引受表の記号は、以下の意味を表します。

  • ○…引受可
  • ×…引受不可
  • △…条件付(保険料割増等)
  • 削減…削減
  • R…部位不担保

悪性絨毛上皮腫(アクセイジュウモウジョウヒシュ)

子宮壁に接着する絨毛の上皮が異常増殖してできる悪性新生物で、絨毛癌ともいいます。胞状奇胎の娩出後や流産後に発生しやすく、若年女性に多く見られます。非常に早い時期に肺やその他、子宮膣部・腎臓・肝臓・心臓・胃腸・脳・外陰部・歯ぐき・皮膚など全身の器官に転移を起こしやすいのが特徴です。初期の症状は強度の性器出血・褐色の帯下などが多く、その他に血痰・全身倦怠・嘔吐・貧血などもみられます。

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萎縮性腟炎(イシュクセイチツエン)

更年期を過ぎるころになると、女性ホルモン(エストロゲン)の減少のため、腟の粘膜がやや薄くなり萎縮してくるため、充血を起こして出血したり、傷がつきやすくなった状態をいいます。症状としては、黄色っぽいおりものがつづき、時には少量の出血を伴います。

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会陰裂傷(エインレッショウ)

分娩の際、腟および会陰部が限界まで伸びきった結果として生じる会陰部の裂傷をいいます。腟および会陰部の伸展性が不十分で、児頭が大きく、急激に出口を通過するために起こります。裂傷の危険がある場合は、裂傷が生じる前に会陰を切開し、重度の裂傷の発生を予防します。

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カンジタ症(膣)(カンジタショウ・チツ)

カビの一種である真菌の感染症です。カンジタ自体は口や皮膚、膣や消化管に普段から生息している微生物の一種ですが、異常に増殖を始めると病原性真菌に変わります。その誘因としては、エストロゲン分泌亢進による腟内pHの低下に伴う細菌叢の変動、糖尿病、抗生剤投与による菌交代現象、副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬の大量投与などがあげられます。外陰部の掻痒感・灼熱感・発赤・腫れや、粥状・酒粕状の帯下の増加がおこり、また、外陰部周辺に紅斑や膿疱を伴うこともあります。

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吸引分娩(キュウインブンベン)

胎児の先進部(児頭)に金属製のカップを装着し、これに連結したゴム管を通じて50~60センチメートル水銀柱の陰圧にして吸着させ、それを牽引して胎児の娩出促進を図ることをいいます。分娩が進行した後に胎児の心拍の悪化、母体疲労などによる微弱陣痛、陣痛促進剤などに反応せず分娩が遷延または停止してしまう場合に行います。

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胸腔内異所性子宮内膜症(キョウクウナイイショセイシキュウナイマクショウ)

子宮内膜が異所性(胸腔内)に増殖した状態で、本来の子宮内膜(月経)の周期に合わせて、出血を繰り返します。発症のピークは30~40歳であり、骨盤内子宮内膜症の発症のピークより数年遅れるとされています。発症の形態は、月経随伴性気胸が最も多く(73%)、ついで血胸(14%)、月経随伴性喀血(7%)、肺野結節影(6%)とされ、90%以上は右側に発症します。

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月経異常(ゲッケイイジョウ)

月経周期の乱れ、月経過多、経血の減少、月経前の情緒不安定・不眠・頭痛・めまいなどの症状が出現します。月経前緊張症、月経困難症などがあり、脳の視床下部の障害が原因となる事もあります。

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月経随伴性気胸(ゲッケイズイハンセイキキョウ)

横隔膜や胸膜に入り込んだ子宮内膜様の細胞が月経時に剥脱し、月経開始前後に気胸を起こす病気です。原因は、卵管の子宮内膜症が月経周期に一致して脱落する際に腹腔内に入った空気が、同じく横隔膜に迷入した子宮内膜症の組織が脱落してできた孔から胸腔内に入るためと考えられています。症状は、呼吸困難や胸痛です。

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月経不順(ゲッケイフジュン)

月経周期の乱れ(頻発月経、稀発月経、無月経)、月経過多、経血の減少、月経前の情緒不安定・不眠・頭痛・めまいなどの症状が出現する月経前緊張症や月経前ないし期間中に、下腹部痛や腰痛などがみられる月経困難症があります。脳の視床下部に障害が起きると、性腺刺激ホルモンの分泌が正常に働かなくなり、無排卵や遅延排卵が起こります。

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月経前症候群(premenstrual syndrome;PMS)(ゲッケイマエショウコウグン)

排卵から月経前のプロゲステロンが活発になる黄体期に出現し、卵胞期には消失する身体的・精神的不快な症状の総称であり、排卵のある女性には誰にでも起こり得ます。不眠、抑うつ、無気力、腹部腫脹、体重増加など症状は多彩であり、その他に浮腫、乳房痛、嘔吐、下痢、便秘など自律神経の過剰反応がでます。原因にはホルモン分泌異常説、自律神経失調説、精神因子説、アレルギー説などがあります。

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更年期障害(コウネンキショウガイ)

更年期とは、生殖期(性成熟期)と非生殖期(老年期)の間の移行期をいい、卵巣機能が衰退しはじめ消失する時期にエストロゲンの分泌が急激に減少することによって起こります。様々な身体的症状および精神神経症状が現れるのが更年期障害の特徴であり、のぼせ、冷え症、発汗異常、動悸、めまい、うつ状態、不眠、頭痛、手足のしびれ、蟻走感、尿道炎、尿失禁、皮膚委縮、肥満、腰痛、肩こり、骨粗鬆症、骨量減少症、動脈硬化症など多岐にわたります。

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高プロラクチン血症(コウプロラクチンケッショウ)

プロラクチンは乳腺を刺激して乳汁を分泌させる、脳下垂体から放出される刺激ホルモンです。このホルモンの分泌が異常に亢進して乳汁分泌・無排卵月経・不妊症などを起こすものを高プロラクチン血症といいます。流産後や人工妊娠中絶後、抗うつ剤や降圧剤、ピルや胃潰瘍などの薬の長期間服用ならびに脳の下垂体にできた腫瘍などが原因となります。

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骨盤内感染症(pelvic inflammatory disease;PID)(コツバンナイカンセンショウ)

子宮・卵管・卵巣、その周囲にある腹膜や結合組織に起こる感染症の総称です。原因菌として、以前は結核菌や淋菌が多く、近年では大腸菌類・クラミジア感染によるものが増加しています。急性の場合は、強度の腹痛・腰痛・悪寒戦慄を伴う発熱が主症状であり、慢性期に移行すると骨盤内の臓器が癒着を起こし、下腹部痛・腹部膨満感・下痢・便秘などがみられます。炎症のため卵管が閉塞し、卵管内に膿が貯留すると、不妊症の原因になります。

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骨盤腹膜炎(コツバンフクマクエン)

骨盤内の膀胱・直腸・子宮・卵管の表面を覆う骨盤腹膜に起きる炎症です。原因の多くは、子宮頸管炎から子宮内膜炎、子宮付属器炎、そして骨盤腹膜炎へと感染が上行性に進むことにより発症します。その他、クラミジア感染、子宮内避妊器具の長期間装着、開腹手術後の感染なども原因となります。急性期には下腹部全体に及ぶ持続性の痛みと、悪寒・震えを伴う発熱・悪心・嘔吐が起こり、慢性期に移行すると骨盤内の臓器が癒着を起こし、下腹部痛・腹部膨満感・下痢・便秘などがみられます。

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子宮外妊娠(シキュウガイニンシン)

受精卵が正常な着床部位以外に着床発育した状態で、時には激烈な下腹痛および出血性ショック症状を呈する疾患です。受精卵の着床部位により、卵管妊娠・卵巣妊娠・腹腔妊娠・頸管妊娠などに分類されており、もっとも頻度が高いのが卵管妊娠です。下腹部痛・性器出血・嘔吐などの腹膜刺激症状、胃腸症状などが起こります。

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子宮筋腫(シキュウキンシュ)

生殖可能年齢の女性のうち約20%の割合で発生する疾患で、悪性化するのは0.5%以下と極めて稀です。30代~40代に好発するといわれてます。子宮筋層を形成する平滑筋が腫瘍化します。半数以上が無症候性ですが、月経過多、月経困難症、不正出血、不妊、鉄欠乏症貧血、便秘、腰痛など多岐にわたる症状を引き起こすことがあります。手術は、筋腫核出術、単純子宮全摘術、動脈塞栓術などが行われます。

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子宮頚管ポリープ(シキュウケイカンポリープ)

良性の腫瘍で、粘膜の上皮細胞が増殖して形成されます。ポリープは茎があり赤みを帯びて柔らかく、膣の入り口に向かって垂れ下がるような形になっています。細菌が感染して炎症を起こすことが原因と考えられており、痛みはありませんが簡単に出血したりおりものに血が混じったりします。

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子宮頚部異形成(シキュウケイブイケイセイ)

子宮頚部がヒトパピローマウィルス(HPV)に感染し、基底細胞が変化して異常増殖をおこします。軽度異形成・中等度異形成・高度異形成に分類され、いずれの段階でも症状はありません。しかし、高度異形成の次の段階は子宮頸部上皮内癌になるため、円錐切除術・レーザー治療・LEEP法などの治療が必要となります。

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子宮腺筋症(シキュウセンキンショウ)

子宮内膜症の一種で、本来は子宮の内側にしかないはずの子宮内膜組織が子宮の筋層内にもぐりこみ増殖した状態をいいます。強い月経痛や月経過多、子宮肥大がみられ、貧血や不妊症の原因となります。

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子宮脱(シキュウダツ)

子宮脱、子宮下垂、直腸脱、膀胱脱、尿道脱などを骨盤臓器脱といいます。お産を経験された女性の約半数が、生涯のうちに何らかの骨盤臓器脱を生じるとされるほど多い疾患です。更年期以降の女性によく認められます。 出産や加齢、肥満によって骨盤底筋群が傷ついたり緩むと、排尿・排便障害が起こります。さらに、支えを失った骨盤内臓器が産道、つまり膣をめがけて落ちてくる骨盤臓器脱です。この一つが子宮脱です。

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子宮内膜症(シキュウナイマクショウ)

子宮内膜に類似した細胞が、子宮以外の場所に発生し活動する病態です。下腹部の内部で、腹膜や臓器の表面(ダグラス窩、腸や直腸など)、卵巣の内部、子宮の筋肉層、に発生します。原因としては、卵管を経て逆流した月経血中にある子宮内膜細胞が腹腔内に到達し、腹腔面に生着するという子宮内膜移植説と、腹膜がエストロゲンや月経血の刺激を受け、子宮内膜組織のように変化して子宮内膜症が発生するという体腔上皮化生説があります。

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子宮内膜増殖症(シキュウナイマクゾウショクショウ)

卵胞を形成する卵胞膜から分泌されるエストロゲンに対して、子宮内膜細胞の感度が強すぎた為に、増殖が過度となり子宮内膜も異常に厚みを増した病態をいいます。子宮内膜増殖症は、単純性子宮内膜増殖症・混合性子宮内膜増殖症・異型子宮内膜増殖症の3つに分類されます。異型子宮内膜増殖症は細胞に異型が認められ、子宮体癌に発展する可能性があります。

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子宮内膜ポリープ(シキュウナイマクポリープ)

良性の腫瘍であり、子宮内膜癌に悪化することはまずありませんが、摘出しても再発することがあります。これは子宮内膜ポリープの原因といわれるエストロゲンの感受性が改善されていなかったり、完全に切除しきれていない場合におこります。子宮内膜ポリープにより受精卵の着床障害がおこり、不妊症の原因となることもあります。

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多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary symdrome;PCOS)(タノウホウセイランソウショウコウグン)

卵巣をおおう皮膜が厚く硬い為に成長した卵子が排卵できなくなり、出口を失った状態です。スタイン-レーベンタール症候群ともよびます。次々に成長し続ける卵子が卵巣にたまって、卵巣が大きく腫れてきます。卵胞が真珠のネックレスのように連なって見えることからネックレスサインと言われています。症状は、月経不順・肥満・不妊・男性化(多毛・にきび等)などがあります。治療としては減量、メトホルミン投与、カウフマン療法などを行います。また妊娠を希望される場合には、排卵誘発剤の投与や腹腔鏡下卵巣焼灼術が行われます。

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膣癌(チツガン)

女性性器がんの約1%を占めるまれな疾患です。扁平上皮がんと腺がんという2種類の組織型があり、大部分は扁平上皮がんです。その他の分類として膣から発生した原発性がんと、他の臓器(子宮・外陰・膀胱・直腸など)から転移してきた転移性がんがあります。最も多い症状は生理以外の出血や帯下ですが、排尿時の違和感や痛み、性交時の痛み、下腹部痛なども起こります。

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膣カンジダ症

膣や外陰部に炎症を起こす膣炎または外陰膣炎の一種で、真菌類のカンジダ菌の感染によって起こります。主症状は、外陰部の強度のかゆみやただれで、悪化すると白いチーズ状のおりものが増加し膣内から膣口、小陰唇や大陰唇にまで拡がることもあります。原因として、抵抗力・免疫力の低下、抗生物質使用による体内の細菌叢の乱れ、肥満、糖尿病・妊娠・避妊薬によるホルモンバランスの乱れなどがあります。治療には膣錠やクリームが用いられます。外陰部を清潔に保つこと、膣内の細菌バランスを整えるなどが必要となります。免疫力低下により再発しやすく、細菌バランスの乱れによっては慢性になる場合もあります。

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チョコレートのう腫(チョコレートノウシュ)

卵巣にできた子宮内膜症が毎月の生理のたびに出血し、卵巣内に血が貯まった状態をいいます。症状は年々ひどくなる月経痛、月経時以外にもおこる下腹部痛・腰痛、直腸と癒着した場合は排便痛、不妊症などがあります。

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乳がん(ニュウガン)

乳腺を構成している乳管や小葉の内腔を裏打ちしている上皮細胞から発生します。がん細胞が乳管や小葉の中にとどまっているものを非浸潤がん・乳管内がん、乳管や小葉を包む基底膜を破って外に出ているものを浸潤がんといい、この他、非浸潤がんが乳管が開口している乳頭に達して湿疹様病変が発生するパジェット病の3種に大別されます。

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乳腺炎(ニュウセンエン)

乳腺内に乳汁がたまり炎症を起こす事を乳腺炎といい、出産後2週間以内に起こる事が多く、授乳期の細菌感染によって起こる乳腺やその周辺の炎症のことをいいます。授乳中の乳汁のうっ滞によるもので、化膿例では切開手術が行われることがあります。

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乳腺症(ニュウセンショウ)

卵巣ホルモンの変動に長年さらされた乳腺に生じた経年変化(老化)を総称したものをいいます。病理組織学的には、乳腺間質の線維化、部分的な乳腺の増殖という相反する2つの現象が観察されます。嚢胞が同時に存在することも多く、嚢胞も乳腺症の一種です。

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乳腺線維腺腫(ニュウセンセンイセンシュ)

若年女性に最も多い良性乳腺腫瘤で、乳腺の分泌腺が増殖する管内型と、乳腺周囲の間質が増殖する管周囲型、両者が混在しているものがあります。思春期以降に発症することが多いので、卵巣ホルモンが何らかの発症原因になっていると考えられます。

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不妊症(フニンショウ)

健常に性行為があって2年間妊娠しない場合を不妊症と定義しています。排卵因子(排卵障害)、頸管因子(精子が子宮内に入る過程での障害)、子宮因子(排卵障害・着床障害)、卵管因子(受精卵の卵管から子宮への移動の過程での障害)、男性因子(精子が子宮内に入る過程での障害、受精の障害など)、社会的因子などがあります。

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卵巣嚢腫(ランソウノウシュ)

液体が卵巣内にたまった貯留嚢胞と呼ばれるものと、腫瘍に分けられます。貯留嚢胞は数カ月以内に自然に消えることが多いようです。一方、腫瘍は嚢胞性腫瘍と充実性腫瘍に分けられ、卵巣にできた良性の嚢胞性腫瘍を卵巣嚢腫と呼び、機能性嚢腫・単純性嚢腫・皮様嚢腫・子宮内膜症性嚢腫などがあります。自覚症状がないことが多いですが、卵管や靭帯等で茎捻転を起こした場合は激烈な痛みが出現します。

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