き起こす病気です。炎症を起こす原因としては、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫などによる感染、放射線、薬物、毒物などによる中毒性、膠原病などの全身疾患に合併するものなど様々ですが、最も多い原因はコクサッキーウイルス、インフルエンザウイルスなどのウイルス感染によるものです。合併症として、ウイルスにより心筋収縮能が障害されることによる心不全や、刺激伝導系に障害を来す為に起こる重症の不整脈などがあります。

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心筋梗塞(シンキンコウソク)

狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患により、冠動脈の動脈硬化で血管の内腔が狭くなり、血流が制限されて心内膜側の心筋が壊死に陥ることをいいます。動脈硬化を進行させる危険因子は、高コレステロール血症、高血圧、喫煙、糖尿病、肥満、痛風、運動不足、精神的ストレスなどがあげられます。治療法としては薬物療法、カテーテル療法、冠動脈バイパス手術などがあります。

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心筋症(シンキンショウ)

原因不明な心筋疾患を心筋症と呼びます。その形態や機能異常の特徴から、心筋が異常に厚くなる肥大型心筋症、収縮する力が弱くなり心臓の内腔が異常に大きくなる拡張型心筋症、心筋の内側の心内膜が厚くなり、心筋が拘束されたようになって広がりにくくなる拘束型心筋症、右室全体のびまん性拡張と収縮低下を来す不整脈原性右室心筋症などに分類されます。

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心肥大(シンヒダイ)

心肥大には、心室壁が肥厚するものと、心室の内腔が肥大するものとがあり、左心室の肥大を左室肥大、右心室の肥大を右室肥大と呼びます。心室壁が肥厚する左室肥大の原因として、高血圧性心疾患・大動脈弁狭窄症・肥大型心筋症などが挙げられます。心臓肥大が嵩じると、心臓が弱って十分な血液を送り出すことができず心不全を起こす原因にもなります。

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心室中隔欠損症(シンシツチュウカクケッソンショウ)

左右心室の間にある心室中隔に欠損孔が認められる病気です。血液の一部分が左心室から欠損孔を通り、右心室を通って肺に流れるため、欠損孔を通る血液の分が肺に多く流れ、心臓に負担をかけます。この余分な血液が多いほど早く症状が現れ、手術等の治療が必要になりますが、自然に閉じた場合や、欠損孔が小さい場合には手術の必要はありません。

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心臓カテーテルアブレーション術(シンゾウカテーテルアブレーションジュツ)

近年、不整脈の治療として心臓カテーテルアブレーションが用いられるようになってきました。この手術の適応対象となる不整脈には、WPW症候群、房室結節回帰性頻拍、心房頻拍、心房細動、心房粗動、心室性期外収縮、心室頻拍などがあります。アブレーション術後の再発は、術後6ヶ月から1年以内が多く、その後は徐々に減少していきます。

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心臓弁膜症(シンゾウベンマクショウ)

心臓にある弁に障害が起き、本来の役割を果たせなくなった状態をいいます。弁の開きが悪くなり血液の流れが妨げられる狭窄と、弁の閉じ方が不完全なために血液が逆流してしまう閉鎖不全があり、大動脈弁と僧帽弁に多く起こります。弁膜症の原因には、先天性と後天性(リウマチ熱、動脈硬化、心筋梗塞、変性など)があり、症状は息切れ、疲れやすい、胸痛、呼吸困難などが出てきます。

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心房細動(シンボウサイドウ)

心房が洞房結節の刺激によらずに速く部分的に興奮収縮し、規則的な洞房結節の活動が伝わらず、心室の収縮が不規則な間隔で起こる状態をいい、不整脈の一種です。心房細動を起こす基礎疾患には、心房負荷を起こす疾患(僧帽弁狭窄症・閉鎖不全症、心房中隔欠損症)、甲状腺機能亢進症、心筋症、WPW症候群などがあります。血栓ができやすくなる他、動悸、易疲労、脳梗塞と心筋梗塞の原因となります。近年、心房細動に対してカテーテルアブレーション治療が行われるようになってきました。

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心房粗動(シンボウソドウ)

心房の興奮回数が1分間に240~450回で、電気的興奮が主に右心房内を大きく旋回する頻拍をいいます。症状としては動悸、胸部の違和感、胸が躍るように感じる、胸の痛みなどがあります。ほとんどが器質的な心臓病が原因で起こるため、まず原因に対する治療が必要となります。また、心房の興奮が頻回に心室に伝わると、心室性頻拍症と同様になる為、心室細動に移行する恐れがあります。

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心房中隔欠損症(シンボウチュウカクケッソンショウ)

右心房と左心房の間の壁である心房中隔が、発生途中で完成しなかった疾患を言います。心房中隔に欠損があるため、肺から戻ってきた血液(動脈血)が左心房から右心房へ逆流します。初期症状は動作後の息切れや疲れやすさなどで、そのうちに心房細動などの不整脈や、浮腫・動悸などの症状が次第に強くなってきます。

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心膜炎(シンマクエン)

心膜に炎症を起こす感染症(ウィルス・細菌・寄生虫・真菌など)やその他の病気が原因で引き起こされます。発熱と左肩や左腕までひろがるように感じる、心臓発作の痛みに似た胸痛を引き起こし、フィブリン・赤血球・白血球などの血液成分や体液が心膜腔にたまる原因となります。この貯留液は心臓を圧迫し心拍出力が損なわれ、命に係わる危険な心タンポナーデを発症することもあります。

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僧帽弁閉鎖不全症(ソウボウベンヘイサフゼンショウ)

心臓の左心室の入り口に位置する弁が正しく閉じることができず、逆流をきたすようになる疾患です。軽度の場合は心臓超音波検査での機能の低下、疲れやすい、動悸・息切れがするといった自覚症状があり、重度では肺のうっ血、水腫が認められます。心臓への過剰な負担をなくすためには手術で修復するか、人工弁に取り替える必要があります。

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大動脈弁閉鎖不全症(ダイドウミャクベンヘイサフゼンショウ)

心臓の出口に位置する大動脈弁が正しく閉じずに、逆流をきたす疾患です。原因としてはリウマチ性・二尖弁・感染性心内膜炎などの弁の障害によるものと、弁輪拡張症・マルファン症候群・高安動脈炎・梅毒などの上行大動脈の疾患によるものとがあります。慢性の場合には、左心室の機能の低下や虚血により労作時の息切れ・呼吸困難や狭心痛が起こり、急性の場合には急激な心不全症状が現れます。

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大動脈瘤(ダイドウミャクリュウ)

全身に血液を送る大血管の一部が瘤のように膨らんだ状態をいいます。動脈瘤は血管の老化現象である動脈硬化が原因です。特に動脈硬化を促進する原因(高血圧、糖尿病、高コレステロール血症)などの持病がある場合は動脈瘤発症の可能性が高くなります。多くは破裂しない限り症状がありませんが、破裂すると激しい痛み、呼吸苦、意識障害などを起こし、出血性ショックにより突然死することもあります。

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高安動脈炎(タカヤスドウミャクエン)

大動脈とその主要分枝や肺動脈、冠動脈に閉塞性または拡張性病変をきたすことから、大動脈炎症候群ともいわれます。さまざまな症状が現れます。原因不明ですが、女性ホルモン、ウイルス、遺伝要因などが考えられています。発熱、めまい、失神発作、頸部痛、脈拍が触れにくくなる、血圧の左右差、間欠性跛行などの症状があります。

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WPW症候群(Wolf-Parkinson-White syndrome)(ダブルピーダブルショウコウグン)

不整脈(頻脈)を生じる心臓病の一つで、Kent束と呼ばれる副伝導路が存在することによって、リエントリー回路を形成することで生じてきます。通常は洞結節から発した電気信号が心房を経由して心室へと伝達されますが、信号が通常のルートのほかKent束を経由する2つのルートを伝わるため、発作が起きると拍動リズムを乱し頻脈発作が起きます。頻拍発作で失神などの症状がある場合は危険ですが、その他は自覚症状を示さず、心臓の機能が障害されることはありません。近年、カテーテルアブレーションの適応疾患として治療されることが多いです。

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腸間膜リンパ節炎(チョウカンマクリンパセツエン)

腸間膜リンパ節炎は、主に回盲部付近の腸管膜リンパ節の非特異的炎症です。種々の感染症(腸管の感染症、風邪などの上気道感染症)などで起こり、発熱、腹痛、嘔吐、下痢などの急性虫垂炎に良く似た症状を呈します。
  血液検査では、CRP高値、白血球増多、赤沈亢進(赤血球沈降速度)などの炎症反応も観察されます。それゆえ急性虫垂炎と判断され、手術を受けることが多いのですが、虫垂切除を目的として開腹手術をしてみると、実は虫垂は正常で腸間膜に発赤腫脹したリンパ節を認めることで腸間膜リンパ節炎と判明します。
  臨床症状から腸間膜リンパ節炎と急性虫垂炎との鑑別は困難です。腸間膜リンパ節炎の頻度は、虫垂炎手術例の10%と従来いわれてきましたが、高周波ハーモニック装置の導入により、今後の腸間膜リンパ節炎の症例数は増加すると思われます。腸間膜リンパ節炎の確定診断とされるリンパ節のサイズと数は「5mm以上3個以上」とされています。

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動静脈瘻(ドウジョウミャクロウ)

動脈と静脈との間にできた異常な連絡通路のことです。正常であれば、血液は動脈から毛細血管を通って静脈に流れますが、動静脈瘻があると血液は直接動脈から静脈へ流れ、毛細血管を迂回してしまいます。動静脈瘻には、出生時に形成されている先天性動静脈瘻と、生まれた後に形成される後天性動静脈瘻とがあります。引受査定は、部位によって評価します。

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動脈硬化症(ドウミャクコウカショウ)

動脈が肥厚し硬化した状態を動脈硬化といい、これによって引き起こされる様々な病態をいいます。動脈硬化の種類にはアテローム性粥状動脈硬化・細動脈硬化・中膜硬化などのタイプがあります。アテローム動脈硬化症は、脂質異常症・糖尿病・高血圧・喫煙などの危険因子により生じると考えられ、最終的には動脈の血流が遮断されて、酸素や栄養が重要組織に到達できなくなる結果、脳梗塞や心筋梗塞などの原因となります。

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特発性拡張型心筋症(トッパツセイカクチョウガタシンキンショウ)

原因不明の心筋疾患であり、著しい心筋の肥大を形成する肥大型心筋症と、心内腔の著明な拡大と高度な収縮不全を呈する拡張型心筋症に分けられます。そのうち拡張型心筋症は、心筋収縮と左室内腔の拡張を特徴とする疾患です。左心不全による低心拍出状態と肺うっ血や不整脈による症状を特徴とし、ステージが進行すると両心不全による臨床症状をきたします。

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肺動脈弁狭窄症(ハイドウミャクベンキョウサクショウ)

右心室から肺動脈が出ており、その付け根の弁(肺動脈弁)が狭く右心室の圧が上がる疾患です。通常は何も症状はありませんが、右心室の圧が上がりすぎると障害が起こり治療が必要になります。中年以降では、疲労しやすいなどの症状が現れたり、放置すると運動時に突然死する可能性があります。

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ファロー四徴症(Tetralogy of Fallot;TOF)(ファローシチョウショウ)

大きい心室中隔欠損があり、右心室の出口(漏斗部)が狭い病気です。肺動脈狭窄(漏斗部狭窄)、心室中隔欠損、右心室肥大、大動脈騎乗の4つの奇形を合併していることにより、全身に送られる動脈血に血中二酸化炭素濃度の高い静脈血が増加するため、チアノーゼを起こします。

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浮腫(フシュ)

顔や手足などの末端が体内の水分により痛みを伴わない形で腫れることをいいます。細胞間質液と血液の圧力バランスが崩れ、細胞組織に水分が溜まることにより引き起こされます。浮腫は心臓・腎臓・肝臓・甲状腺の異常、血管・リンパ系の循環障害、悪性腫瘍など様々な内臓疾患の前兆となります。

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不整脈(フセイミャク)

心臓の拍動の間隔が一定でないものをいいます。不整脈の種類には期外収縮と心房細動があります。また広義には、間隔は一定でありますが頻脈や徐脈も不整脈に含めます。最も多い原因としては心筋梗塞・狭心症・心不全などがあり、全く無症状のこともありますが、脈が遅くなりすぎると脳や体の血液の循環が悪くなり、全身の倦怠感やめまい、また失神することもあります。不整脈の種類が分かる正式病名が分からないときは、医師扱で心電図検査を受けると良いでしょう。

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ブルガダ症候群(Brugada)(ブルガダショウコウグン)

突然に「心臓けいれん」ともいえる致死的な不整脈である心室細動をきたし、失神を起こしたり、時に突然死にもつながると考えられている原因不明の心臓病です。突然に心室細動が出現し、何の兆候もなく突然失神をきたすため、その場での救急蘇生、電気ショックなどが必要になります。確定診断された場合には植込み型除細動器(ICD)による治療を行います。

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レイノー病(レイノウビョウ)

レイノー病とは、寒冷時や冷水などの寒冷刺激やストレスにより四肢末梢部、とくに両手指が対称的に痛み、しびれ感とともに蒼白あるいはチアノーゼなどの循環虚血症状をきたす疾患です。レイノー病の多くは40歳前の若年女子に起こります。原因は不明です。膠原病や自己免疫疾患が基礎疾患としてあってレイノー病と同じ症状を起こす場合には、レイノー現象といいます。

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